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現代社会は人間が人間を食らう地獄

最近、進撃の巨人を見返してますが、この漫画って本当によくできてますね。
下手な教科書なんかより社会の勉強になると思います。

語ろうと思えば色々な切り口で語れそうですが、今日は巨人が人を食う点に注目してみます。
ネタバレあるので進撃が気になってる人はブラウザバック推奨です。


というわけで語っていきます。

進撃の巨人では巨人は人間を喰う正体不明な化け物で主人公たちはそんな巨人たちに壁の中に押し込められて自由を奪われています。
ですが物語が進むとその巨人も実は正体は人間で、彼らは強制的に巨人にされて自由を奪われた存在であることがわかります。

自由を奪われた存在に食われて自分の自由も奪われる。
進撃の巨人に描かれるこの世界観は私たちの暮らす世界そのものです。

例えば、犯罪者たちは他に道がなく法を犯すことがあります。
勉強ができなくて家庭環境も荒れ果てていたら不良にならざるを得ませんし、そうするとまともなところに就職なんてできず、人並みの幸せを得ようとしたら犯罪に染めるしかなくなってしまうのです。

最近話題のパパ活女子だって同じようなものでしょう。
パパ活女子たち実家が太ければわざわざパパ活なんてしなくて良いですし、顔面が橋本環奈や広瀬すずならパパ活して整形費用を稼ぐ必要もありません。
金をかけずとも推しの地下アイドルやホストから愛されるならキモいおっさんの相手して金を稼がなくても良いはずです。
ですがほとんどの人は実家は太くありません。
しかも容姿が良ければ他人から愛されやすいのも現実です。
こうした現実に直面し、自分の理想を手にしようとしたらパパ活に手を染めてしまうのもうなずけます。
彼女たちに選択権はほとんどありません。
その一方でモテない弱者男性はパパ活女子たちの食い物にされてしまいます。
さながら巨人に食われる人間のように。
頂き女子りりちゃんの話は記憶に新しいですね。

一般のサラリーマンだって同じですよ。
保険会社の営業マンはその保険が役に立たないゴミだと知りながら売らなければなりません。
お菓子メーカーの社員はそのお菓子のせいで糖尿病患者が増えていることを知りながら売らなければなりません。
携帯ショップの店員は判断能力のないお年寄りに無駄だと知りながらクソなプランを売らなければなりません。
彼らにも養わなければならない家族がいますし、払わなければならない生活費があります。
売らなければ上司に叱責され給料が下がってしまうので依存症患者を生み出したり情報弱者を食い物にする他ないのです。

消費者の立場からすると訳のわからないうちに騙したり人を依存させて金という名の自由を奪ってくる彼らは巨人そのものです。
一応知識をつけたりすれば巨人に対抗することもできるかもしれませんが、それは立体機動装置をつけて巨人に挑む調査兵団並みに絶望的な試みです。
巨人たちは我々の何倍も知識がありますしマーケティングのノウハウも持っているからです。
リヴァイ兵長やミカサでもない限り簡単に食われてしまうことでしょう。

一方で我々は巨人に食われる小市民でありながら、他人に食らう巨人でもあるのです。
犯罪者やパパ活女子でなく一般サラリーマンであってもどう足掻いても弱者を食い物にしなければ生きていけないことがほとんどです。
社会に出ていないモラトリアムの期間であっても我々は親を食い物にしています。
親が必死こいて稼いだお金で勉強して、親の払った家で暮らすんですからね。

進撃の巨人では巨人の正体は同じ人間でした。
現実の世界でも私たちは好む好まざるに関わらず他人を食う巨人にならなければならないし、その一方で私たちは巨人に食われる市民でもあるわけです。

生態系の頂点に立った人間は地上で無敵の存在となりました。
ですが争いはそれで終わることはありませんでした。
今度は自分と同じ能力を持つ人間が同士で争うこととなったのです。

ウクライナやパレスチナをほどではありませんが私たち日本人も常に競争にさらされています。
人を蹴落とせば蹴落とすほど良い立場につけるのが今の世の中なのですから。
受験戦争に勝ち、就活で勝ち、恋愛で勝ち、出世競争に勝つ。
どの段階でも敵は自分と同じ人間です。

進撃の巨人のように訳のわからない巨人と戦っているようで実は我々の敵は同じ人間なのです。

最後に進撃の巨人に出てくるアルミンの名言で締めたいと思います。

「 もう駄目だ・・・ 僕なんかが耐えられるわけがない・・・ こんな地獄では・・・ イヤ・・・違う・・・地獄になったんじゃない 今まで勘違いをしていただけだ 元からこの世界は 地獄だ 強い者が弱い者を食らう 親切なくらいわかりやすい世界・・・」

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