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【ネタバレ有】『葬式帰り』感想



葬式帰り(創作BL) | endoakka  https://www.pixiv.net/user/52618/series/64797

↑この漫画が凄すぎて衝撃を受け、一人では抱え切れないので、共有させてください。

※がっつりネタバレしてます。
まずは何も聞かずに↑を読んでいただくのがオススメです。










ーーーーー以下、ネタバレ有。ーーーーーー











「葬式帰り」を感慨に耽りながら読み終えた。

淡白な絵柄で描かれる、現実的で堅実な世界観の中にあるエロシーン好き!
こんな世界観なのに学校でもヤらせるのか!

と思ったら、まさかのそれ自体伏線だった。

それでいてヨウスケくんの、「アキオはなんでこんなこと知ってるんだろう」とか、アキオくんの「お父さんの部屋からローションを盗んできた」とか、アキオくんの父親の顔が不自然に描かれてないことから、アキオくんが父親から性的虐待受けてるのかな?

と思ったら、まさかのアキオくんが(「母親から愛情を受けずに育った」という同情の余地はあるものの)恐らく生まれつきのサイコパスな加害者側で、父親はむしろ被害者側だったのが、アキオくんにすごい共感出来て好きだった。

最初は現実的すぎて読み進めるか迷っていたから、こんな展開あるなら先に言ってくれよ!そしたらすぐ読んだのに!とも思ったけど、全くのネタバレ無しで読めたのはラッキーだったし、作者もそれを意図してると思う。
キャラクターの気持ちを追体験出来たし、より共感出来た。

逆に、エロシーンが好きでずっとこんな感じが続くのかな〜?という期待は裏切られてしまってちょっと残念。
(それ自体ヨウスケくんと気持ちが一致してて、より感情移入出来るけど)

最初は適当に流し読んでたから、
「なんで『葬式帰り』ってタイトルなんだ?葬式シーン出てきたっけ?父親か誰かが死んだ?明ちゃんのお父さんのこと?」と思ってた。

滝に行ったりお泊まりしたあたりでヨウスケくんが『ずっとこんな日が続けばいいのに』『でもあまり心配しなくて良い気もする』と言い出したので、バッドエンドなのは想像出来たし、『葬式帰り』というタイトルから、「二人のどっちかが病気かなんかで死んでしまうんだろうか?」とか、アキオくんがお泊まりのときに泣いてたのは、やはり家庭(今の家庭は明ちゃん視点で明らかにされてるので、特に父親との関係)かどこかに何かあるんだろうと思って、「アキオくんが自殺してしまうんだろうか?」とも思ったし、でも保健室で犯されるシーンはヨウスケくんが嫌気が差してる感じだったから、「どっちも死なずに、ただ喧嘩で別れるだけなんだろうか?」とも思ったし、そのすぐあとのシーンでは「アキオくんが罪悪感を感じて自殺するんだろうか?」とも思っていたら、まさかの父親に殺されるでびっくりしたし、あまりにも淡白に描かれてたから信じられなかった。

明ちゃんがアキオくんともヨウスケくんともくっつきそうでくっつかなかったのが、「だからpixivの概要欄で『BLなのでお姉ちゃんは報われません』『最後までBLです』と作者が言ってたのか〜」と思った。
(アキオくんのことや鬱展開には一切言及してなかったのに…)

作者は全ての展開を考えて描いてるんだろうけど、あそこまでそれを予期させずに淡々と描けるのが凄い。

『最後までBLです』とあったので、最後はヨウスケくんがアキオくんとの思い出を回想しながら、自分なりの答えを見つけていくのかな?と思ったら、いきなり大学生になってたり、社会人になってたり……と、どんどん時間が進んでいったので驚いた。
でも最後までアキオくん好きすぎて微笑ましいし、明ちゃんをラブホに誘ってるシーンを見て、「ヨウスケくん自体かなりアキオくんに似てる子だな〜、影響受けたのもあるだろうけど、だからこんなに好きになったんだろうな」と思えて、それらを全て考えてるのに敢えて言及せずに読者に悟らせる作者が凄い。

同じ作者の他の漫画も読みたい。
とにかくこんな漫画描ける人が、他にも漫画を描き続けていることが嬉しい。

作者である横谷さんのTwitter見たら、陽気婢先生の作品が好きらしい、というのを見て、陽気婢先生の作品に登場する竹河宗介くんを思い出した。「バイのド変態キャラ」としては章雄くんに通づるところがある。(ただし、陽気婢先生は明るい男性向けエロ漫画が多め。宗介くんも同級生の男子生徒にフェラするシーンはあるものの、全体的にコミカルだし結局ヒロインの女の子とくっつく。)

以上。

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