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コラム・エッセイ「特筆すべき点P」(無料)

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脈絡のない思いつきを長々と書いているシリーズです。
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2018年11月の記事一覧

不道徳なネタが楽しめなくなった話についての1人対話

昔のまんがとかお笑いを見るとオカマやブスを無邪気に笑いの対象にするネタがたくさんあって「今はこういうのもう無理だな」と思うと同時に、そういうのを面白がれる感受性が自分の中から無くなってるのにも気付く。自分以外の人の感覚も結構そうなってきてるんだろうか。 「このツイート、ずいぶん拡散されてしまったな」 「3000RT以上されてますね、なんででしょうね」 「差別とかそういう話題はツイッターのトレンドだからじゃないか?」 「そんな簡単なもんですかね」 「みんなリプライや引

弁当の具を見極める人としてのイチロー

2017年の「TVブロス」に掲載されたコラムに加筆修正を加えたものです  野球を見ない家庭で育ったせいか、私は野球に詳しくない。ルールすらおぼつかない。  しかしそんな私でもイチローは知っている。伝説的な野球選手としての「イチロー」は、テレビを通じ私の視界にも入ってきているのだ。  たとえばインタビュー中の逸話である。イチローのすさまじいプロ意識に驚いたレポーターに、なぜそんなに自分を追い込めるのかと聞かれたとき、彼は「僕、いくらもらってると思います?」と答えたという。

内面至上主義

A 「どうしてあの人と付き合おうと思ったの?」 「顔がよかったから」 B 「どうしてあの人と付き合おうと思ったの?」 「性格がよかったから」 AとB、どちらの答えに好感を持つだろうかと言われれば、大部分の人はBを選ぶ。一般に、顔の良さで人を判断するような態度はあまり良いものではないとされている。人が生まれ持つ選べない要素をもとに選別するのは卑しいという考え方は、わりと一般的だろうと思う。 しかしここで、少しひねくれたやつならこう考えるだろう。  ※ ※ ※ だったら

「言うためだけの言葉」を使うと損する

なんだかいつも喧嘩ばかりしている人がいる。 そういう人の話を聞いていると「言うためだけの言葉」を使っていることがかなり多い。非対称な言葉と言ってもいい。 ものすごく簡単な例でいえば「バカ」がそうだ。 バカと言う方は「こいつ、バカだよな~」と思ってそう言うわけだが、言われる方で「おれ、バカだよな~」と思っているやつはそうそういない。だから、「おまえ、バカだな」と言われたら、言われたバカは「なんだこいつ、何を勘違いしてるんだ」と、怒るか呆れるかするしかない。 言われた方は