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マッチングアプリ【それが君のタイミング】

年が明けてすぐ、重い腰を上げながらマッチングアプリを再開した。

 
マッチングアプリを再開すると、アラフォーの私でもイイネをもらえたり、メッセージが届く。
スワイプをしながら、相手の顔や詳細を見ながら、大雑把にありかなしか決め、メッセージを返したり、イイネをする。

好きな人に反応するのではない。
あくまでありかなしか、だ。

 
何人かと同時進行でやりとりをする中、Aさんから初めてメッセージが届いた。

「趣味が合うから趣味の話をしたいんですけど、その前に質問いいすか?(笑)
婿養子希望の理由はなんすか?(笑)」

とメッセージに書かれており
私はハァ、とため息を吐いた。

 
プロフィールの顔や条件だけでは分からない。

婿養子希望については何人からか聞かれたことがあるし、それはいいのだが
初対面の人に(笑)をつけながらこのような質問文は私の価値観では極めて失礼だ。
いちいち相手にしたり、それは失礼ですよと伝えたり、質問に答える価値もないと思った私はその人をスルーすることに決めた。

 
よくあることだ。
顔やプロフィールは悪くないが、メッセージ一通目からマナーがなっていない…正確には、私の価値観からしたら合わない方はごろごろいる。

いちいち気にしていたら身がもたないくらい
婚活は傷つくし、疲れる。

 
 
やりとりをしている人の中でBさんという方がいる。

誠実そうで料理が好きな方らしい。

 
婚活において、普通に会話が成り立つ人は貴重だ。
連絡頻度がほどよい人も。

 
今やり取りをしている人の中ではBさんが一番よかった。
会ってみてもいい、とさえ思った。

Bさんも気持ちは同じだったらしく、「今度会いませんか?」と誘われた。

 
正直、1・2月は予定が割と入っているが、時間調整をすれば会える日があるにはある。
私は予定を調整しようと思った。

 
「僕は今月は難しいんですが、来月なら会えそうです。」

私はBさんの株が一気に下がった。
話を聞く限りでは週休二日の方で休みも同じ、残業時間もそこまでではなさそうだったが
約三週間会えないとは。

 
推測するに
趣味等がある・交友関係が広い・他に婚活予定が入っている、といったところだろうか。

会いたいと言っている割には私の優先度は低いのだ。

付き合ったとしても、滅多に会えないのかもしれないな、とさえ推測してしまった。

 
婚活は会う会わないの話をしたら、初回は二週間以内に会う約束をするのがよいとされる。
そうではないと、モチベーションが下がって上手くいかないのだ。

もしも今月忙しく、会えないと決まっていたなら
会う話はせず、しばらく様子見で連絡を取り合い、仲を深める方がベターだろう。 
私の価値観ならそう感じる。

 
「来月の予定はまだ分からないので、もう少し日にちが経ったらまた相談していいですか?」

私はかわした。
Bさんは知らないことだが、私は1、2月ほどよく予定が入っている。

 
今月私を優先できないのなら、私もBさんを優先する必要はない。
だって私はBさんを好きなわけではないから。
もう少し話がしたい程度の好意で、関係だから。

 
多分Bさんとは会わないで終わるだろうな。

 
私は内心そう思った。
Bさんとのやりとりを即やめるとはならないが
会う気が一気に冷めたことは確かだった。

 
笑ってしまう。

気が合わず、あまり会うことには積極的になれない相手からは早急に会うことを求められがちで
悪くはなさそうな相手からは、会う約束は三週間先になりやすく、私はモチベーションが保てない。

 
婚活をしていると死にたくなる。

好きでもない男性と、好きになるかもしれないという期待や我慢から不毛な会話をして
好きになれるか
結婚相手としてどうなのかなんて
そんな打算的な目で見て

 
やってもやっても上手くいかない。

 
老後も一人で頑張れるという自信も体力も財力もなくて
それでも婚活をやめるわけにはいかない。

 
周りは結婚し、(出産し)、マイホームを建て、人によっては子どもが複数いて
そんな既婚者の友達や知り合いに
彼氏の話や好きな人の話さえできないレベルで私は止まっている。

婚活が上手くいかず、未だに悩みを抱えているアラフォーなんて少数派だ。

 
SNSや婚活パーティーにはそんな方もたくさんいて、私だけじゃないんだと励まされるけど
普段の生活において
私は出来損ない感が強い。

 
独身生活は悪くない。
お金や時間が自分のために、趣味のために使えて楽しい。
ぼっち行動は気を使わず楽だと思う。

 
仲が良い家族がいて
たまに会う友達がいて、
今はそれで十分幸せで
彼氏がほしいとか結婚したいとか子どもがほしいとは心の底から思ってはいない。

 
ただ、親から結婚を望まれ
世間から結婚を求められ
老後を考えた時に一人は辛いと考え
婚活を続けている。

 
なんだか、子ども時代を思い出す。

「将来のために勉強しなさい。」なんて親や教師から言われたって
子どもは「じゃあ勉強しよう。」とはなかなかならないものだ。

 
結局は今自分がどう思い、何をやりたいか次第だ。
人生はそれが地続きじゃないか。

 
その理屈で言えば

子どもの頃から私は結婚願望がなくて、勉強が好きで、将来働くことを夢見ていた。

 
かわいげがなく、見た目もかわいくなかった私は
男子から女子扱いされてこなかったし
自分に彼氏ができて結婚できるなんて夢にも描けなかった。

 
ただ、本家に産まれたから
本家を継がなければいけない使命感は子ども時代からずっとあった。

親がそれを望んだから。
大好きな親がそれを望んだから。
それが私の宿命だったから。

 
だけどアラフォーになり、いよいよ出産が難しくなってきて
私はいよいよ本家を継ぐ資格がなくなりつつある。

 
いつか私が結婚できても、跡取りは望めない。

 
もともと出産願望があまりない私にとって、それは皮肉にも希望でもあった。
もう頑張らなくても許される気がした。

子どもを望まないのなら
早急に婚活で成果を出さなくてもいい。

 
だけど母親は「まだ妊娠は間に合う。」だとか「卵子凍結しろ。」だとか言うことがあるから
やっぱり私が諦めることは許されないし
早急に結果を出さなければいけないのだろう。

 
結婚がしたいというより
私は婚活から解放されたいのだ。

人生に悔いはない。
だけど婚活はひどくしんどい。

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