広報未経験の僕がTuringの広報管掌役員になって2ヶ月でロケットスタートがきれた理由

みなさんこんにちは!「We Overtake Tesla」を合言葉に、完全自動運転EVの量産メーカーを目指しているTuringのCOO、田中です。

この記事を書いてから早2ヶ月。毎日色々なことが発生していますが、Turingも、僕自身も楽しく元気にやっています。
COO就任以来、色々な仕事をしているのですが、その中でも大きな割合を占めているのが「広報業務」です。Turingは僕が入るまでは共同創業者である山本さんと青木さんが2人で役員をやっており、どちらがどのあたりの仕事をみるのかという管掌範囲がわりとふわっとしていたのですが、僕が入った後にそのあたりを一通り整理して、「まあ広報は役員の中で言ったら田中が相対的に得意そうだよね」ということで1月の末から僕が広報を管掌することになりました。
ただ、僕自身は今までのキャリアにおいて広報は未経験であり、そもそも実務を担当する「広報責任者」がいるわけでもなかったので、人を採用するのか、自分で全部やるのか、誰かに委託するのか、といった点も含めて早急に意思決定をしていく必要がありました。
このnoteでは、広報を管掌するようになった僕が約2ヶ月の間にどんなことをしたのか?そしてどんな成果があがったのか?についてを自分自身の備忘のためにもまとめてみたいと思っています。多分、初心者のわりには結構頑張った方だと思いますが、何か皆さんに偉そうに「こうすべき」みたいなことが言いたいという訳では全くありません。あくまで「N=1」のケーススタディとして読んでもらえればうれしいです、と最初に断っておきます。

2ヶ月間の成果

具体的に何をやったのか?の前に僕が広報になってからどんな成果があがったのか?について最初に共有しておきます。広報の成果の測定方法については色々な考え方があるということは理解しており、ここではそれについて議論するつもりはありませんが、ここで単純にメディアへの掲載数だけを共有させていただきます。

■Turing記事メディア掲載数

  • 2023年2月1日〜2023年3月22日まで(2ヶ月弱)の掲載数:57件

  • ※2021年12月1日〜2022年1月31日まで(1年強)の掲載数:46件

赤枠がこの2ヶ月間の成果

この2ヶ月間で、過去1年強のトータルの掲載数を超えることが出来ました。単に掲載されれば良いというわけではありませんが、客観的に見てもかなりのロケットスタートがきれているのではないかと思っています。
また、今後もいわゆる「大手メディア」での掲載も続々控えており掲載数や露出は更に増えていく見込みで、一時的なものではなくこの傾向は継続的に続いていきそうです。

2ヶ月間どんなことに取り組んだのか?

当時の現状認識

  • Turingは創業者の山本さんが当時一斉を風靡した将棋AI「Ponanza」の作者であるということや、完全自動運転EVを作るという壮大なテーマや、シードで10億という小さくない金額を調達しているということもあり、そもそも放っておいても一定以上の注目を集める会社である

  • 一方で専任の広報責任者がいるわけではなく「みんなで頑張って」何とかしている状態だった。(それでもあれだけ出られているのは本当にすごいことだと思う)

  • Turingには他にも面白いネタがあるのにどうしても将棋AIから完全自動運転へというわかりやすい山本さん自身のストーリーばかりが出ちゃっていた。

  • 「ネタ」はたくさんあるが「メディアリレーション」という概念がなく、どんな媒体や記者さんにどんなネタを持っていくのか、相談するのか、といったプロアクティブな広報活動が出来ておらず、PR Timesでリリースを出して運良く引っかかればたまに記事化されるという状態だった

  • と、色々と荒削りな部分はあったものの全社的な文化として「未来のお客様、投資家、サプライヤー様、採用候補者様、社員やその家族…などあらゆるステークホルダーにTuringのことを正しく知ってもらう広報活動は長い時間をかけて製品開発を行うディープテックスタートアップにとって極めて大切である」という広報への理解と協力体制がベースとしてあったのはとてもポジティブな状態だった

まず誰と仕事をするかを決めた

  • 僕自身が0からスーパー広報マンになるのは時間がもったいないし、こればっかりやるわけにもいかないし、そもそも僕よりすごい人はいっぱいいるはずなので、まずは広報責任者を採用しようとした

