【詩】 煙れ!

甘ったるい煙の最後を
すっかりと肺に送り終えると
それを吐き出す前に
眼を閉じて、間を置いた

肺に穴が開くほど吸引を繰り返してきた
オアシスの幻影を、これが最後とばかりに
全身に行き渡らせる

やがて、その煙はいつもそうしてきたように
私の健やかな体温を奪い
豊かな酸素を殺していく

分かってはいるのだ
こんなことをしたところで
その煙は心の欠損の穴埋めになりはしない
むしろ、一層、空虚に捕らわれるだけだ

そんなことはお前も疾うに知っている!
にもかかわらず
その身を焼かれながら、相も変わらずに
指の合間でケタケタと笑う灰と化した悪魔が
何の恥じらいもなく、絶えず、私を誘惑する

――さぁ、吸え もっと、吸え
――おまえに夢を見させてやるぞ

あぁ、なんて憎らしい奴なのだ
是非とも偽善に満ちたおまえのスカスカな笑みを
この銀皿の中腹に叩きこんでやりたいね!

しかし、なんと醜悪な姿か
銀に映える私の顔ときたら!

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