終活(ライフエンディング)市場を調べてみた
私は普段、エイジテック分野の商品を開発していることもあり、終活市場に興味を持ちました。今回は、終活市場について自分なりに調べたことをnoteに書きたいと思います。
そもそも終活とは?
終活の定義
調べたところ、以下のような定義のようです。
「人生の終わりに向けて、前向きに準備することで、今をより良く生きる活動のこと」
私は、もう少しネガティブなイメージがありましたが、思ったよりもポジティブな定義でした。確かに、人は死を意識してはじめて生を実感するということを聞いたことがあります。また、現時点では死は誰しもが訪れる未来です。
終わりよければ全てよしという言葉もあるので、とても良い活動だと思い直しました。
エンディングノートとは
終活の際には、エンディングノートを作ることが多いようです。良く比較されるのは遺言書ですが、遺言書とはまた異なるようです。遺言書には法的効力がありますが、エンディングノートにはありません。
では、エンディングノートには何を記載するのか。
下記のようなことを主に記すようです。
契約しているサービスのID,パスワード
介護や医療についての価値観
葬儀やお墓の希望
保有財産や債務等のお金関係
家族へのメッセージ
他にももっと細かい項目はありましたが、大まかにはデジタル関連の個人情報や介護・医療やお金関係のことが多いようです。
ビジネスで見ると定義が広い
以上のように、終活は死ぬ前の行動のことを指すようですが、終活市場というときは葬儀や仏壇等の亡くなった後のことも含まれるようです。
実際に、市場として大きいのは、恐らく亡くなった後の領域だと思われます。葬儀は1兆6000億円で、法事・仏壇は2兆円もの市場規模があるようです。
市場に変化が生じている
自由化・小型化の流れ
終活の一つに、自分のお墓を探すというのもあるようです。従来は、お墓のルールは決まっていました。家族と一緒に入るというのがほぼ確定的だったため、探すも何もないという状況だったのだと思います。しかし、核家族化,離婚率・未婚率の上昇等からわかるように、血統だけではコミュニティとは呼ばなくなっています。
そんな中、自分で自分のお墓を探すという行動が生まれています。最近の事例では、一つの古墳に複数人が入るというお墓の形も出てきたようです。
このように実質的にお墓の自由が出てきたことで、終活がある種のコンテンツになっているように考えられます。
この他にも、ライフエンディング市場大手の鎌倉新書が調査したところ、同社のサイトからの申し込みは、家族型の一般墓が約20%まだ落ちているのに対して、継承者不要型の樹木葬が50%を超えたとのこと。さらに、お墓だけでなく、葬儀の自由化・小型化も進んでいます。
小さなお葬式というワードを聞いたことはありませんか?よくCMをしているため、聞いたことがある人も多いと思います。そこからもわかるように、家族葬という「家族のみで行う葬儀」が一般化しています。
それほど、封建的習慣から個人主義の流れがお墓に大きく影響しているようです。
デジタル化
他の業界と同様、デジタル化の流れも押し寄せています。
株式会社ライフデザインテクノロジーズは、以下のような事業を展開しています。
・葬儀会社向けスマート葬儀SaaS
・葬儀会場やお坊さんの紹介サイト
先に紹介したライフエンディング市場大手の鎌倉新書も以下のような事業を展開しています。
・お墓サイト「良いお墓」
・相続サイト「良い相続」
また、デジタル化は、葬儀やお墓を選ぶという利便性を向上したため、先に書いたお墓な葬儀の自由化にも寄与していると考えています。
エイジテックは前倒しの流れがある
シニア就労については就労期間の延長という後ろ倒しの流れがありそうですが、ヘルスケアでは、治療から予防が浸透し、アクティブシニアの時からの準備が必要になります。また、ライフエンディングにおいても「終活」というワードからも分かる通り、アクティブシニアの時からお墓や葬儀について考えることが一般化します。
アクティブシニア向けサービスは、今後分野横断的な企業がより求められるのではないでしょうか?就労・終活・健康維持が同時(アクティブシニア期間)に行われる世界線がきているのかと考えています。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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