  • 僕自身も頭に思い浮かんだイケてる広報の人達にコンタクトをとって「一緒に働かない?」と声をかけたけどそんなにすぐに一緒にってのは難しかった

  • いわゆる広報代理店的な会社さんにも大手含めて何社か話を聞いた

  • そんな中で色々な人と話をしまくる中で、知り合いから紹介してもらったCHOIXという会社の堀さん古澤さんと出会い、スピード感や僕とグルーブ感が近いということもあり初回mtgの翌日にはCHOIXさんと一緒に広報業務をやっていくことに決めた

  • CHOIXのお二人にはいわゆる業務委託という形で関わっていただいているものの、もはや半分社内広報みたいな立ち位置でかなり突っ込んだ提案や仕事をしてもらっており、一瞬で経験ある広報担当者が社内にやってきた、みたいな感覚になった。お二人と出会えたことがこの2ヶ月の成果のほぼ全てを決めたと言っても過言では無い気がする

大方針を決めた

  • Turing、色々な媒体に出ていたとはいうもののまだ圧倒的に世間から知られていないという前提に立ち、すくなくとも2023年中は出して頂けるあらゆる媒体にあらゆる角度から出まくる、と決めた

  • そのためにまずはわかりやすく掲載数という単一KPIを追っていこうと決めた

  • 元々全社的に広報の大切さは理解していたものの、COOの田中がコミットすることでその機運をさらに後押ししようと決めた

具体的にやったこと

  • 販売した車と同仕様のデモ車へのメディア向け試乗会の実施

    • CHOIXさんとの取り組みのスタートダッシュをかけるという意味も込めて2月上旬に自動運転デモ車への試乗会を企画した

    • 自動運転デモ車への試乗というTuringが得意な「面白い切り口」にCHOIXさんが持っている「メディアリレーション」をかけ合わせて柏の葉キャンパスにトータル10名程の記者さん、ライターさんにお越しいただいた

    • 自動運転のデモとインタビューは全て田中ががっつり対応し記者さんやライターさんとも「仲良く」なる時間をつくことが出来た

    • まずはこの試乗会経由で複数件の記事を書いていただけたり記者さんとのリレーションを作ることが出来た

  • メディア向け戦略発表会の実施

  • 東京R&Dさんとの提携自体はずっと一緒に話を進めていた。この発表会は3/1に実施したものの、元々は2/24に実施した「Turing Tech Day」という採用イベントで発表するのはどうか?という話があがっていた

  • ただ、本件はしっかりメディア向けの戦略発表会であるという仕切りにして、リリースの解禁日などのリズムを作ってしっかりとこれだけを切り出して伝えたほうが良いというCHOIXさんのアドバイスを元に強引に日程を切り出して3/1に行うことに決めた

  • 登壇すること以外の発表会の準備はCHOIXさんに全部やってもらった感がある。正直僕は応援してただけだった。感謝。

  • 2月の実施していた試乗会に来ていただいた方の多くにもお越し頂き、当日すぐの記事化も含めてこの発表会経由でも10件以上の掲載が獲得出来た

  • AIでデザインしたコンセプトカーの発表リリース

  • 3/15にコンセプトカーの発表リリースを打った

  • 実はこのコンセプトカーの動画は2/24の「Turing Tech Day」の時点で完成しており来場者の方には紹介していた。3/1の記者発表会でも同様に紹介していた

  • 元々リリースという形にするのではなく、イベントで出した後に「かっこいいPVが出来ました!」とSNSで自慢しようかなと考えていたものの、作成プロセスにかなり特徴があったことや、AIに湧く時流を鑑みてこのコンセプトカーの発表だけを切り取ってプレスリリースとして打つことにした

  • 3/15がちょうどGPT-4のリリースでAI関連が大いに盛り上がるタイミングだったので、幸運もかさなってこのリリースも海外メディアを含む20件以上のメディアに取り上げていただいた

