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大学関係者が大学を語る上で、内容に影響すると考えられるもの

現在は書籍だけではなく、インターネットでも様々な文章を発信出来ますし、読むことが出来ます。そして、1つの事についても様々な立場の人が意見を述べると、意見や価値観が異なることなんて多くあります。

さて、大学や高等教育を語る上でも意見を述べる人の立場で意見の傾向が違うよなと感じることがあります。

例えば大学ランキングの場合は、大規模私立大学やグローバルな大学はランキングを気にするでしょう。しかし、地方小規模大学で資格取得を目指す大学であれば大学ランキングは自分事とはなりません。

そうすると、前者に所属する大学関係者はランキングの是非について意見があるでしょうし、後者の組織に所属する大学関係者はランキングを気にするよりやるべきことがあり、他人事になるでしょう。

このように大学を語る上で影響を与えるものとして所属する(した)組織(大学)の属性やパーソナリティーの部分があるように感じます。その為(特にインターネットでの)大学は〇〇というのは、広い大学論ではなく、その人自身の組織やパーソナリティに影響された非常に偏った内容である可能性がある事は読み手として注意すべきです。

所属する組織の属性

学校基本調査-令和元年度(速報)結果の概要―によると大学は全国に786の大学があります。そして専門職大学のさらなる認可などで、大学はさらに増えていきます。

そして大学も全てが一様ではなく様々です。つまり大学の属性というのは少し違う気もしますが、大学を語る上でこのようなものがある気がします。

●設置形態「国立、公立、私立」
●大学規模「大規模、中規模、小規模」
●立地  「 都心部、地方」
●歴史  「いつできたか」
●大学の学部等 「単科大学、総合大学、学問分野等」
●機能別分化  
1)平成17年中教審将来像答申
  ①世界的研究・教育拠点
  ②高度専門職業人養成
  ③幅広い職業人養成
  ④総合的教養教育
  ⑤特定の専門的分野(芸術,体育等)の教育・研究
  ⑥地域の生涯学習機会の拠点
  ⑦社会貢献機能(地域貢献,産学官連携,国際交流等)
2)大学分科会(第140回)・将来構想部会(第9期~)(第14回)合同会議 人材養成の3つの観点
  ①世界を牽引する人材を養成
  ②高度な教養と専門性を備えた先導的な人材を養成
  ③具体の職業やスキルを意識した教育を行い、高い実務能力を備えた人材を養成
●その他  例えば宗教(ミッション、仏教)など
あまり言語化がしにくいですが、設置形態や大学規模は大きな影響があるのではないかと感じています。

例えば私は以前に大学改革支援学位授与機構の内部質保証のワークショップに参加したことがあるのですが、同じ班の方は国立の大規模大学の方ばかりで、共通となる話や参考になる話が非常に少なかったのが印象に残っています。

少し話が合いそうだったのが、小規模の国立大学でしょうか。それでも設置形態が違う事は語る内容によってはまったく訳が分からないことも多いのです。

その他にも、大学の立地や学部、さらには平成17年度の将来像答申や大学分科会(第140回)・将来構想部会(第9期~)(第14回)合同会議 配付資料にあった人材養成の3つの観点で考えると、世界を牽引する人材を養成する大学は大学ランキングを非常に気になるかもしれませんし、実務者養成の大学は大学ランキングの影響はあまりないと捉え、気にしないでしょう。

個人に関する部分

例えば大学職員が語る上でこんなものがあるかもしれません。

●所属した部署 教学系or管理運営
●その大学のOBか     
●年齢
●転職経験

特にある程度大学職員として経験を重ねてくると、ラベルを貼るかのよう〇〇系といったものを言われることがあります。特に言われるのが教学なのか、管理運営なのかではないでしょうか。

確かに管理運営系の部署を主に経験している職員と、教学系を主に経験している職員とでは価値観や仕事のやり方も違うような気もします。(私の思い込みというものもあるかもしれませんけど)若いうちはそうでなくとも、管理職になってくるとそのあたりが出てくるようだなとも思っています。

おわりに

他にも建前で話をしているのか、本音で話をしているのか、単なるパフォーマンスなのか、客寄せの為なのかといった事もあるでしょう。単純に組織と個人だけでは整理は出来ませんが、大学に関する事を語っているものを読む上では、注意をしなければならないなと感じます。
(言うまでもなく、この記事も某私立大学に働く職員が書いていますので、立場上から偏った内容かもしれません)

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