篠田悠三

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最近の記事

福島みずほさん、台湾へいってください

 自民党副総裁の麻生太郎が訪台した(2023年8月)と聞いて、これは一種の「ねじれ」であり「倒錯」現象だと思った。台湾と麻生太郎は真逆だからだ。 台湾といえば、いまやアジアで数少ない民主主義の国であり、しかも(どこかの国と違って)それがよく機能している。そのひとつの証左として、政権交代がしばしば起きる。為に、政治家に緊張感があるという(いつクビになるか解らない)。政権交代があるということは、主権在民が機能しているということだ。国の「主人公」は国民だということ。政治家は「主人

    • 「セクシー田中さん」(日テレ系)につっこみをいれてみました(2)

      第一回で仕事でミスをした朱里が男性上司にわびると、「いいんだよ、君はいてくれるだけで周囲がなごむんだから」なんてことをいわれる。でも、これって、モロ「昭和」なんだよね。当時、男性社員の補助的女子仕事をしていた女子社員はその一方で「職場の花」などともてはやされた。彼女らの多くはたいてい、入社数年で結婚、退社。寿退社なんていった(いまはさすがにいわないでしょうね)。結婚の決まった彼女は関係部署に「お世話になりました」なんて挨拶周り。「いやあ、お世話した覚えはないんだけれど」なんて

      • 「セクシー田中さん」(日テレ系)に「つっこみ」をいれてみました(1)

        都内の商事会社で働くOL朱里(あかり、23)は「いきづらさ」をかかえている。ときおり、ヒラリー・クリントンの「ガラスの天井」スピーチをネット画面でながめては自分をなぐさめている。ある日、仕事は完璧だが地味なアラホーOL田中京子(40)が夜、ペルシャ料理店でベリーダンサーとしてセクシーに踊る姿を見てあこがれるーー。 というのが公式ストーリーだが、「女性」となると「いきづらさ」とくるのが近頃定番になった。つい最近まで「朝日新聞」で「女性のいきづらさ」というフレーズを紙面のどこか

        • 「逃げ恥」はそんなに偉いのか

           TBSテレビの人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(「逃げ恥)」(2016年10月から11回放映)は 若い独身男性平匡(ひらまさ)のため家事全般を担当し給与を得ていた若い女性みくりが互いに好意を持ち「いっそ結婚しようか」で結婚。女性は主婦になるが、今までどうり家事をしても給与はでない。「これっておかしくない?主婦はただ働き?」となる。これがひとつの問題提起になっているという。 この問いかけが説得力を持ったようでいくつかの メディアで取り上げられた。しかし、もう一歩つっこんで

        福島みずほさん、台湾へいってください

          "ジェンダー平等"で見るスエーデンのサスペンス・ドラマ(2)~家庭とキャリアの両立は難しいのか

          ジェンダーにこだわって見るスエーデンのテレビ・ドラマ「RIG45]の第2回 嵐の中、海上石油掘削基地「RIG45]の鉄塔にへばりついてメンテナンス作業をしていた女性作業員リトヴァが墜落死する。この事故を受けて本社では調査のため調査員をRIG45に派遣することにする。その調査員がこのドラマ 「シーズン1」のヒロイン、アンドレア。(ただし、美人調査員が行って難題を解決、と予定調和因にはならない)彼女は自宅で夫、子供2人と休暇を楽しんでいる。そこへケイタイがなる。夫「出るな」。し

          "ジェンダー平等"で見るスエーデンのサスペンス・ドラマ(2)~家庭とキャリアの両立は難しいのか

          スポーツマンシップ不在:「朝日新聞」のスポーツ記事

          それは何とも奇妙なスポーツ記事だった。2023年2月12日「朝日新聞」スポツ欄。女子フィギュア・スケート4大陸選手権最終日の結果をつたえている。不可解なのは何度主文を読み返しても、だれが優勝したかかいていないのだ。2位にもふれていない。大見出しは    千葉 3位 のびやか新星 日本の千葉百音(もね)の3位入賞を伝えているのだが、1位、2位の記載がない。ひょとして何かの理由で該当者なしだったのかしらん。で、3位が事実上のトップだったりして 得点を見た千

          スポーツマンシップ不在:「朝日新聞」のスポーツ記事

          「荻上チキ・SESSION」で前代未聞の不祥事

          だいぶ以前から、会う人ごとに喧伝しているのがTBSラジオ午後の放送「荻上チキ・セッション」。午後3時半から5時45分まで平日放送のニュース解説番組。目玉は4時半からの「特集」。テーマはさまざまだがチキの関心は人権、差別、ジェンダーにあると思われる。しばらく前まではウイシュマさんの入管にでの死亡事件を良く取り上げていた。最近では宗教2世の問題にフォーカスすることが多い。テーマがなんであれ、権力をチェックするというう基本姿勢があるのが好ましい。その番組でとんでもないことが起きた。

          「荻上チキ・SESSION」で前代未聞の不祥事

          ”ジェンダー平等”で見るスエーデンのサスペンス・ドラマ (1)

          「BS11」で土、日放映されているヨーロッパのサスペンス・刑事ドラマにはまっている。いままで、イギリス、オランダ、フランス、スエーデンのテレビドラマを見てきたが、魅力はなんといっても圧倒的なドラマ性。「刑事コロンボ」や「シャーロック・ホームズ」の単純素朴とは違って、様々な要素が複雑に絡み合い、一度見ただけでは理解できず、録画を見直して合点のいくことも稀ではない。 今回とりあげるスエーデンのサスペンスドラマ「RIG45」も次次と予想外の展開で全編緊張感に満ち、その上、人間関係

          ”ジェンダー平等”で見るスエーデンのサスペンス・ドラマ (1)

          フェミニズムって何ですか

          ジョーン・カバヤマ(Joan Kabayama 1929-2017)は、元カナダの水泳ナショナルチームのメンバーであり、教師、水球のコーチ、市民活動家、そして何よりも筋金入りのフェミニストとして知られていた(カバヤマ姓は元夫が日系カナダ人だったため。本人は白人。私が知り合った当時は3人の成人した子供がカナダにいた)。 ジョーンは一時期、東京のYMCAで教鞭を執っていた。ある時、生徒にたずねた。「フェミニズムって何ですか?」。一人の生徒(もちろん女子)が「レディ・ファーストで

          フェミニズムって何ですか

          東京オリパラ・ブルース

           2021年のイベントといえば、東京オリンピック・パラリンピック。始まる前は「反対」だったが、始まるとけっこう入れ込んだ、という人が多かったようで、わたしもその口。ラジオ、テレビ(私の場合,もっぱらNHK)も中継するので、耳から目からはいってくる。いつの間にか超美技のとりこに。  とはいえ、違和感がなかったわけではない。ひとつは、日本選手が金メダルを取ると、NHKのアナが絶叫する。「OO金メダルです!金メダルです!」「OO世界一!、やりました!」。なんでやねん、と思う。客観報

          東京オリパラ・ブルース