見出し画像

ほっぺにキスをしてくれる国で新しい出逢い#イタリア2

ローマ・テルミニ駅に到着した。でっけ〜〜〜!!駅が広すぎて、ターミナルが見えないところまで続いている。そして忙しなく行き交う人たちで大賑わいだ。ローマ・テルミニ駅は29のプラットホームからなる欧州最大の駅の一つで、約50万人が毎日利用している。この駅は少し治安が悪いと聞いていたので、貴重品が入っているポシェットをしっかり隠しながら次の電車を探す。俺は今から3週間農家でボランティアステイをするので、もう少し田舎の方まで電車で行かなければならないのだ。

駅を歩いているだけですれ違う物乞い、段ボールを敷いて寝ている人、そして駅についてからすぐに感じたマリファナの匂い。観光客が集まる大きな駅にはよくあることのようだが、旅の醍醐味のような光景をこんなに早く目にすることになるとは。「お金を恵んでください」 と書いてある段ボールを持って座り込んでいるおじいさんなんて数えきれないほどいる。見るからにお金持ちそうな旅行客が今からローマを楽しもうとしている傍ら、こんな風にボロボロの服を着て駅でホームレスとして生きている人もいるこの世界。格差を目の当たりにして違和感を感じ、なんとも言えない気持ちになる。俺も貧乏旅でお金が余るほどあるわけではないので、気持ちの50セントだけを一人のおじいさんに渡して電車に乗り込む。


見えないところまでプラットフォームが広がる、ローマテルミニ駅


二階建ての電車には、びっしりと人が座っている。ローマ駅から目的地のザガローロ駅までは30分ほどだが、長時間フライトで疲労困憊の俺はどうしても座りたい。席を探して電車の中を行ったり来たりしていると、男女の隣の席が空いていたので声をかけてみる。

「ここ空いてるかな? 座ってもいい?」
「もちろん! マリアよ!」
「ありがとう。だいちだよ、日本からきたんだ」

隣の席を譲ってくれたのはイタリア人のマリアと彼女のお父さんだ。親子でデンマークに1週間旅行に行っていた二人は、今から家に帰るところらしい。

「日本からのお客さんなんて、珍しいね〜」
「みんなはローマに観光に行くだろうからね」
「だいちはどこに行くんだい?」
「俺はザガローロってところを目指しているんだ。農家にお邪魔して3週間働かせてもらうんだよ」
「え!?僕たちもその近くに住んでいるし、農家なんだよ!もしかしてうちに来るんじゃないよな?笑」

二人はとても陽気な感じで、生粋のイタリア人という感じだ。二人とも田舎に住んでいるせいか英語は拙いが、翻訳を使いながら一生懸命会話してくれる。周りの席の人たちも珍しい日本人に興味を示してくれ、みんなで大盛り上がりだ。これこれ〜〜〜〜!海外のこの感じ!みんな初対面なのにすぐに仲良くなっちゃう感じ!ヨーロッパで初めての友達に嬉しくなり会話が止まらない。

「農家でボランティアしながらホームステイをするなんて、だいちは旅の達人だね〜。どうやって見つけたの?私たちもボランティアを募集しようかしら」
「WWOOFっていうサイトで農家さんと繋がれて、誰でもできるんだよ〜」
「なんでだよ!だいちが今から行く農家をキャンセルしてうちにこればいいじゃないか!な、だいち!」

マリアのパパは笑いながら俺の肩を叩く。

「ええ、行っちゃおうかな!笑 冗談、それは流石にできないよ〜また次イタリアに来たときはマリアたちのところへ行こうかな!」
「おう! いつでも来ていいんだぞ。彼女も友達も連れてきていいぞ!」

またパパの冗談でみんなが笑う。

みんなからローマの美味しいピザ屋さんや行くべき観光地の情報を聞き、マップに保存する。ただネットで調べて得る情報とは違う生の情報なので、とても貴重なのだ。それにしても、出会ったばかりの日本人の若造にこんなにフレンドリーに接してくれるなんて、イタリアはいい国だな〜と心温まる。旅が楽しみで気持ちは昂り、自分が未知の世界にいることで空港からずっと緊張状態が続いていたため、優しい人たちの温かい空気でとても安心した。


そうこうしているうちに、電車はザガローロ駅に到着した。みんなに感謝を伝えるとひとりづつハグをしてくれ、人生で初めてのほっぺキスまでしてくれた。カアっと照れて顔が熱くなるのを自分で感じるが、これが普通なんだ。なんて素敵な文化なんだろう。ハグもキスも、すごく愛が伝わる。人と接触したり愛情表現をしない日本から来た俺にとって、この文化はとても羨ましく、愛らしいものだ。

「元気でね〜だいち!またどこかで会おうね!」
「うん!みんなも元気で!次はマリアたちのところにボランティアに行くよ!」
「チャオ〜〜」



電車から降りると、これからお世話になる農場のパウロが待っていてくれた。


「チャオ!hfjhdi ofdnjfb hgvjw pdkjfl;s fnsa mnjks sdckl!」



え、、、もしかして、この人、英語喋れない!!!


次回に続く

電車で隣の席を空けてくれたマリアとパパ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?