植物状態と脳死

お年寄りにでなく、もっと若年者にお金を回すべき。
数冊の経済の本を読んでそう思っていました。

延命措置はお金がかかります。
しかも本人が希望しているかどうかもわかりません。
延命措置は家族にとって金銭的な負担になります。
そうなると、高額医療制度に頼らざるを得なくなります。
一定額以上の医療費は国から補助してもらうことになります。
この補助が大きなものになるのです。
こうした費用は未来ある若者や少年少女に向けるべきでは、と。

しかし、いざ本当に自分の母の体が不自由になってしまった。
そうなるとどんなことをしてでも生きていて欲しいのです。

虫のいい話なのは承知しています。
それでもやはり頼らなければ生活ができないのです。
当事者になって自分の考えが浅はかであったことに気づきました。

そしてそもそも、僕は植物状態をよく知りませんでした。
そのため、軽くネットで調べてみて情報を集めました。

日本脳神経外科学会による定義(1976年)

1.自力移動が不可能である。
2.自力摂食が不可能である。
3.糞・尿失禁がある。
4.声を出しても意味のある発語が全く不可能である。
5.簡単な命令には辛うじて応じることもできるが、ほとんど意思疎通は不可能である。
6.眼球は動いていても認識することはできない。

wikipediaより

植物状態の正式名称は遷延性意識障害。
腕を動かしたりあくびをすることもある。
呼吸を機械に頼らず自発呼吸もできる。
植物状態の反応が多岐にわたることを初めて知りました。

母の場合。
入院して数日で人工呼吸器を外して自発呼吸に移った。
こちらの問いかけに涙を流して反応した。
そんなことから当日は楽観視していました。
しかし、それらの動きがあっても植物状態にはなり得るのです。
自発呼吸ができなくなるのは脳死と呼ばれる状態なのです。

植物状態は脳幹が動いている。
そのため、呼吸や血液の循環などが可能。
脳死は脳幹まで動かなくなってしまった状態。
だから、呼吸などの生命維持は機械に頼る必要がある。

植物状態は意識が残っているのです。
だから、回復の見込みもあるようです。

しかし、そうなると別の心配が生まれました。
意識があるのに動けない。
その状態に人は耐えられるのか、ということです。

僕が今まで読んだことのある小説。
それらから、次回は植物状態についてまとめたい思います。

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