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創作雑記

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創作にまつわるメモ、趣味と繋がる雑感など
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記事一覧

面白い映画、そうでない映画の違いについて

昨日はゴジラ-1,0について書きました。 初代ゴジラとシン・ゴジラが傑作、それ以外のゴジラは駄作と述べている自分の観点から補足的意味合いで創作に必要なものを書き連ねようと思います。 物語、映画に必要なもの 基本的に面白い、と思える映画は ・エンタメ性 ・メッセージ の二つを兼ね備えたものだと思っています。黒澤明監督の言にもありました、「良い映画ってのはわかりやすくて面白い」というものがそのエンタメ性で、「わかりやすさ」というのが大事ですね。 具体的に言うと、目に見えた

「俺たちの戦いは、これからだったんだけど」あらすじ

あらすじ 漫画家・神野綾香は週刊ウィナーズでファンタジー漫画「漆黒の伝説」を連載していたが、雑誌の廃刊が決まり作品は打ち切りになる。 アシスタントの片山恭一にその事を告げ気丈に振舞うも、その後仕事場で一人になった時間、憤慨してPCモニターを破壊してしまう。その時、モニターに描かれていた最終回の一枚絵、それに呼び込まれるように綾香は作品世界に飛ばされてしまった。 作品内の酒場の店主として目を覚ました綾香。魔物に襲われるがヒロインの魔法使い、レイナに救われる。作品の結末を巡

「俺たちの戦いは、これからだったんだけど」第三話

第三話 アシスタント片山の構想していた姿でバーモが現れ、現実世界で作品が描かれていることを察知した綾香だが、依然としてこの町からは出られない。また、刺激的、官能的衣装のバーモが気に入らないレイナ。酒場のカウンターで彼女とケンカばかりしている。 レイナ「そんな恰好、恥じらいってもんが無いの!?」 バーモ「うちかて好きで着とるんちゃうわ!」 レイナ「ならまともな服着なさい!」 バーモ「何で偉そうに指図すんのや!」 レイナ「露出度で人気取りなんて下品よ!」 バーモ「なんや嫉妬か

「俺たちの戦いは、これからだったんだけど」第二話

第一話のあらすじ 漫画家・神野綾香は掲載誌の廃刊により打ち切りとなった自作「漆黒の伝説」の中に入り込んでしまう。酒場でヒロインのレイナに出会い危機を救われ、安堵と感動を得るも作品が途中で終了したことを告げるとレイナは激昂、さらに構想にあった最後の敵が自分の父親であると「ネタバレ」を喰らい、綾香を魔法による攻撃で焼き尽くそうとする。だが創造主たる綾香には魔法が効かない。落胆するレイナだが機転を利かせ「ならば作品中でやっていない行動ならば」と単純な暴力で襲い掛かる。自分の手で描い

シン・ゴジラ脚本論…大きな嘘を掲げる、珠玉の完成度

先日7月29日は、シン・ゴジラ公開から7周年の日でしたね。 ↑これは、割と初見に近い時期での感想でした。 圧倒されていたのが、文面に出ていますね。 改めて、シン・ゴジラの何が凄かったか 思えば、私が脚本を学び始めたのもこの年、2016年でした。最初は原稿用紙に手書きで短編を書いたのを覚えています。柱の立て方は~、ト書きは3マス空けて~、など、基本的な事を頭に入れていた時期です。その時教わっていた所で言われた事ですが、「台詞はなるべく短く」、というのがありました。初心者の

脚本が残念だった、「観るまでもない」作品

プロフィールに書いてます通り、私は脚本家志望なので脚本を書いています。と同時に脚本を読む事も沢山あります。 そもそも脚本、とは映画やドラマの為に書き起こされる設計図であり小説とも台本とも違います。その中間に位置するようなものです。シナリオと言われますが海外ではスクリプトと呼ばれるのが一般的だとか。 関心を抱くのが、良い脚本 今は脚本そのものが商品となって売られる事も多いのですが、基本的には制作過程で使われるものでありあまり一般視聴者の目に触れる事がないものなんですね。仮に

「生きる LIVING」で学んだ、人物造形の手法

Filmarks写し記事を先日上げましたが、「生きる LIVING」を観てきました。これは黒澤明監督の名作をイギリスでリメイクした作品で、おおまかなあらすじは「末期ガンの老人が、残された時間を使って精一杯ことを成し遂げようとする」物語です。人間ドラマの最高峰と評されることも多い、黒澤監督全盛期の珠玉の名作です。 オリジナルとの違い…国の違い 日本とイギリスの文化や風景の違いはもちろんあるのですが、一番違うのはやはり主人公、渡邊勘治とウィリアムズの差ですね。 これは演じた

