これから絶滅するだろうと思われる喫煙ジャケット特集
2010年10月8日に他のサイトへ掲載した原稿を加筆修正しました。
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このご時勢、愛煙家の方々は肩身の狭い思いをされていると思います。これからは節煙だ!減煙だ!禁煙だ !と決心された方々のために、見ているだけで喫煙気分が味わえるジャケットをセレクトしてみました。
(注)モクとはタバコのことです。タバコの煙を雲に見たて「くも」の「く」と「も」を逆にした俗語です。
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「お〜い灰皿もってきてくれ! いつまでモクをくわえたままプレイさせるんじゃ!」
録音中でも気兼ねせずに一服
「リオ・デ・ジャネイロの空港はには俺の名前が付いとるもんね」
ボサ・ノヴァ界の大御所だけに貫禄の一服
「てめえら、毎回毎回ちんたらちんたら演奏するんじゃね〜よ!」
睨みを効かせながらの一服
「俺たちゃ品行方正タイプの天使ぢゃねえ。休みの時にゃカードもするし、モクも吸うさ」
不良天使たちの一服
「俺たちにゃ未成年者喫煙禁止法とか関係ねぇから、何歳からでもモク吸えるもんね」
開き直った豚の一服
「おいおい、吸い始めた途端に俺のアドリブかよ〜! ちょい焦るじゃね〜かよ〜!」
箱を握りしめながら器用に一服
「ジャマイカじゃあ、手巻きでガッツリ吸うんだもんね。モクにフィルター? そんなもんワシら、いらないもんね」
カリブ海でワイルドな一服
「あら、今回のアルバムではボサ・ノヴァのリズムで歌ってみようかしら...」
ブラジル風味の一服
「パリの街角でポーズを決めてモク吸うと、やっぱちょいキザっぽく見えるかもね...」
アダルトな雰囲気で一服
「アンタ、アタイがチビだからってナメてもらっちゃ困るんだよ〜!」
アタイだって負けずに一服
「さて、今宵お届けするのはプラターズの名曲《煙が目にしみる / Smoke Gets In Your Eyes》です...」
深夜のDJブースで一服
「俺、ず〜っとこんな吸い方したかったんだもんね...」「あら、言ってくれれば私は何時でもOKだったのに...」
憧れていた吸い方で一服
「連れション、連れメシ、連れモク。気の合うダチとは何時でも何処でもこんなもんサ」
ダチと一緒にぷかぷか一服
「スゲぇだろう、このギブソン! この間リボ払いでやっと手に入れたんだぜぇ!」
自分のギターを自慢しながら一服
「今夜はバッチリ決めたアタイよ。アンタ、そんなアタイをナンパする自信ある?」
ナイトクラブでナンパ待ちの間に一服
「あとワン・テイクで今日の録音も終わりじゃ。流石にちょいと疲れたわ〜」
コーラを飲みながら、ぷかりと一服
「アタイもあの頃はウブでバカなオンナだったわねぇ〜(溜め息)」
コーヒー飲んで昔を思い出しながら一服
「この曲じゃあ久しぶりにドブロ・ギター弾いてみたんだ。どんな出来だい?」
ミキシングルームで録音を確認しながら一服
「女が一人、カウンターで片肘ついてぼんやり飲むのは、振られた時だけよねぇ...」
悲しみを赤ワインと一緒に流し込みながら一服
「あら、『愛のオンザロック』なんてカクテルがあるのね... アイツに飲ませておけばよかった... 」
別れたオトコを思い出しながらの一服
「ニコチンたっぷりで、モクは根っこの部分が一番旨いのサ。まぁ素人にゃ分かるめぇ...」
フィルターが焦げる寸前の一服
「ブルースってのは、モクを吸えば吸うほど、上手く歌えるようになるもんなのサ」
弾きながら歌いながらの一服
「ギルの野郎、いつまで《アランフェス協奏曲》のアレンジに手間取ってんだよぉ〜! 今夜中に譜面がいるんだよぉ〜!」
ギル・エヴァンスの譜面を待ちながら一服
「アタイでも泣きたい時があるのよね。オンナ心と見かけは別よ...」
涙を堪えながらの一服
「ピアニストは両手の指全部使うから、くわえるとなかなか離せねえんだ。煙が目に沁みるぜ...」
ライブ中でも平気に一服
「寂しさのつれづれに... タバコを吸い始めてみました...」
なんとなく黄昏ながら一服
「ところでコーヒー色のRGB配合比率は何パーセントぐらいなのかナ?」
色の配合を考えながら一服
「おいおい、お前さんたちが吸えるモンは持ってねぇ〜よ!」
寄って来る鳩を見下ろしながら一服
「ちょい前から吸い始めたもんで、未だどのモク吸うか、銘柄決めてねえんだよ〜!」
見習い中の天使も迷いながら一服
愛煙家の方々、くれぐれも煙草の火の消し忘れにはご注意!
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喫煙は反社会的な行為で、喫煙者は “パブリック・エネミー” なのでしょうか?
こんなご時勢が続くと洒落た喫煙ジャケットが企画・制作されることはなくなるでしょう。また古いアルバムもジャケットを変更しないと再発売禁止になるかもしれません。
残念ながら、今や喫煙ジャケットは絶滅危惧種です。
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