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描いた絵が、初めて売れた!!

アーティストデビューは卒業制作する2年後と決めていたのですが、SNSにあげている絵画を見た知人からその作品を買いたいという連絡を頂きました^^

初めは冗談かと思いましたが、金額の記載もあり、本気のようでした。連絡してみると、やはり本気のようで、私自身も将来的にはアーティストとして活動したいと考えており、希望譲渡価格にも本気を感じたので、かなり気に入っている作品でしたが、お譲りすることにしました。
ちなみに、お譲りした絵画はこちら。自分に抽象化の概念を与えてくれた絵画です。そのくだりはこちら

「日々」517×365mm ミクストメディア(アクリルなど)2022

初めて絵画が売れて感じたこと

これまでコレクター(っと言ってもまだ10点ほどですが)として、作品を購入してきましたが、買う側の気持ちは分かっても、当然ながら、買われる側(作家さん)の気持ちは分かりませんでした。作品が売れて嬉しいとか、お金が入ってくるとか、そんな感じなのかなとも思いつつも、何か本質的に違うようにも考えていました。
実際、今回、作品を販売して思ったのは、1つは自分の作品に共感してくれることがすごく嬉しいのです。もう1つは、自分の作品(子供)が自分の手から離れていくようですごく寂しいのです。相矛盾する気持ちなのですね。
今回は、お譲りした方がYouTuberでもあり、トレーダーでもあり、早速、YouTubeから表彰された盾と一緒に作品を展示してもらい、また、ネットのデザインにも採用してもらっているようで、何か自分の子供が活躍しているようですごく楽しい気持ちになりました^^

これを機会に運をつけてもらい、ますます活躍してもらいたいものです。

今回の体験を通じて、アートの基本はやはり共感なんだと改めて思いました。共感のコンセプトはこちらでも触れた通りですが、どんだけ素晴らしい絵を描いても、共感してもらえなければ、いくらかでもアーティストで生計を立てたい(販売したい)と考えているのならば難しいのでしょう。まあ、全く自分の世界だけで突き詰めることでも良いと思います。こういう私もアートで生計を立てているわけでもなく、本業があり無理に売らなくてもいいのですが。ただ、逆説的ですが、だからこそ、共感してもらえるアートを自分の内面から生み出したいというのが今の気持ちです。まだまだ、納得いく作品は少ないのですが、今回の一件で、ますます創作活動に力が入ります(笑)

売れるアーティストと作品について

前々から考えている売れるアーティストと作品について、せっかくの機会なのでシェアしたいと思います。

1.作品自体に共感できる

私が画廊やオークションサイトで作品を購入する際、作品自体に共感できるかどうかは当然ながら大きいと思います。共感できない、例えば、この色使いは嫌とか、このモチーフはちょっとと思うと買わないでしょう。確かに、仮に有名作家で、今後、値上がりするということがあって、コレクターとして絵画を買っている人はいると思いますが、いつか後悔するように思います。思った以上に値上がりしなかったとか。
私が買っている絵画は、共感したものばかりなので、仮に値上がりしても基本売却するつもりはありません。同一作家で3点ほど作品を持っているものもありますが、まあ、何かなければ売却しないでしょう。それぞれの作品において、私が共感したポイントやその作品の意味づけも異なるためです。つまり、同一作家でも、作品自体はやはり異なるのです。1点ものですね。
例えば、シルクスクリーン(版画)のように同じ絵画を仮に複数個買った場合は、そのうち、1つを売却することはあるかもしれませんが、そもそもそのような絵画の買い方はしませんし、版画は買う気はありません。(浮世絵のように版画しかない場合は、その限りではありませんが。)

2.作品や作家のストーリーに共感できる

1.の条件は必須条件ですが、こちらは条件としてあると、より良いという感じです。作家の作品制作に対する考え方やこれまでの作品はポートフォリオという冊子にまとめられています。現在だと、作家のホームページに記載されています。そういったものに共感することでその作家の作品を購入したいということはあると思います。私がこのNoteを描き始めたのは、将来、自分のポートフォリオをまとめるための思考実験でもあります。

