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飯田医院 第1話

昭和32年に生まれ、どこにも連れて行ってもらえないまま小学生になった。小学生も学年が進むと、いろんなものを親に黙って食べるようになる。そして腹が痛くなる。

飯田医院のせんせ

腹が痛くなると、歩いて1分のところにある「飯田医院」と言うところに行かされる。そこには近所のジーさんやバーさんがたむろしていて、子どもが行くとおもちゃにされるのだ。「ぼうはどこの子や?」「いくつになったんじぇの?」・・・なんで俺が答えなアカンのや!俺は腹がいてーんじゃ!
ジーさんバーさんは体の調子が良いと医院に来るのだ。

「はーい、次の人ー」看護師さんに呼ばれて診察室へ。せんせが少し怖い顔をしてこっちを見てる。もう、それだけで治ったような気がする。
「どしたんじゃ?」「はらいてー」「腹見せてみーや」聴診器をあてる。
「んー・・・、ちょっと切ってみんと分からんなー」
『なんですとー!』その場から逃げ出したくなり「もう治った!」
「あ、ほーか。ほんなら良かったな。もう帰ればいーぞ」

たいした名医だった・・・気がする


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