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よなよな74 よなよな梨

※梨ちゃんに捧げてみました!

ばな子

キツキツ

ロマンは大切なっしー!人生のほとんど全てかもしれないなっしな。
梨にかけて冒頭はふなっしー文体で書いてみました。

父が死ぬ入院の一回前の入院のときの部屋の窓からは、私がよく父といっしょに歩いた根津神社が見えました。
ああ、きっともう根津神社のお祭りにいっしょに行くことはないんだなあ、まあずいぶん前からなかったんだけれど、ますます本格的になさそうだなあ、人生ってあっという間だなあ、昨日のことのようなのにな、としみじみ思いながら、父のベッドの横の椅子に座っていました。
でも、わからないよな、何が起きるか。神社の木もでかくていい感じだし。それから、夫が帰りに迎えにきて子どもの頃遊んだ神社の駐車場に車を停めたり、子どもといっしょに幼なじみのやってる地元の店に行ったりするのも、不思議だし、それはあの頃全く予想してなかったことだし知らなかった人たちだしな。悪いことばっかりじゃないし、父もいきなり元気になるかもしれないし。
現実に目をつぶって希望を持つとかではないし、じゃあ退院できたら車椅子で行きましょう!と具体的に計画するのとも違う。変に切羽詰まった祈りや願いとも違う。
もっといい感じのイメージの、心に余裕のある軽くて豊かな世界があるんですよね。

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6,110字

よなよな、人生について意味なく語り合うばな子とまみ子。 全然違うタイプだからこそ、野生児まみ子の言うことを聞くとばな子こと小説家吉本ばなな…