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映画感想「スパイダーマン3」(Filmarksより)

ライミ版最終作、前作に続けて鑑賞。

二つの顔を使い分け充実の日々を送るピーターだが、友人ハリーとの関係に亀裂が入ったまま。
その頃、叔父・ベンを殺害した男が脱獄し人に非る者へと変貌を遂げていた…。

爽快なアクション物ではあるが、「復讐心」というテーマに沿ったヒューマンドラマであると感じた。「悪意」が身を滅ぼすという描写に重ね、心のコントロールがいかに難しいかを訴えている。
前作でもスパイダーマンを捨てたピーターの変貌が見所だったが今回は真逆の変わりよう。
ここまで揺れる主人公もなかなかいないのではないか。
今作のヴィランであるサンドマン、ヴェノムは純粋さから犯罪者となった男と私欲の為に神に縋った愚者が利害一致で組むというやりきれなさ、そこに蘇った友情でピーターとハリーが挑む。
渦巻くは女性関係のもつれだったが、ここだけはもはやどうしようもない話。

超人的な能力を持つヒーロー・スパイダーマンの人間的脆さを映し、仇敵を理解し許すことでピーターの戦いは幕を下ろす。
やはり若者には年長者の助言が大切だと、もう年長者側に入りそうな我が身に染み入った。

さて、ノーウェイホームはどのように着地するであろうか。
期待感は、一層高まった。

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