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『ダブドリ Vol.12』インタビュー05 安齋竜三(宇都宮ブレックス) & 渡邉拓馬(京都ハンナリーズ)

2021年10月8日刊行の『ダブドリ Vol.12』(株式会社ダブドリ)より、安齋竜三HCと渡邉拓馬GMのインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。聞き手はアナウンサーでYouTube「タクマチャンネル」MCも務める岸田彩加さんです。

小さな町で出会い、小中高大と同じ道を辿り、日本のバスケットボール界を引っ張るほどの存在になった渡邉拓馬と安齋竜三。お互いを認め合い、切磋琢磨し、作り上げてきた2人のストーリーに迫る。

岸田 よろしくお願いいたします。
渡邉・安齋 よろしくお願いいたします。
岸田 こうやってかしこまった場で対談とかはないですか?
安齋 ないです。え、あります?
渡邉 飲み会の時に竜三が酔っ払って、熱く語ってた時ぐらいしかない。
一同 ははははは。
岸田 3年生と1年生の関係ですよね? 上下関係が厳しいとか、あまり触れ合う機会がないのかなと思っていたんですけど、そんなことないんですか?
安齋 拓馬さんとは最低限の上下関係みたいな感じでしたね。
渡邉 小学校から知ってるからね。
岸田 それがすごい! 小中高大と一緒ですよね?
安齋 小学校の前からですね(笑)。
渡邉 そうだね。親が仲良くて、僕は姉が2人いて、竜三は兄が2人いて、そこも世代が被ってて、同じミニバスチームにみんないました。
岸田 学校が全部同じというのは偶然なんですか?
安齋 小学校、中学校は普通に公立でした。高校は福島では当時1番強かったし、拓馬さんもいたので。
岸田 やっぱり拓馬さんがいるから?
安齋 それはありましたね。
渡邉 当時はまだあったんですか? リスペクトが(笑)?
一同 ハハハハハ。
岸田 今は(笑)?
安齋 リスペクトしかないです(笑)!
渡邉 でも、拓大(拓殖大学)まで一緒とは流石に思いませんでしたね。正直な話、僕は代表とかも入ってたけど、竜三がそこまで来るとは思わなかったです。
岸田 安齋ヘッドコーチは大学も拓馬さんを追いかけて?
安齋 追いかけてというか、僕は大学にいけると思っていなかったんです。高校は福島では強いけど、全国的に有名ではないので。拓馬さんが拓大に行って、当時、拓大を率いていた森下監督がうちの高校にも来てくれたりして、高校の監督が「あいつどうですか?」と言ってくれたみたいです。森下監督もその試合を見て取ろうという感じになって、拓大にいけることになりました。
岸田 えぇー、すごい!
安齋 だから拓馬さんがいなかったら、拓大には行けてないし、他からの誘いもなかったです。

「マイケル・ジョーダンいるわ!」みたいな感じでした。(安齋)

