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wantの前にcan(3)

私にとって大切な宝物のノートがあります。

それは、41年前、大学4年の就職活動で、毎日書いていた就職日記です。
社会人としての私の原点で、今でも時々読み返していますが、忘れかけていた大切なことに気づいたりアイデアが浮かんできます。

大学入学と同時に勉強する意欲を失い、講義をサボりにサボって、趣味の写真と資金を集めるためにアルバイトに明け暮れる毎日でした。
出席日数は全科目ギリギリ、成績もギリギリで履修。大学で勉強した記憶が一切ありません。

でも、先輩たちが志望の会社にことごとく落ちているのを見てきていましたから、私はそれ以上に就職活動で苦戦することは目に見えていました。
そこで私が就職活動で行ったのは、社会人になるということはどういうことか?を社会人の先輩たちに聞いて理解することと、そのために今から出来るようになっておかなければいけないことは何かを見極めて取り組むことでした。

就職活動のやり方もノウハウも整備されていない時代でしたから、なんでもありでした。
しかし、多くの同級生や先輩が、就職ではなく就社を目指して、活動中も社会人になってからも、不安や焦りを感じていました。

だから私の就職活動は、就社でもやりたいこと探しでもなく、「出来ることを増やして社会人の準備をすること」でした。

就職日記は、自分の毎日の活動を記録したり、考えをまとめるために書いていました。何をやっても長続きしない、根気のないことが私の短所でしたが、この日記は、第一志望の企業に内定し、正式に採用が決まるまで7ヶ月毎日欠かさず書きました。

「書いて伝える」「書いた内容をもとにわかりやすく話す」「書きながら考えを深める」ためのトレーニングを目的にしていたことが続けられた理由です。

そして、この日記によって「書く」「話す」「じっくり考える」という苦手を少し克服することができました。

やりたいことの前に自分ができることは何かを見極める

出来ることがなければ出来るようになるまで自分なりの方法や工夫で克服する。

その過程を記録し、検証しながら改善と向上を図っていく。

私の原点がここにあります。
やりたいことの前に出来ること、出来ないことを見極める

就職活動をこの考え方を大切に行ったことは、社会人として歩むための軸になりました。そしてその後も記録にこだわり記録から様々な気づきや工夫、夢や目標の実現に繋げています。


時代に逆行しているように見えますが手書きの記録は、「私のこだわり」であり「私だからできること」を見極める上で欠かせない日常の鍛錬になっています。

「逆境の心得」
逆境にあってはジタバタせず
抜けがけの功名を得ようともせず
自分と他人とを比較せず
わき見をせずにすたすたと我が道をひとりで歩むべし(森 信三)


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