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コミチは100年愛されるマンガづくりに貢献したい

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コミチは100年愛されるマンガづくりに貢献したいと考えています。
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記事一覧

マンガ雑誌の危機的状況に、コミチができること

コミックの市場規模は伸び続けています。電子コミックが伸びる一方で、マンガ雑誌(紙コミック誌)は急激に市場が縮小しています。 『週刊少年ジャンプ』が過去最高発行部数の653万部に到達したのは1995年のことでした。あれから30年弱、マンガ雑誌は85%減の売り上げに落ち込んでいます。 電子コミックのおかげで、売り上げ全体が伸びているのだから問題ない……とは限りません。マンガ雑誌の落ち込みは、マンガ産業の全体に影響を及ぼす危機的状況に感じます。 今回のnoteは、マンガ雑誌が

「マンガ単行本」がグッズ化する未来

コミックの市場規模は伸び続けています。特に、電子コミックの伸びはめざましいものがあります。 もともとマンガの単行本は巻数が多く、紙の本だとかさばり本棚がすぐに満杯になるので電子の利便性が高い、ということがあります。 一方で、紙の単行本(紙コミック)は減少を続けています。 特に厳しさを感じるのが、コミックス新刊の点数です。30年前(1993年)は年間で5千点ちょっとだったものが現在(2023年)は1万4千点を超え、3倍弱まで膨らんでいます。つまり、販売金額は横ばいでも、単

なぜ今、ファンダムなのか?

「ファンダム(Fandom)」について書いてみたくなりました。 なぜ今、ファンダムが重要なのか? 考えるきっかけになったのは、日本のエンタメが最近、すごいことになっていることです。 日本のエンタメがすごいことになっているたとえるなら、米メジャーリーグで大活躍する、唯一無二「二刀流」という武器で、世界の舞台で勝負する大谷翔平選手。 映画では、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の世界興行収入が12億8800万ドル(約1790億円)に達し、アニメ作品で歴代2位となり

2024年、ウェブトゥーンの勝算

日本では2022-23年が「ウェブトゥーン元年」と言われます。 縦スクロールでオールカラーのスマートフォンに特化した「ウェブトゥーン(WEBTOON)」は、マンガ文化の歴史が長い日本人にとっても”見た目”に新しく、ビジネス系メディアなどを中心にたびたび特集されました。 「ピッコマ」「LINEマンガ」などマンガアプリが次々とウェブトゥーン作品を登場させ、「『俺だけレベルアップな件』(ピッコマ)が1ヶ月で1億円を売り上げた」など大きな話題になりました。 スマホゲームの「基本

ウェブトゥーン業界カオスマップ2023年6月更新版

はじめにこんにちは、コミチ代表のマンディ萬田です。 毎度おなじみ、ウェブトゥーン業界カオスマップの6月版を更新しました。 過去のカオスマップ 過去に公開したウェブトゥーン業界カオスマップは以下の4つです。 【2022年1月版ウェブトゥーン業界カオスマップ】 【2022年3月版ウェブトゥーン業界カオスマップ】 【2022年7月版ウェブトゥーン業界カオスマップ】 【2022年10月版ウェブトゥーン業界カオスマップ】 【2023年2月版ウェブトゥーン業界カオスマップ】 ウ

【マンガ家向け】マンガ投稿サイトを比較してみた。

はじめにほとんどの皆さん、はじめまして。 コミチ代表のマンディです。 コミチは4年半ほどマンガ投稿サイトを運営しているのですが、 改めて日本にある各マンガ投稿サイトの位置づけを比較してみました。 マンガ家の皆さんの参考になれば幸いです。 マンガ家の収入源ってどんなのがある?まず、マンガ家の収入源は、大きく下記の4つがあると思います。 ①商業誌・アプリデビューを目指す(マンガ賞→原稿料+印税) まず一番最初に考えるのが商業誌・アプリデビューだと思います。 そのために、マ

ウェブトゥーン業界カオスマップ2022年7月更新版

はじめに こんにちは、コミチ代表のマンディ萬田です。  前回、かなりの反響を頂きましたウェブトゥーン業界カオスマップなのですが、7月版更新しました。 2021年版1月版ウェブトゥーン業界カオスマップ 2021年版3月版ウェブトゥーン業界カオスマップ 日本のウェブトゥーン業界が丸わかりなので、ぜひ読んでみてください。 ウェブトゥーン業界カオスマップこちらが「ウェブトゥーン業界カオスマップ2022年7月版」になります。 かなりの反響がありましたで、自社サイトにウェブト