岸田 子供の頃のエピソードとか覚えてることはありますか?
渡邉 僕が覚えてるのはすごくくだらないですけど、小学生の時にクワガタとかを集めるのにすごく凝っていた時があったんですよ。クワガタをたくさん捕まえて、それを1人で飼っても仕方ないから、父親が「竜三にあげろよ」って。そしたらなんか独り占めしたくなっちゃって「嫌だ」って言いました(笑)。
安齋・岸田 ハハハハ。
渡邉 それが一番の記憶ですね(笑)。
安齋 クワガタで対決してたのは覚えてます。僕のクワガタのハサミが一本折られたんですよ。まぁまぁいいクワガタだったんですけどね(笑)。
岸田 えぇー! 拓馬さんのクワガタにやられたんですか(笑)?
安齋 そうです。拓馬さんのクワガタに負けて、それでこうやって(肩を落として)持ちながら家に歩いて帰ったのは覚えてます(笑)。
一同 ハハハハ。
岸田 バスケの思い出はありますか?
安齋 バスケはその頃あまり関わりがないんですよね。2歳離れちゃうと中学校も高校も1年と3年じゃないですか? 拓馬さんはもうずば抜けてて、アジアの得点王でしたからね。
渡邉 バスケじゃないですけど、竜三はめちゃめちゃ長距離が速かったんですよ。安齋3兄弟は全員長距離がめちゃめちゃ速いんですよ。竜三の小学校の記録はまだ破られてないよね?
安齋 僕らの小学校はマラソン大会とか歴代の記録が残っているんです。10位までしか残らないんですけど、3年前くらいに帰って久しぶりに体育館に行ったら、まだ7位ぐらいにありましたね。
岸田 え、すごい!
渡邉 竜三は縄跳びも……。
岸田 縄跳び(笑)?
安齋 縄跳びの二重跳び200何十回とかやってましたからね。
大柴 すご(笑)!
安齋 根性はあったんですよ。センスはなかったので、頑張るしかないというのが自分の特徴でした。
岸田 それはバスケに関しても同じですか?
安齋 そうですね。
渡邉 竜三はみんながオフェンスに注力するところをディフェンスでスティールして簡単に点取るみたいなスタイルで、玄人好みというか……そこはうちの家族でもよく話していましたね。
岸田 当時はお互いがプロの場で活躍されるとイメージされていましたか?
安齋 僕は全然なかったですね。拓馬さんは次元が違う人だったので、そうなるだろうとみんなが思っていましたし、本人も思っていたと思います。当時の東北大会かなにかで、1人だけ「マイケル・ジョーダンいるわ!」みたいな感じでした。片手でフェイクとかしてましたからね。
岸田 えぇー!
渡邉 そんな時もあったね(笑)。
安齋 ダブルクラッチとかしたり、ダンクもしたんじゃないかな?
渡邉 中学校ではしてないかな。
岸田 中高で一緒に試合出る機会とかあったんですか?
安齋 高校の時は、少しありましたね。
渡邉 それこそYouTubeにあがってますけど、ウインターカップ決勝で田臥勇太(宇都宮ブレックス)とやった時に、竜三も少し出てたよね?
安齋 ちょっとだけですけどね。
渡邉 その時に竜三は田臥とマッチアップもしてましたよ。
岸田 おおおお!
渡邉 ヒョロッヒョロで(笑)。
安齋 そう、ヒョロッヒョロ(笑)。
岸田 アハハハ。
渡邉 当時は今の3分の1ぐらいです。
岸田 えぇー! そうなんですか?
安齋 まじでヒョロッヒョロです(笑)。
渡邉 でも、なんかインパクトはありましたけどね。竜三の同世代には田臥、五十嵐圭(群馬クレイサンダーズ)、柏倉秀徳(ENEOSサンフラワーズコーチ)、網野友雄(白鴎大学男子バスケ部コーチ)とか他にもたくさんいい選手がいる中で、竜三も葛藤があったと思いますけど、今でもすごく覚えているのが、僕が大学4年の時のオールジャパンの後にいつもの居酒屋で飲んだんですよ。
安齋 ハハハ。いつもの居酒屋ね(笑)。
渡邉 勝ったんですけど、結構気が抜けた試合をしちゃって、最後に僕がパスミスをして終わったんです。そのパスミスが拓馬さんらしくないっていう話になって……。
安齋 フハハハ。
渡邉 竜三が「あのパスミスは許せない」って、すごく突っかかってきたんですよ(笑)。「あれにはがっかりした」ってすごい形相でした(笑)。
一同 ハハハハハ。
渡邉 確かにそうだなと思って「申し訳ない」って話をしたんですけど、その時に「もう拓馬さんと同じチームは飽きました」みたいな話をされました(笑)。
安齋 え? そんなこと言いました(笑)?
渡邉 言ってたよ(笑)。最終的には「拓馬さんと同じステージに行って倒しますから」みたいな話になったんだよ。
安齋 あー、それはなんか覚えてる(笑)。
渡邉 竜三は大学を卒業して、関東実業団から色んなチームを回って行くんですけど、当時リンク栃木ブレックスで……あれはJBL2かな?
安齋 最初はJBL2ですね。
渡邉 そこで優勝してトップに上がってきた時に「本当に同じステージに来た!」と思いました(笑)。
岸田 すごいですね! 有言実行!
渡邉 本人はそんなことは思ってないかもしれないですけど、僕は竜三が苦労しているのを見ていたから、他の同世代がトップで活躍していて、代表でも活躍していたので、竜三が遠回りして同じステージに一歩ずつ近づいてくるのは素直に嬉しかったですね。
岸田 へぇー。
渡邉 そして宇都宮も名門になったから。

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このあとも、情報を駆使することと考えることのバランスや、人の入れ替わりの激しい勝負の世界で仕事をする難しさなどを語ってくださっています。続きは本書をご覧ください。

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