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お風呂事情の今と昔〜君たちは薪風呂に入ったことがあるか

地元がどれだけ田舎か、職場でみんなで談笑。
みんなの田舎話を聞けておもしろかった。
山の民の私は、海の女たちの話が新鮮でうきうきした。
そんな中私の実体験を話したところ、みんなにとっても驚かれたので、こちらでもご紹介させて頂く。



実家は母屋と離れがあって、両親と私たち兄弟は離れに住んでた。
農家だった我が家は昔から建ってる古いおうちだった。
今でいう古民家ってやつ。
田んぼも畑も山もあって、もちろん蔵もある。
私が生まれる前は鳥小屋があってにわとりもいたらしい。
昔ながらの土壁の家で、もちろんドアではなく重たい木の引き戸。
土間ももちろんあった。
しかも、土間の下には芋壺とかいう保管庫があった。
確かじゃがいもがゴロンゴロン入っていたような…?

私が小さい頃は9人家族で、みんなで大きい座卓を囲んで食事。

田植えはみんなで手植え。
田植え紐という、目印になる紐を田んぼに通し、その目印にそってみんなで植える。
田んぼに足を突っ込むときのあの感触、いまだに覚えている。
そういえば蔵には千歯扱きや唐箕(とうみ)もあったな。
どれも歴史の教科書で出てくるやつ。
ちなみにばあちゃんはもんぺを愛用してた。

トトロに出てくるカンタのおうちをイメージして頂くと分かりやすいだろうか。
私自身、85年(昭和60年)生まれなので、どれも85〜2000年代のこと。
そう考えると、やっぱり田舎だよなー。

実家のお風呂のお話。

お風呂は外にありました。
夜は庭を横切ってお風呂まで歩いていきます。
ジュラシックパークを見た夜は、真っ暗な山から恐竜が出てくるんじゃないかと、ダッシュでお風呂まで駆けていったのを覚えている。

浴槽は深めのステンレスだった。
床は黒めな丸石のタイル張り。床が硬いからお風呂マットしいてね。
小さい頃は九九のお風呂マット置かれてた。
今なら昭和レトロと呼ばれそうなお風呂。

ちなみにもちろんシャワーなし!
湯船のお湯を洗面器ですくいながら泡を流してた。
洗面器も途中からプラスチックの軽いのになったけど、幼少期はステンレスの大きな重たい洗面器で、とっても重くて片手でお湯をすくうのが大変だった。

ところでみなさま、「湯かき棒」ってご存じ?

湯舟のお湯をかきまぜる道具のこと。
今も売られているのかな?
我が家のお風呂は、水道水を湯船に貯め、薪でお湯を沸かしてた。
風呂場の入口の横にある薪ボイラーに薪をくべて、ボイラーを点火させてお風呂に入る。
お水を循環させて温かくなっていため、上がとっっっても熱くて、下はとっっっても冷たい。

足とか手で混ぜたら?とか思うでしょ?
でもね上部は火傷しそうなくらい熱いの。
上がちょうどいい熱さでも、下は水だったりするの。
だから必ずお湯を湯かき棒でかき混ぜてから入る。
小さい頃は、水中でかき混ぜ棒のお皿のところにお尻を乗せて、即席ブランコしてもらってた。懐かしい。

薪で炊いてたと言うと、「五右衛門風呂?」と聞かれることが多い。
違うんです、床は熱くないのよ。薪焚きのお風呂ね。

火ばさみを使って蓋を開けて薪を入れるんだよ


お風呂に入る前に薪をくべて、点火スイッチを入れる。
薪は入れなくても灯油で火はつくんだけど、タイマーが切れたら火が消えちゃうから、窯の中に薪を何本かくべておくと、とろとろ燃えてずっと温かいお風呂にはいれる。
熱くなりすぎたら点火をオフにして、蛇口をひねって水を足す。
水を入れ過ぎてぬるくなったら、次に入る人のために薪を少し足す。
火をつけたらゴーって音が鳴って、煙突からけむりが出るんだよね。
そして薪が燃えたら灰がどんどんたまっていくので灰をかいて落として、溜まってたら掃除。
それを大人も子どももみんなやってた。
休日は祖父や叔父が裏の山から木を切ってきて、薪割りしてたなー。
田舎育ちはみんな働き者だなと心から思う。

親戚のおうちにはシャワーがあって、正直羨ましかった。
始めてお友達の家でお風呂を借りたときは「シャワーって勝手に使っていいものなのかな?」と幼心にどきどきしていた。

本当に古いおうちだった。
私が大学進学と同時に地元を離れて、その数年後に実家も建て替えたため、もうそのお風呂も土間も残っていないけど。
今思えばとっても大変な生活だったなあ。冬はお湯が出なくて、顔を洗うのも大嫌いだった。
私がキャンプや焚火に誘われても、あんまりテンションが上がらないのは、そんな幼少期の原体験があったからかもしれない。

こんな話を会社で同僚にしたところ、とっても驚かれた。
「うち田舎なんで~」が謙遜ではなかったことを認めてもらえた。
むしろ「なぎおさん大変だったんやね…」と同情してもらった気が。
いやしかし、もう薪で風呂に入るのは無理だ。
蛇口をひねったらお湯が出るなんて、どんな天国なの…。
ボタンひとつで湯船にお湯が張れるなんて。
ああ、文明の利器って素晴らしい!

以上、私の田舎紹介でした。
いろんなことを思い出しながら書いたから、なんだか楽しかった。
今度帰省したときに、両親や姉とも話してみよう。

またいつか田舎エピソードを書き殴ろうかな。
うーん、やっぱ虫系になっちゃうから、閲覧注意にしないといけないかも。

次回、
「私がカエル嫌いになった理由」
「卓球台一面のカメムシとの闘い」
「天井から肩にムカデ」の三本(未定)です。
タイトルだけで嫌になりますね!また見てくださいね〜😄


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