3.とにかくメディア露出と海外を見据えた活動

こちらは現在売れている作家ということで言えば、この2要件は必須な気がします。例えば、「スーパーフラット」の概念を打ち出した村上隆さんは、当初日本ではあまり評価されていなかったように思いますが、海外で評価されたことで日本でも評価されました。今では現代アートの世界では第一人者といっても過言ではないでしょう。
メディア露出で言えば、小松美羽さんでしょうか。彼女の場合は、名物プロデューサーと組み、その端正な容姿とライブペンティングという技法で、「祈り」というコンセプトで狛犬などを描き、大手広告代理店などのバックアップもあり、テレビなどにも度々出演することで、認知を広げて、近年では最も注目される若手アーティストになったように思います。彼女も海外のアートフェアの出展や海外でのライブペンティングも行っています。
ただし、このように活躍できているアーティストは一握りで、月刊美術なども読んでいますが、なかなか活躍できている若手アーティトを探すのが難しいのがアートの世界です。

アートのお値段について

最後に、アートのお値段についても考えてみましょう。

1.プライスレスなアート価格

基本的にはアートは、共感される方のものなので、価格では表現できないのではないかと考えています。つまり、その人が納得する価格で買えば良いのではないかということです。ある意味、寄付的な要素、パトロンですね。ただ、作品は1つしかありませんので、共感者がたくさんいる場合は、オークションでは通貨が価値基準となっているのでとんでもない価格になってしまいます。数億円、数十億円とかザラです。本当に恐ろし世界です(笑)

2.市場価格から見たアート価格

オークションで数千万円以上(草間彌生さん、奈良美智さんなど)で取引される作家さんなどは少し横に置いておき、そうでないけど、一般的な作家さんはどんなものなのでしょうか。
基本的に絵画は号いくらという価格で決められています。土地なら坪いくらの感覚です。
銀座の画廊では、1号100万円以上(例えば、10号なら1,000万円)というものもありますが、感覚的にはそこそこ有名な作家でも1号10万円~30万円ぐらいでしょうか。この単価は作家毎に決まっています。そして、販売価格は、絵の大きさ(号)×作家の単価になりますので、大きな絵画になった場合は、割引してもらえる感じです。
しかし、作家毎に販売単価が決まっているというのは結構残酷なものですね。何か自分に値段がつけられているように思います。とはいえ、私も現在経営コンサルタントとして活動していますが、1日いくらという標準単価を決めていますので、同じなのかもしれません(笑)

それでは、デビューしたての若手作家はどのくらいの単価なのでしょうか。私のイメージですが、号2,3万円ぐらいの気がします。10号ならば20~30万円ですね。10号と言えば、長辺が50cmほどになるので、その大きさを描くのはそれなりに大変なのですが、結構安いのねという気もします。
超写実主義のアートなどは、1作品作るのに、少なくとも半ヶ月かかるとも聞きましたが、なかなか厳しいですね。このような作品は単価を上げたいところでしょうが、以下の理由から結構厳しいように思います。

3.税法が規定するアート価格

アートを購入する人は基本それなりにお金がある人(法人)だと思います。アートの購入を節税対策として考えると、実は、100万円以上するアート作品は基本経費処理できません。資産として計上しなければなりません。
30万円未満でしたら、消耗品として当期に一括経費処理できます。また、30万円以上100万円未満でしたら、減価償却資産(絵画なら耐用年数8年)として取り扱われ毎年経費処理できます。

このように30万円未満かどうか、次に100万円未満かどうかは、個人事業主や法人として購入を検討している人には影響がある価格帯であるように思います。

若手アートティストの実態としては、富裕層を顧客にしている画廊は別として、若手アーティストが直接販売しているようなアートフェアで30万円の作品が売れるというのもなかなか珍しいようにも思います。アーティストの第一歩としては、画材屋さんにスポンサーになってもらい、絵の具やキャンバスを無料で提供してもらい、比較的小さな絵画(10号未満の大きさ)を1つ数万円~十数万円の作品を数売ってなんとか生計を立てているようなイメージを持っています。表現の世界とはなかなか厳しいものですね。。。

あと、私自身は、2年間のうちで、しっかりとコンセプトメイキングを行い、コンセプト毎の作品をシリーズ化できれば良いのにと、なんとなく考えています。このような業界では、途中で諦めることなく、細くても継続することが大切なんではないかと思います。

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