Z世代とプレWeb3.0時代のマンガ消費

はじめにこんにちは、マンガSaaS・コミチ代表のマンディです。 ゴールデンウィークは皆様いかがお過ごしでしたでしょうか? 僕は仕事をそこそこに、Z世代についての本(文末の参考文献参照)をいくつか読みまして、そこからweb3時代に向けてマンガ消費ってどうなるのか?について考えてました。 今回は、今後のマンガ消費に関する僕の仮説を紹介させてください。 Z世代とは?皆さんはZ世代のことをご存知でしょうか? Z世代とは、1997〜2012年生まれ(2022年時点で10歳〜25歳

ウェブトゥーンスタジオ必見!コミチの共同制作機能とは?

はじめにこんにちは、マンガサービス・コミチ代表のマンディです。 先日のウェブトゥーン・カオスマップは、おかげさまでツイッター上やnoteのオススメにも取り上げて話題にしていただきました。ありがとうございます!! 今回は、ウェブトゥーンスタジオにこそ使ってほしい! 無料で使えるコミチの共同制作機能についてご紹介させていただきます。 コミチの設計思想コミチの設計思想は、「D2C(直接販売)」と「共創」です。 2018年3月に創業して、4年以上ずっと変わっていません。 D2

出版社は「web3」「NFT」でどう変わるか?

はじめに こんにちは、マンガサービス・コミチ代表のマンディです。  最近web3・NFT・メタバースといった新しいワードを聞く機会が増え、毎日のように新聞・ニュースサイトを賑わしています。  それらのワードは、マンガ業界とどのように関係し、それを取り仕切る出版社さんはどのようなことをなすべきなのか?ということを今回話したいと思います。 web3って? まず、僕はweb1・web2・web3の違いを下記のように考えています。 web1時代 → WEBサイトがつながった『ポ

ウェブトゥーン業界カオスマップ2022年3月更新版

はじめに こんにちは、コミチ代表のマンディ萬田です。  前回、かなりの反響を頂きましたウェブトゥーン業界カオスマップなのですが、あれから3ヶ月あまりでかなりのプレイヤーが参入しています。 前回2021年版ウェブトゥーン業界カオスマップ カオスマップは、特定の業界に絞ってサービスや商品を提供する事業者をカテゴライズし、1枚の画像にまとめたものです。 日本のウェブトゥーン業界が丸わかりなので、ぜひ読んでみてください。 ウェブトゥーンとは 前回も書いたウェブトゥーンとは

第3回:「データを活かしてマンガを売る」コミチとは

はじめに こんにちは、コミチ代表・マンディです。  おかげさまで好評をいただいている、この短期連載もいよいよ一旦最終回となります!  第一回では、「なぜ、あえてウェブなの?」というお話を中心に、  第二回では、「NFT」や「WEB3」といったトレンドと近未来予測を交えつつお話ししました。  最終回となる今回は、これまでのお話を踏まえつつ、「コミチと共創するメリット」について、具体的にお話ししていきたいと思います。  出版社のみなさん、クリエイターのみなさん、そして読者のみ

第2回:コミチが目指す分散と共創──NFT、WEB3、プラットフォームからの脱却

はじめに こんにちは、コミチ代表のマンディこと萬田です。  おかげさまで、前回の記事はご好評をいただきまして、大変ありがたく思っております。  今回は、予告の通り「NFT」や「WEB3」といったキーワードに触れながら、コミチが思い描く近未来のビジョンを、より踏み込んで皆様にお伝えできればと思います。  それでは、よろしくお願いします! NFTってなに? デジタル領域における技術は、日々進化し続けています。  数年前には知られていなかった技術が、あっという間に一般化する……

マンガSaaS「コミチ」が目指すもの 第一回:「あえてWEB」の利点

はじめに ほとんどの皆さん、はじめまして。コミチ代表のマンディこと萬田です。  今回から何度かにわたって、これからのWEBとマンガはどうなっていくのか、そのなかでコミチがなにを考え、マンガ業界にどうやって貢献しようとしているのか──そして、それらがクリエイター・編集者・出版社・読者それぞれに、具体的にどんな利益をもたらすのか……の連載をはじめます!  第1回目の今回は、アプリ全盛時代において、まだ一部の人しか気づいてないアプリの限界と、WEBの可能性についてです。  とは