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ビジョンあるいはリーダーシップの寿命

(注:リンク切れを修正しました。2022-01-09)
子どものころにある分野ですごい発見や発明などをした人が、その分野を諦めていたら、なんとなくガッカリしませんか?私はしていました。というか、していたことにこの前気付きました。少し前になりますが、2018/08/17の「羽鳥慎一 モーニングショー」で「夏の「自由研究」で大発見!商品化&新種認定も」をやっていました。

私は、リーダーシップは属人的なものではなく、ビジョンに属するものと考えています。例えば、ジョブズがゼロックスPARKで原始的なGUIを見た時に、「世の中のコンピュータは絶対今後こうなる」というビジョンが見えたから、これを実現しようとしたわけで、強烈なビジョンがドライバーというわけです。また、これを実現したら、このビジョンについては終了なわけです。今回の件に寄せていえば、才能があるから何かをやるのではなく、システム1での強力な体験があるから何かをやるわけで、ずーっとやる必要はないんだけど、そう期待していたようです。

さて、「モーニングショー」で紹介されていた人たちの多くは、例えばキノコだったり、虫だったり、自分が好きなものの性質を調べ、そのままその方面に進んで行こう、あるいは、すでに進んでいた人たちでした。「「夏の自由研究」小学5年生が新種を大発見」のように、一つのビジョンに導かれるというより、ずーっと興味が続いている感じで、一般的な「才能」のイメージはこちらのような気がします。

そのような中、気になったのは『「じゃんけんなぜ3種類?」小3が自由研究で発見』です。もう少し発展したら数学っぽく一般化できそうな感じで、センスのよさを感じましたが、今年のテーマは「伊能忠敬の地図と現代の地図の誤差はどれくらい?」ということでした。あら?

さらに、将来の夢はアナウンサーと聞いて、あらら??スタジオも「えっ!」という感じでした。この感じを自分で振り返ってみると、「数学(に関連しそうな)能力がある子どもは数学の方面に進んで欲しい」と思っていたような気がします。つまり、その人がやることと能力を結びつけて考えていたように思います。

しかし、「わっ、これ面白そう!」とシステム1で感じたら、それをやればいいけど、ずーっとやらないといけない理由はないわけです。ジャンケンの子どもは、友だちとジャンケンをしていた時に偶然友だちが出した変な手の形が衝撃的で、「なんで3種類しか手がないんだろう」と思い、自由研究として取りあげたそうです。その意味で、納得のいく答えを自分で見つけたら、そのビジョンは役目を終えるわけです。また新しい疑問がでてくれば、それが同じ分野の問題かどうかはどうでもよいわけです。

あるビジョンを実現するために会社などの組織を作ることはよくあるでしょう。しかし、理論に忠実に考えれば、ビジョンが実現できたら、その組織の役目は終っているわけです。つまり、個人のビジョンや思いが先にあるのであって、組織が先ではないわけです。自分で考えた理論ですが、組織と個人についての自分の直観にあうような結論がでたので、すごく納得しました。現実には、いきなり会社が終ったら従業員は困るので、なかなかこうはいかないでしょうけど…

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