浅野正の第三回公判は、被告人の母の証人尋問だった。
被告人は、事件前年から、気分が落ち込む、動けないなどの症状を訴え、妻や次女への恐怖を口にしていた。妻は既に別居しており、母親が登戸のマンションに来て、世話をしていた。
しかし、殺人を行う気配は、全く見せなかったようだ。

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