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2020年、吹き荒れる逆風に立ち向かったプリキュア映画のお話

最近、色々なところで「アフターコロナ」というワードを見かけるようになりました。厳密には終わってないだろって思うのですが、コロナによって変わった生活様式がほぼ、元に戻った事の証左なのかなとも感じています。
4年間、色んなものを壊したり気付かせたりしてくれましたね、この流行り病は。

私は幸いにも体調を崩すことなく現在に至っていますが、今でも外出時のマスクは習慣付いています。特にマイナスなことも感じていないので、止める理由がないと言ったところでしょうか。
そして、この状況が始まった2020年に思いを馳せると、どうしても思い出される映画が一本あります、これは最近よく話題にする作品に紐づいているからなのですが…。

幻の「春映画」

それは、「映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な一日」です。


これは本来、2020年の3月20日公開予定だったものがコロナの影響によって一度目は5月に、さらには10月にと延期されてしまい約半年後にようやくお目見えした作品です。また、プリキュア映画恒例だったミラクルライトの配布も見送られ、それが昨年に復活するまで3年の時間を要したという時代の記録的側面も持っています。

内容としてはこの時放送中だった「ヒーリングっどプリキュア」と前2作のクロスオーバー作品であり、取り壊しの決まった古い校舎の精霊が時間の進行を止めてしまい…という物語です。
個人的には話題性だけで観に行った「オールスターズメモリーズ」以来の映画館鑑賞と相成ったプリキュア映画で、ここから毎回観に行っている事を考えると「出発点」だったと言えます。「メモリーズ」と同じく使われなくなった旧時代のものが人々の温もりを求めて…というストーリーには共鳴し、とても気に入りました。私自身が昭和生まれなのも相まってカメラとか木造校舎とか、それらが哀愁漂わせているのが胸にくるんですよね…自分の通った学校はコンクリート製でしたけども(笑)。

思えばこの映画の前に「スタプリ」を大急ぎで履修したのでした
スタプリの推しはララで、「F」でもしっかり出番があって嬉しかったですね

しかし前述のように公開は大幅に遅れ、また声出しも厳禁の時期だった為本来の形とは程遠いお披露目になってしまった不遇の作品です。内容的にも春公開であることを感じさせるものが多く、また映画産業への逆風もあり歴代プリキュア映画の中でも低調な結果に終わったことは残念と言わざるをえません。まぁ、この頃あの「鬼滅」があったので何もかも異例なタイミングだったのは確かではあります。

もっと評価されて欲しい、王道の物語

このミラクルリープ、事件の起こりから謎があり、それが判明すると同時に一度「敗北」が描かれます。ミラクルンを守れなかったと涙するのどかちゃんに、先輩であるひかるちゃんが優しく、力強く励ますところは名シーンです。同じ朝の時間を繰り返す描写の中で、慣れたのでトラブルを回避しながら決戦に向かう…という流れ、タイムトラベルものの定番な面白さ&主人公の挫折、成長が描かれる王道のストーリーです。
「プリキュア映画って面白い」と思えた作品でもあり、万人に薦められる逸品なんですね。自身初のプリキュア円盤購入にも至りました。

こちらの円盤には、本来の上映形態だった場合の応援上映風景、その案内なども
収録されています。「あったはずの光景」であり、一抹の切なさを感じてしまいます

良い作品なのに、惨禍に見舞われ本来の成果が出せなかった作品。それをせめて応援したい、という思いもあって購入したのを覚えています。

物語の他にも、挿入歌が素晴らしいんです。

この曲が最後の戦い、キュアグレースのパワーアップと同時に流れます。
プリキュアの明るく、可愛い曲達とは一線を画す、勇壮な戦士の曲です。今、聴き直すと暗い世の中を仲間と共に生きていく、という決意にも聞こえる詞ですね。図らずも2020年の映画の曲として相応しかったのではないでしょうか。

挿入歌の曲名に合わせたように桜の花びらを思わせるスーパーグレース

このCircle Love、配信開始と同時にダウンロードして聴き込んだものです。長らく映画としても、挿入歌としてもプリキュアの中で個人的ナンバーワンだったこの作品、それが昨年ようやく更新されたんですね。

プリキュアが辿り着いた未来

何回も記事にしている通り、昨年の「プリキュアF」は珠玉の作品でした。

「ミラクルリープは不遇の作品だった」と惜しむ気持ちはありますが、グレース役の悠木碧ちゃんが「一番必要な時期にプリキュアを任された」と言っている様に、それを悲観してはいけないのだな、とも思います。
事実、ミラクルライト復活という形式的なものに加え興行成績も最高を記録、とプリキュア映画は昨年、見事にミラクルリープのリベンジを果たしたといって良いのではないでしょうか。そこにオールスターという形ではあれしっかり、「~リープ」の3作品も居ることがまた、感動的でもあります。

私自身、プリキュア関連にあまりお金を使ってはいない人間ですがこの2作品のBlu-rayは予約購入しました。
「映画がお客の元に届く喜び」、「明日、未来への活力になる感動」
これらを与えてくれた、プリキュアの映画たち。

定期的に見返して、また、力を貰いたいと思える70分の宝石のお話でした。

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