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映画感想「フォードvsフェラーリ」(Filmarksより)

1966年のル・マン24時間レースを中心に描いた実話に基づくレースムービー。
元レーサーのキャロル・シェルビーはフェラーリ買収に失敗したフォード社の次の策としてル・マンでの勝利を託される。

もう一人の主人公、ケン・マイルズの腕はいいが豪放な性格というキャラクターはとても魅力的で、揉めながらもシェルビーが彼に惹きつけられているのがよくわかる。
レースシーンはアクシデントもくまなく描く大迫力。一瞬で地獄に落ちる緊張感が全編に流れている。
そして大企業ゆえのしがらみが障害となり幾度も立ちはだかるもどかしさ、この映画の「敵役」はフェラーリではなく自分たちの上司なのである。

実話ゆえに大団円とはならず、シコリが残る物語ではあるがその熱量はフィクション以上にある。
まだ一月だが、今年の上位は決まりそうな快作だった。

「7000回転の世界では、全てが消えていく」

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