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今更ながら銀魂2•おもちゃ箱のようなエンタメ映画で鴨さまに出会う。

ドリパスで銀魂2を観に行ってきた。
去年は同じ映画館で
屋外で向日葵を見たから
夏だったんだなぁと思い出す。

銀魂2の面白さは、演技の振り切り感

銀魂2がカッコいいのも面白いのも
よくわかってるけど
やっぱり同じところで笑ってしまう。

日本アカデミー賞へのボヤキから
家主のお登勢さんの
超ドアップ画像に
カネ恋のママと同一人物なんて信じられない。

そう考えれば役者さんたち、この映画では
カラダはってるなぁって思う。

菅田将暉くんの志村新八のバーコード頭や
橋本環奈ちゃんのカグラのメイク姿。
もちろん小栗さんの銀ちゃんや
キャバ嬢姿なんて絶対銀魂でないと見られない。

夏菜さんの猿飛あやめのストーカー忍者なんて
パンフ見ないと彼女だとわからなかったし、
岡田将生くんの桂小五郎なんか
彼の無駄遣いだとファンが思ってるんじゃないかとつい邪推する。
エリザベスと共に岡田くんが出てきてキャバ嬢になったりしている姿がとてもいい。
そういえば春馬くんは冗談なんだかエリザベスがやりたいって言っていたっけ。

きっと福田組って言われる監督との
結束感が強くて自分たちでも楽しんで
いろんなキャラクターをやっているんだろうなぁ。

将軍の徳川茂茂の勝地涼くんなんて
メイキングでキャストも言っていたけれど
よくぞまぁ引き受けたよねと言われる
カラダのハリぶりで
ここまでキャラ立ちしていると
感動する以外のなにものでもない。

実際映画館では
よろずや銀ちゃんたち3人組と将軍との場面が
客席で一番笑いを取っていたし、
ストーリーを知っていても
やっぱり面白いので
同じところで何度も笑ってしまう。

真ん中、主役をはれる人たちが
ちょっとずつ出てくる
贅沢さが銀魂の醍醐味。

そう言えば長澤まさみちゃんも
キャバクラママ役でちょこっと出てたね。

堂本剛くんが
奇兵隊の高杉晋作で出ているのもすごい。

この人がこの役でという
すごいエンタメ作品だと思う。

その中でも旬くんたちが
「持っていかれたー」と言っていた
後半の新撰組パートは
その最もたるところだと思う。

よろずや接待編と新撰組編のパート分けが凄い

柳楽優弥くんのヘタレになってしまう
オタクトッシーと新撰組副長の泣く子も黙る
土方十四郎のひとり2役のキャラクターの演じ分けは、ヘタレ高校生と戦国武士の演じ分けをやった
あのかっこいいサムライハイスクールをちょっと彷彿したし

柳楽くんはやっぱり
なにをやらせても独特の存在感があるんだなぁと改めて思う。

それにしても春馬くんとのふたりの共演は嬉しかった。
後に「太陽の子」でふたりとも丸坊主になり
兄弟をやるなんて
銀魂の2人からは想像も出来ない。

春馬くんが目をまんまるくして美容室でケープをマントのようにかぶってカラーリングをしていた面白い写真を思い出すけど
鴨さまになるための下ごしらえだったんだなぁと思い出す。

伊東鴨太郎登場

鴨さまの登場シーンの殺陣は、
美しくてひとが飛ぶように切られていって
最後にスカーフで刀の血を拭うシーンなんて
マンガのような時代劇のような(ある意味それはその通りだから)美しくてかっこよすぎて、
あり得ないほどだ。

春馬くんがやってみたいと言っていた
悪役 鴨さま。
でも、みんな鴨さまが大好きだよね。

銀魂2は、前半の銀ちゃんたち
コミカルギャグパートと
後半の新撰組パートで色が全く違う。

春馬くんが将来の人間国宝である
中村勘九郎さんの局長近藤勇の演技を
直近で見れて本当に嬉しいと言っていた
言葉を思い出す。
ダイナミックな演技だった。
ギャグありな映画の中で、ストーリーの説得力を持たせるのに局長近藤の人間性がとても大事で
勘九郎さんのダイナミックさや、
あたたかさが芯にあって鴨太郎がほんとうは、
どういうひとだったのかを伝えていくのに
とても大事なキーパーソンだった。

伊東鴨太郎さま。
新撰組の姿も美しいけれど
着物姿がふんだんに見られることも嬉しい。
和室に正座して本を読んでいる姿も良くて
春馬くんじゃないみたい。
伊東鴨太郎のキャラクターが際立っていたから
思わず原作漫画と見比べてしまった。
本当に似てる。けれど
実写の方が美しいのは、やっぱり春馬くんだから。

シリアスパートは、銀魂2の大きなスパイス

鴨太郎は新撰組の中で
密かに造反し、トップを乗っ取り
組織を奪おうとする裏切り者だけれど
それには理由があって
実は今でいうアダルトチルドレンだった。
双子で生まれたけれど、
武士の時代の次男の宿命。
長男を立てる家制度の中で、親からは
どんなに頑張っても認めてもらえなかった。
どうやったら自分が認めてもらえるのか。
小さな彼はただただ頑張る。
でも親からは、お腹の中で病弱な長男の才を
全部奪った余計ものだと言われ、
剣を頑張って先生に認められても
仲間の中では嫉妬で誰からも
尊敬してもらえない。
そんな彼は、認めてもらうために
ひたすら才を磨き、剣の腕を磨き成長していく。

その屈折した野心が幕府の倒幕を狙う
高杉晋作たちに
新撰組を荒らすコマに利用されてしまう
とても悲しい悲劇のヒーローだ。

そんな鴨太郎の才能を本心で認め
自分に足りないところを学ばさせてほしい。
新撰組を手伝って欲しいと思っていたのは、
鴨さまが殺そうした近藤局長だった。

そんな局長の真心が屈折していた
鴨太郎に最後の最後に伝わり
本当に自分が欲しかったものは
ひとのまこごろ、ひととの絆だった
んだと
気がついて死んでいく。

悲しきヒーロー。
鴨さまのラストシーンの中で
光に包まれながら亡くなっていくシーンは、
現実さながらで泣けてくる。

けれどやっぱり
鴨太郎は全てが愛しくて、
美しくて、かっこよくて、やるせないのだ。

客車の中でカグラや沖田総悟役の吉沢亮くんの
戦闘シーンやラストで小栗旬くんの銀ちゃんと
窪田正孝くんの河上万斎との闘いも見どころ満載だった。

でもね。
正直持っていかれちゃったよね。

福田監督、キャスティング最高です。

伊東鴨太郎さま。万歳。
あなたは永遠です。

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