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アフリカにおける過去10年間での戦死者数について

事実

世界で過去10年間に戦死した人のうちの約15%はアフリカで発生しました。

みなさんは、アフリカで頻繫に内戦や紛争が起こっており、戦死者数のほとんどがアフリカにいたと思っていませんか?

その認識、実は間違いなのです。

今回はそんなアフリカにおける戦死者数についてご紹介します。


世界における戦死者の割合

過去 10 年間(2012〜2021年)に世界中で戦死した人のうちの約 15% はアフリカで発生しました。 2011年から2021年の間に、軍事攻撃で死亡した兵士と民間人全体の約13%がアフリカにいました。しかし、ほとんどの人はこの割合よりもはるかに高いと考えています。実際には、中東やアジアでの紛争による死者の数の方がはるかに多いのです。
そして、2022年のロシアのウクライナ侵攻により、戦場での死亡者に占めるアフリカの割合は今後も減少し続ける可能性が高いです。

第二次世界大戦中の戦死者数を大陸別に割合で表すと以下のようになります。(これは概算です)

  • ヨーロッパ:約47.1%

  • アジア:約29.4%

  • アフリカ:約1.1%

  • 北アメリカ:約0.6%

南アメリカとオセアニアの戦死者数は全体の割合としては非常に小さいため、この計算には含まれていません。また、南極大陸では戦死者は報告されていません。これらの割合は約70〜85百万人とされる第二次世界大戦の総死者数に基づいています。 ​

誤った事実と正しい事実

アフリカの恐ろしい映像を見慣れているため、紛争のほとんどがアフリカで起こっていると思い込んでいます。しかし、それではアフリカが常に戦争、飢餓、貧困の状態にあるという誤解を助長してしまっています。そんな場所で旅行したり、勉強したり、ビジネスをしたいと思う人がいるでしょうか?アフリカがさらなる発展を遂げるためにも、正しい事実を知り、誤解を解くことはとても重要です。

世界で今現在も紛争中の国々

アフリカ

アフリカの国は2023年現在、アフリカ大陸のいくつかの国で紛争が続いています。
現在紛争中の国と、その紛争での死者数は以下の通りです。

  • ソマリア:アル・シャバブなどの武装勢力が活動しており、長年にわたる内戦と政治的不安定が続いています。
    1991年の内戦開始以来、50万人以上が死亡したと推定されています。

  • ナイジェリア:ボコ・ハラムや他の武装集団による暴力が続いており、特に北東部での紛争が深刻です。
    2009年から続くボコ・ハラムによる紛争で、数万人が死亡しています。

  • サヘル地域(マリ、ブルキナファソ、ニジェール):イスラム過激派による攻撃が続き、地域的な不安定が増しています。
    この地域の紛争による正確な死者数は不明ですが、2010年代以降、数千人が死亡していると推定されています。

  • 中央アフリカ共和国:複数の武装集団間での衝突が続いており、国際社会の介入もありますが、安定には至っていません。
    2012年以降の紛争で、少なくとも数千人が死亡したとされています。

  • リビア:カダフィ政権崩壊後の政治的混乱が続き、複数の勢力が国内で争っています。
    2011年のカダフィ政権崩壊以降の内戦で、数千人が死亡しています。

  • 南スーダン:独立後の内戦が断続的に続いており、和平合意にもかかわらず、政治的緊張が続いています。
    2013年の内戦開始以来、約40万人が死亡したと推定されています。

これらの国々では、紛争による人道的危機も深刻で、多くの人々が影響を受けています。国際社会はこれらの紛争を解決するための努力を続けていますが、その進展は遅いのが現状です。
また、死者数は、戦闘行為による直接的な死者だけでなく、紛争による飢餓や病気などの間接的な死因も含まれている場合があります。また、紛争地域での情報収集の困難さにより、これらの数字は変動する可能性があります。

アフリカ以外の大陸

その他の大陸で紛争中の国は以下の通りです。

中東

  • シリア: 2011年の内戦の開始以来、シリアは深刻な紛争状態にあります。政府軍、反政府勢力、外国の介入が複雑に絡み合っています。シリア内戦は2011年に始まり現在までに、約38万人以上が死亡したとされています。

  • イエメン: 政府軍とフーシ反乱軍との間の紛争が続いており、サウジアラビアやイランも関与している複雑な情勢です。
    2015年に始まったイエメンの紛争では、数万人が死亡したとされています。

アジア

  • アフガニスタン: タリバンと政府軍(及び以前は国際軍)との間の紛争が長期にわたっています。2001年のアメリカ主導の侵攻以降、死者数は約15万人と推定されています。

  • ミャンマー: ロヒンギャ危機や各地の民族武装勢力と政府軍との紛争が続いています。ロヒンギャ危機などの紛争による正確な死者数は不明ですが、数千人が死亡したとされています。

東ヨーロッパ

  • ウクライナ(東部ドンバス地域): 2014年以降、ロシア支援の分離主義者とウクライナ政府軍との間で紛争が続いています。1万3000人以上が死亡したとされています。

ラテンアメリカ

  • コロンビア: 政府とFARC(コロンビア革命軍)の間の和平合意がありましたが、いくつかの地域では依然として小規模な紛争が続いています。長年にわたるFARCとの紛争では、約22万人が死亡したとされています。

現在の日本の状況

日本は現代において、紛争や大規模な軍事的衝突を経験していません。

最後に日本が大規模な軍事的衝突に関わったのは、第二次世界大戦の終戦時、1945年です。

死亡者数は、正確な数字は困難ですが、一般的に約240万から320万人の間と推定されています。この数には、軍人だけでなく、広島と長崎の原爆投下や東京大空襲を含む大規模な空襲、その他の軍事行動によって命を失った一般市民も含まれています。戦争の終結直前の食糧不足や医療体制の崩壊による死亡者もこの数に含まれることがあります。

その後、日本は平和国家としての立場を堅持しており、主に経済的および文化的な影響力を用いて国際関係に参加しています。
また、日本国憲法の第9条には、戦争の放棄が明記されており、自衛隊は主に防衛目的に限定されています。

まとめ

正しい情報を身に着け、自らの固定概念をアップデートさせることで、世界を前向きに見ていきましょう。

今日の事実

アフリカでの戦死者数より、中東やアジアでの紛争による死者の数の方がはるかに多い。

日本は第二次世界大戦以降、紛争や大規模な軍事的衝突を経験していません。

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