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#11 公共施設に漂う「違和感」はどこから来るのか?

これを読んでくれているみなさん、自分たちのまちで訪れたり利用する公共施設に「違和感」を感じることはありませんか?

今回のテーマはこんなことについて触れてみようかと思う。

僕は、公共施設をもっぱら専門とした仕事をしているので、 一般的な人と比べて、公共施設に対する感受性が変に捻じ曲がっているのかもしれない。
毎日のように接している公共施設なのだが、そこにあるのは違和感だらけ、みたいなことを常々感じている。

我がまちにある公共施設も決して例外では無いのだが、全国津々浦々にある公共施設を巡っていると、大抵の場合、そこに大きな違和感が存在する。

この違和感がどこから来るのか?なぜそんな違和感を感じるのか? そんなことについて、 今回は少し深掘っていこうかと思う。

立派さに見る「違和感」

新しく建てられた公共施設、中には有名建築家によって綺麗にデザインされたものもあるが、その外面的なキラキラ感とはウラハラに、大抵の公共施設で中身はガラ〜ンとしてたりする。

(都心にある立派なビル群は例外なのでここでは除外するとして)やたらと高そうに感じる建築単価(実際にかなり高い)だったり、なぜ必要なのか分からない大きな吹き抜け(最近の庁舎建築はほとんどそう)があったり、人口密度が異常に低い共用部(交流スペースとか謎の名称が付いていることもw)が確保されていたりとか、必要以上に立派な公共施設が世の中にには氾濫している。

これが例えば1泊何万円もするような高級ホテルとかだと、その立派さに納得感もあるというものだが、公共空間で提供されている公共サービスの単価と、ハコモノの立派さのギャップに違和感を感じないだろうか?

何億円もかけて整備した公共施設の中で、客単価数百円の公共サービス(場合によっては無料)が行われているということが、世の中の常識だと言わんばかりに平然と行われている公共施設って・・・ここに僕は「違和感」を感じずにはいられない。

無色透明な「違和感」

一つ一つの内装をとってみてもそうなのだが、 公共施設には、色のない空間が多く存在する。
白っぽい壁に無機質な床、こういったハード的な無色透明感はまだわからなくもないのだが、ことソフト面における無色透明感は、闇が深い。

・目的があるような?ないような?どこにでもある多目的室。
・スペースの穴埋めになんとなく作られたラウンジ的なスペース。
・大した特徴もなく、安っぽい商品だけが並べられた物販スペース。
・どこでも食べられるような料理しか提供されていない飲食スペース。
・見る気も起きないような適当な展示が並べられたギャラリー風スペース。
・・・無色透明無味無臭の例を挙げていくとキリがないので今回はこれくらいにしておこう(笑)

一方、民間主導のサービスでは、提供するコンテンツや空間をいかに他者と差別化するか(ディズニーリゾートやUSJなどがその典型例)ということが勝負の分かれ道なのだが、こと公共サービスにおいては、全国どこを訪れても金太郎アメのようなサービスであることが多い。

中身のコンテンツが薄いのに(あったとしても、どこにでもあるような均質なサービス)に、無駄に空間だけは広くて無機質という無色透明感が、 「違和感」の一つではないだろうか。

需要と供給のギャップに見る「違和感」

行列の絶えない公共施設なんて世の中に滅多にないし、現代社会において、利用者が右肩上がりに伸びている公共施設というのはなかなか珍しい存在である。
(もちろん中には存在するのだが、かなりのレアケースだろう)

このギャップってどうして生まれるのだろう?
行政マンがマーケット感覚や経営感覚に長けていないと言えばそれまでなのだが、その多くは情報のミスリードであったり誤った幻想(ハコモノ建てたら人口が増えたり、経済が活性化するとかみたいなやつ・・・)から来るものだと思われる。

行政組織というのは、(右肩に下がり続ける)悪い将来だけを推計することは許され難いのだが、縮小時代となった今、もう少し現実を正しく見据えても良いのではないかと感じるところだ。

とはいえ、そこが足りていないのが行政組織ということで、こういった部分についてはその道のプロにアウトソースすることも一つの方法だと思う。
その際に、よく登場してくる名うてのコンサル(彼らがミスリードの元だったりすることも・・・)を重用するのではなく、有能なエージェントやマーケターを登用することの方が、よっぽど賢い選択ではないだろうか。
(幻想を抱かせるのがコンサルの一つの特技だし、行政は特に騙されやすい顧客だからねw)

このあたりのギャップが少ない公共施設ばかりであれば、自治体経営はそれほどひどくならないのだろうが、それがほとんどできていないというのが公共施設の実態なのだ・・・

最後に、お知らせを兼ねて

さてさて、公共施設に漂っている「違和感」なのだが、実はほかにも「違和感」はいっぱい存在する。
ここでは書き足らないことも多いのだけど、今回の続きは以下のトークイベントにてぶっちゃけることにします。

「ここが変だよ、公共資産経営 〜公民連携エージェントから見る公共のリアル〜」

日 時:2023年7月9日(土)15:00〜17:15
場 所:千葉県流山市 スターツおおたかの森ホール
登壇者:岡崎正信氏(岩手県紫波町オガールで有名なあの岡崎さん)
    三宅香織氏(元倉敷市職員で通称FMの女王)
    川口義洋(筆者)
現地リアル参加とオンライン視聴の2種類のチケットを用意しています。

ここが変だよ、公共資産経営 〜公民連携エージェントから見る公共のリアル〜

↑チケットはこちらからご購入できます。

おそらくここでしか聞けない話、リアル参加でしか聞くことができない毒舌トークに溢れた現地交流会・・・公共施設の本音トークをお楽しみに。

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