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記憶の底からこんにちは その1

子どもの頃の記憶で、今でも深く残っているものが幾つかあって、ふとした時に記憶の底から急に浮上してくる。

母方の祖父母の家に親戚が集まることが何度かあった。

同じくらいの子どもたち数人が雑魚寝をするのがとても楽しくて、ふざけて笑い転げあっていた。

はじめて会った親戚の子がほとんどだったが、子ども特有のすぐに打ち解ける親近の情で、寝る頃には仲良くなっていたから、その雑魚寝がとてつもなく面白い体験だったのだ。

母方の祖父母の家は思い出が深くて、どこに何があったか、今でもすべて思い出せる。

弟とままごとをした居間や、弟と昼寝をした仏間、祖父母の寝室で、祖父と祖母と母と弟と朝食を食べたのは、最も幸せな記憶のひとつだ。

戦前生まれにしては珍しく、祖父母の朝食は決まってパンだった。

分厚い食パンをトーストして、箸で穴を開けて(お行儀はちょっと横に置いておいてよ)蜂蜜をかける。

フルーツはキウイが多かった。そして炒めたシャウエッセン。すべてが懐かしい。

自分の娘にも、そんな思い出が作られますように。

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