  • 他にも色々

    • この他にも工場取得のリリース、LLM開発着手のリリース、千葉県知事熊谷さんとの意見交換会の発表など色々と大小のネタを発表し続けました

とはいえ、この2ヶ月でスタートダッシュが切れた理由の大半は「幸運」

  • 大前提として、Turingは広報にとって「非常にやりやすい」会社で恵まれています

    • 個性ある創業者2人、車やガレージ、工場という物がたくさんあるので「メディア映え」する

    • 誰もやらなかった様な大きなテーマ、とかなり派手な要素がそろっている

    • 例えば「B2B SaaSの会社の広報」と比較すると相当にやりやすい環境だと思われる

  • また、Turingという会社そのものにこの2ヶ月大きな動きがあったのでただそれを伝えているだけでも一定以上のアテンションを獲得できるというのも新人広報にとっては幸運でした

  • CHOIXさんという素晴らしい広報パートナーに出会えたのも幸運以外の何者でもありません

  • また、生成AI系がかなり盛り上がってきており同様のフィールドで戦っているTuringとしてもアテンションを獲得しやすかったのもかなり幸運でした

「幸運」以外に田中が頑張ったこと

たくさんの「幸運」に恵まれたという大前提はありながらもこのあたりは他のスタートアップ広報を担われる方にとっても参考になるのでは?という部分を3つ挙げるとするなら以下になると思っています。

①広報ネタは自分で作る

これは「広報担当者は待ちの姿勢ではなく事業部や開発部などにどんどん入っていって情報を積極的に集めてそれを形にするのが大事だよ…」的なことを言っているのではありません。もちろんそれは大前提として大事なんですが、そもそもスタートアップの広報は自分で事業そのものを進めてネタを作る、くらいの気概が必要だと思います。例えば僕でいうと、THE FIRST TUGING CARは僕自身が販売を担当しました。千葉県知事熊谷さんとのアポも僕自身が頑張ってツテをたどって取りました。広報はあくまで広報、と変な線引きをせずに、いつでも自分が点をとってきて、その上でそれを伝えてやる、くらいの前のめりな姿勢が特にスタートアップ広報には必要だと思います。

②責任者が全力コミット

「全力コミット」とは「ずっとそのことについて喋っていて、やってる」と言い換えることができると思います。例えば僕だったらこの2ヶ月間は「こんな取材が来る」「こんな記事に出た」「こんな企画を考えてる」みたいなことをとにかく社内で言いまくっていました。多分社内からは「田中さんなんかずっと広報関連のこと言ってんな〜」という印象を持たれていたと思います。それくらいずっと言いまくっていると気持ちが伝わるし、気持ちが伝わると社内の協力も得やすくなるし、社内の気持ちがそうやって一丸となっていたら、それってメディアの皆さんにも伝わっていくものだと思っています。責任者はとにかく、喋りまくる、やりまくる。そしてその姿をみんなに見せまくる。これが「全力コミット」するってことだと思います。

③とにかく得意な人を巻き込みまくる

信頼できる広報のパートナーであるCHOIXさんに出会えたことでかなり助けれられているという話をしましたが、僕自身その出会いまでに結構な数の人や会社に会いました。自分に経験がない、もっと得意な人がいそうだ、という領域に関してはとにかく得意な人を見つける、そしてそういう人を巻き込んで仕事をするというのが大切だと思います。特に広報は業務として歴史があり細分化もされており、色々な領域に専門家や得意な人がたくさんいる業界だと思うので、全部自分でやろうとしない。最低限調べたり勉強したら、色々な人に会う、話を聞く、スキあらば巻き込んで仲間になってもらう。こういうマインドが結構大事なんじゃないかなって個人的には思います。

最後にお知らせ

…と、長々書いてきましたが、最後にお知らせです。広報管掌役員になったタイミングで「いつかWBSとかには出たいよねー」と話をしていたのですが実は早々にご縁をいただき、3/26(日)16時〜のWBSの特番の中でTuringを取り上げていただくことになっています。みなさん日曜日の夕方という時間帯ですが、ぜひ見ていただけるとうれしいです!

また、Turingでは多くのポジションで採用を進めています。Turing面白そう、なんか関わってみたい、と思う方はぜひ以下の採用ページから「スカウトを待つ」から応募いただくか、僕のTwitterにDMなどいただければと思います!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!




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