ドキュメント「シン・仮面ライダー」に対する世間の声と、映画作りについて思うこと

シン・仮面ライダーデザインワークスを買いました。 200ページ越えでボリューム感たっぷり、オーグ達からサイクロンに至るまで設定資料がガッツリ載っております。大体オーグ達、初期案は気味悪いのが多く大分「柔らかく」なっていったのが解ります。最初は結構「旧一号編」の空気感を再現しようとしていたのではないでしょうか。 真剣さを、曲解する風潮 さて、先日NHKでドキュメンタリーが放送されたり、主演三人のラジオ、オールナイトニッポンもあったり、この映画の裏側まで楽しむターンに入って

シン・ウルトラマン脚本論・風変り主人公の魅力をゾーフィが語る

人間好き過ぎリピアー君 〇禍特対本部(夜) T「ゼットン殲滅から一ヶ月後」    滝明久(2?)がパソコンに向かっている。キーボードを早く叩く音。ふと手を止め、目をこする。 滝「あぁ、今日はこの辺でいいかな。遅くなっちゃった」    滝、モニターの脇に置かれたUSBメモリに目をやる。視線を止め、考え込む仕草の後、それをパソコンに挿す。画面に表示されるファイル一覧。それぞれフォルダの下に名前があり、「神永より」「ベーターシステム」「高次元領域」と名称が並ぶ。その並びに映る

シン・仮面ライダー脚本論・クモオーグが語る

序章・クモさんと下級さん 〇SHOCKER・クモオーグアジト内 下級構成員(以下、下級)「イッヒッヒッヒ、イヒヒヒ」 クモオーグ(以下、クモ)「どうしました?」 下級「わあぁぁぁ!!く、くくく、クモオーグ様!!!」 クモ「ほう、携帯端末でTVer、シン仮面ライダーを観ていたのですか」 下級「は…ハイ」 クモ「しかし妙ですね。私が倒されるまでの場面に笑い処などは無かったはずですが」 下級「い、いえそれは」 クモ「まぁ詮索は止めましょう。貴方が自分が撲殺されるシーンで笑う変

グリッドマンユニバースの脚本が凄い、というお話

昨日3月30日は私の誕生日でした。 まぁそれはどうでもいいのですが、引き続きグリッドマンユニバースについて語りたいと思います。 パンフレットを一通り読みました。 今作のストーリーもいくつかの案があり紆余曲折を経て今の形になったと脚本の長谷川さんが語っています。 あまりにも完成度が高いので、天才たちによるイリュージョンの様に感じていたのですがこれも試行錯誤の上に生み出された作品である事を知り、作り手を目指す身としては妙な安心感を覚えたりしました。 脚本のかたち・和と洋が混

庵野作品ヒロインの魅力について

昨日に続き、シン仮面ライダー発の考察記事を書きます。 庵野作品の、主人公&ヒロインはいつも… ヒロインが強く、主人公を引っ張っていく存在になっている気がします。庵野さんの初監督作品といえば88年のOVA「トップをねらえ!」で、これにはそれほどその色はないのですが(強いて言うならコーチとカズミが近い)、次のナディア、エヴァ、更に原作ものですが彼氏彼女の事情に至るまで、いつも女性の強さが際立っていますよね。 これは庵野さんの好みというか、ご自身が奥手ゆえに願望が出ているのでは

シンエヴァ円盤発売!やっぱり凄いエヴァについて

2023年3月8日、ついに「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」Blu-ray&DVDが発売になりましたね。 二年前の8月から配信はされていたので視聴手段はずっとあった訳ですが、それでも映像ソフト発売は永久保存版としての価値があり昨日からSNSのトレンドにシンエヴァが入っている事から、期待度の高さがわかります。 これは、やはり配信など存在しなかった時代から続く作品であるがゆえの「映像ソフト」のコレクション性ももちろんあるのでしょうね。 私ももちろん、エヴァストアで台本付きのBlu

雑記・「サブキャラ」の考え方

創作のためにnoteを使いますとか言っておきながら、最近特撮のことしか書いてない気がしますので、たまには創作のことを書かせていただきます(笑)。 いえ、ちゃんとコンペへの応募は今年に入ってからもやっているんですが、コンペは仕事に繋がる話で守秘義務もありますので「〇〇に出しました!」みたいに言えないという訳なんですね。何か形になって報告出来る事があれば書きますが、それがいつになるかはわかりません。 最近、映画の特典で「脇役のサイドストーリー」が付いてくることがチラホラありまし