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【いまさら聞けない】美術館でのNG行為とマナー

 美術館へ足を運ぶ機会が少ない方にとって、美術館はハードルが高いとか、堅苦しい、難しそうといったイメージがあるのではないでしょうか。そんな中、話題の展示や興味深い作品があったら、年に数回は訪れるかと思います。その際に抑えておきたい美術館でのNG行為やマナーを紹介したいと思います。美術玄人の方も以外知らなかった、なんて事があるかと思いますのでチェックしてみてください。

【なぜNG行為、マナーがあるの?】

 そもそもなぜ、NG行為やマナーがあるのでしょうか。それは大きくふたつの理由があります。
①作品保護の為
 数百年、数千年単位で引き継がれてきた文化遺産である美術作品は、後世に残すべき義務があります。その為に、なるべく劣化しないように扱われるべきなのです。
②自分や他の鑑賞者の為
 その場にいる人々が心地よく鑑賞するために抑えておくべきポイントがあります。ちょっとした工夫で、あなたが作品鑑賞に集中できるか否かが変わったり、他の人へ気を遣いすぎたりせずに済みますよ。

【作品保護の為に】

〈作品に触れてはダメ〉
 これを言われたら「当然だろう」と考えるかと思いますが、本人が気づかないうちに、故意でないにも関わらず触れてしまう場合があります。例えば、大きなリュックが当たってしまったり、つばの広い帽子を被っていたら当たってしまったなんて事もあります。そのような事を起こさないためにも、美術館内にあるクロークやロッカーを使用することをおすすめします。
 傘の持ち込みもいけません。傘についた水滴が作品に付着し、そこから腐食してしまうからです。
 他にも筆記用具は使用できる物に限りがあります。ボールペンのインクが作品に触れたり、シャープペンシルの芯が折れて飛んだら作品を傷つけてしまうので、鉛筆を使いましょう。もし忘れてしまった場合は監視員さんへ申し出れば、多くの美術館で鉛筆を貸して頂けますので、ご安心を。

〈作品撮影の注意点〉
 近頃は展示室内で撮影可能な場所が増えてきました。あなたの貴重な思い出にもなる写真、残したいですよね。しかし、展示や作品によっては撮影NGな物もあります。撮影可能エリアや撮影可能作品は注釈がありますので、確認してから撮ってくださいね。
 ただ、この時気をつけて頂きたいのがフラッシュ撮影です。フラッシュを焚いてしまうと、作品が色褪せる原因になりますのでNGです。故意でなくても、薄暗い場所でオートでフラッシュになってしまう時もありますので、設定を確認してくださいね。

【自分と他の鑑賞者の為に】

〈ファッションに関する注意点〉
 装飾の多いアクセサリーやヒールの音を気にされる方が多いので、そのような服装は控えた方が無難です。加えて、ヒール等の足に負荷がかかる靴は、広い展示室をいくつも回る美術館においては疲労の原因になるのでおすすめしません。
 季節合わせて上着をうまく使うと、ストレスなく鑑賞できます。冬場、外が冷え込む中、館内に入りそのまま展示を観ていると必ず暑いと感じます。あるいは夏場でしたら半袖で入ると寒いと感じるのではないでしょうか。これは作品保護の為に館内の温度が20〜22度に設定されている為です。冬場はコートを脱いで、夏場は薄手の羽織れる物があると良いでしょう。ちなみに三菱一号館美術館はストールを貸し出してくれますよ。

以上、作品保護は文化遺産を守るという点で全ての人の義務なのでNG行為はやめましょう。

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