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次の一夏(日記の練習)

2023年7月26日(水)の練習

 明日の仕事で気もそぞろで、仕事のことで仕事が進まない。

 米川千嘉子『一夏』(河出書房新社)を読み終える。格式ある文語体と強靭な修辞力に圧倒される歌集。そのうえで甘やかな詩的世界を仮構するのではなく、生活から目を逸らさない姿勢が、いくつもの秀歌を生んでいた。歌集を読んで居住まいを正されたのは、もしかしたらはじめてかもしれない。あとがきのかわりに巻末に付されている「郭公」というみじかい文章の結びもよかった。
 かねてより優れた歌を詠むひとは優れた散文を書きうるとする説をひとりで唱えている。米川千嘉子も優れた歌人であり、優れた散文家だった。

 知り合いの方が結婚したので、お祝いの言葉を送る。嬉しい知らせにすっかり舞いあがって、夫にあたるひとは知り合いでもないのにそのひとに対しても「勝手に知人のような気持ちでいて」と書いたのは、すこし……こう、気持ち悪かったかと反省する。

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