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東京都連続強姦事件公判傍聴記・2022年3月17日(被告人:石津佳明)

2022年3月17日
東京地裁第11刑事部
528号法廷
事件番号:令和3年合(わ)第212号
罪名:強制性交等
被告人:石津佳明
裁判長:神田大助
裁判官:向井亜紀子
裁判官:池田翔子
書記官:高橋純明

9時52分に、入廷が許される。傍聴人は9人来ていた。
弁護人は、髪の短い30代ぐらいの男性一人。
証言台の前には、衝立が立てられている。
被告人は、髪がぼさぼさで、長めのくせ毛の40代の男性。がっしりとした体格である。白いマスクをつけている。紺色の厚手の長袖の服を、上下できている。手錠を外され、手を組んで伸びをしてから、被告席に座る。座ってからも、体をしきりに動かし、ほぐしている。深呼吸し、伸びをする。後ろを向いて、弁護人に話しかけている。マスクを少しずらし、顔をゆがめる。非常に多動な印象である。
参加代理人の弁護士は、髪の短い中年男性。
検察官は、髪を真ん中で分けた、童顔風の青年。もう一人は、中肉中背の40代ぐらいの男性。
弁護人は、検察官から書面を渡され、その書面を被告人に見せる。被告人は、体を捩って後ろを向き、書面を読み、小声で何か話している。頷いてもいる。
10時より、公判は開廷した。

裁判長『午前中、開廷する。証人尋問。甲20号証は』
弁護人『同意します』
裁判長『採用し、取り調べます。・・・それでは、証人尋問を行います』
衝立を、証言台前の衝立迄引いて、出入り口から証言台迄を、傍聴席から見えないようにする。こうして、証人は証言台の前に立つ。
裁判長『名前は、カード記載の通り』
証人『はい』
裁判長『宣誓を』
証人『宣誓、良心に従って真実を述べ、偽りを述べないことを誓います』
偽証罪についての注意、裁判長より行われる。
証人はBさん。この事件の被害者は、Aさんと呼ばれる。まず、中肉中背の中年男性、イナガワ検察官が証人尋問に立つ。

<イナガワ検察官の証人尋問>
検察官『Aさん、貴方の友人』
証人『はい』
検察官『問題は』
証人『はい』
検察官『どんな事件』
証人『強姦です』
検察官『被害者は』
証人『Aさん』
検察官『被害、誰から聞いた』
証人『えっと・・・』
検察官『聞いたことは』
証人『Aさんから聞いて』
検察官『Aさんに聞いたこと、最初に聞いて、会って話しした』
証人『電話でです』
検察官『電話プッシュ』
証人『アプリを使って』
検察官『LINE』
証人『はい』
検察官『経緯訊く』
証人『はい』
検察官『どこにいた』
証人『家にいました』
検察官『Aさんは、居候』
証人『はい』
検察官『貴方は』
証人『友人と電話をしていました』
検察官『気づきは』
証人『不在着信あったので』
検察官『バイブ』
証人『はい』
検察官『Aさんの着信』
証人『はい』
検察官『画面に』
証人『もどって、不在着信を確認しました』
検察官『日にちは』
証人『10月中』
検察官『昨年の。時刻は?』
証人『9時ごろだったと』
検察官『午前』
証人『午後』
検察官『電話は、Aさんは』
証人『すぐ出ました』
検察官『何と言ってきた』
証人『助けてほしい、声震えていたので』
検察官『Aさん、助けてと』
証人『はい』
検察官『どうしたのと、それで』
証人『すぐ行きました』
検察官『歩き』
証人『自転車で行きました』
検察官『合流できた』
証人『はい』
検察官『話は』
証人『逃げてて、足もくじいてたし、軽く(聞き取れず)』
検察官『何と言っていた』
証人『ビデオとられた、知らない人にされた、とか言ってました』
検察官『何されたと』
証人『無理やりやられて、中出しされて、ビデオ迄とられて、逃げたら殺すと云われたと云っていました』
検察官『A言っていたこと』
証人『はい』
検察官『Aさんの説明』
証人『はい』
検察官『どう思った』
証人『すごいこと起きた、まず、交番行こうって思いました』
検察官『どういった』
証人『二人乗りで向かいました』
検察官『貴方運転、Aさんが後ろ』
証人『はい』
検察官『どこ行った』
証人『まず、駅に向かおうとしたが、もしかしたら居るかもしれないって、別の方へ向かいました』
検察官『誰が』
証人『Aさんが、犯人居るかもと』
検察官『交番でのAさんの話、聞いていない』
証人『はい』
検察官『時間は』
証人『5分~10分ぐらい』
検察官『添付資料示します。(証言台の上に置いた様子)話した時に確認』
証人『はい』
検察官『Aさんの携帯画面』
証人『はい』
検察官『2021年10月27日とあり、21時5分。キャンセルした。これ、貴方話してくれた、その記録』
証人『はい』
検察官『21時5分、これ、貴方と話した』
証人『はい』
検察官『この電話のやり取りは』
証人『21時5分が、来てほしいと、9分のやり取りが、今どこにいるけど、何処にいるって』
検察官『5分10分以内に交番に行っている』
証人『はい』
検察官『Aさんの話していたこと、無理やりされた、中出しされたと。場所は』
証人『Aさんの働いている店の三階と』
検察官『相手は』
証人『男性の客と、女性の客がいて、女性の方とすぐ仲良くなって、三階に行ったと』
検察官『其日に聞いた』
証人『はい』
弁護人は、被告人に記録を見せ、何か話をしていた。

<弁護人の証人尋問>
弁護人『現場のアパート』
証人『行ってないです』
弁護人『事件目撃してない』
証人『はい』
弁護人『被告人と面識』
証人『ないです』
弁護人『Aさんとのみ知り合い』
証人『はい』
弁護人『専門学校からの知り合い』
証人『はい』
弁護人『平成21年6月から付き合い』
証人『はい』
弁護人『6年間』
証人『はい』
弁護人『仲いい友人』
証人『はい』
弁護人『Aさん、昨年9月より、家に居候している』
証人『はい』
弁護人『なぜ』
証人『Aさんが、元々彼氏と同棲していたが別れて、くれば、と一緒に住んでました』
弁護人『元々は彼と』
証人『一緒に住んでた』
弁護人『家近かったから』
証人『はい』
弁護人『Aさん、ポップコーン屋とガールズバーで仕事をしている』
証人『はい』
弁護人『Aさんから聞いた』
証人『はい』
弁護人『被害にあったの、ポップコーン屋三階』
証人『はい』
弁護人『なぜ上がったか聞いた』
証人『全てではない』
弁護人『一部聞いた』
証人『はい』
弁護人『被告人、Aさんのガールズバーに同伴する話あった』
証人『はい』
弁護人『Aさんと相談』
証人『ないです』
弁護人『警察に話さないでって言われた話は』
証人『ありません』
弁護人『Aさんから、被告人と一緒にいた女性と連絡先交換したと聞いた』
証人『連絡先、逃げてるとき、消したと聞きました』
弁護人『誰と交換したと聞いてない』
証人『はい』
弁護人『いつ消した』
証人『逃げてるときに、怖くて消した』
弁護人『終わります』

<裁判官の証人尋問>
裁判官『Aさんと合流し、Aさんの様子は』
証人『表情不明ですが、結構泣いてて、焦り、怖いという感じだったと思います』

<裁判官の証人尋問>
裁判官『Aさんの様子見て、どう思った』
証人『すごい状況だったんだろうなと』
裁判官『Aさんから、中出しされたと』
証人『はい』
裁判官『本人言ってた』
証人『はい』
裁判官『ポップコーン屋の三階に行ったとき、同い年の女性と仲良くなって、連絡先、男と女、どっちと交換したか分からない』
証人『はい』
裁判官『三階に行ったの、同伴のため?』
証人『その男性付いて来たのか、ちょっと詳しくは・・・』
裁判官『詳しくは聞いてない』
証人『その経緯は解らない』
裁判官『Aさんと事件の話』
証人『ないです』

<裁判長の証人尋問>
裁判長『Aさん、足をくじいていたと。その様子は』
証人『逃げてるときに、捻ったと』
裁判長『びっこひいている』
証人『歩き方まで分からない』
裁判長『今はAさんと住んでいない』
証人『違います』
裁判長『いつまで一緒に?』
証人『1月末から2月の頭には』
裁判長『今年の』
証人『そうです』
裁判長『一緒に住んでいた間、事件について話は』
証人『実家に警察の方いらしたとか、家に来たとか聞きました』
裁判長『事件の詳しいこと』
証人『話してないです』
裁判長『お疲れ様でした』

被告人は、じっと目を閉じ、手を組んで、証言を聞いていた。衝立がとれると、そちらを見ていた。弁護人は、記録を被告人に見せ、被告人は何か言っていた。
甲21号証が採用される。写真が添付された捜査報告書である。
甲4号証~7号証については、引き続き検討する。
次回は、3月29日であり、罪体についての被告人質問を行う。
12時までの予定だったが、10時30分に終わる。
被告人は、閉廷後、弁護人と話をして、退廷した。


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