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読書日記「月の立つ林で」青山美智子

ねぇ、本の帯って読むタイプ?


私はジャンルとか内容がざっとわかるし帯の文言で惹きつけられたりするから見ることは見るんだけどさ「泣けます!」とか書かれてると、うーん、若干、やめて〜と思う。


「泣くか泣かないかは私が決めるから!」とあまのじゃくに思ったり、読みながら「泣ける場面ってこのへんのこと?」とかチラチラ考えてしまうから。


この本の帯にもそういう感じのことが書いてありましたね。でも、まぁ泣くか泣かないかは本人の自由なので。


「お探し物は図書館まで」とか「赤と青のエスキース」で本屋大賞に入賞してたはず。個人的な好みでいうと、すっごく好きではないけど(素直なお話が多いので)安心して読める作家さんという感じです。



「月が最初と変わらずにずっとそばにいたら、地球は今ごろどんな星だったんでしょうね。(中略)自転軸の傾きを安定させてくれたり、重力で地球が穏やかに過ごせるように助けてくれて、今は今で、ちょうどいい感じなんだよな。だから、少しずつ少しずつ離れていきながらも、そのときのお互いに一番合った状態で関わり続けてくれてるんだなぁって、僕は思うわけです」


天体って詳しい?わたしよくわかんない。でも、わたし達の実家はめちゃくちゃ星がきれいに見えるじゃない?わーいいなー!って思って空を眺めてたら、お母さんが「何してんの!隣の犬が吠えるから早く家に入りなさい!」とか言ってさ、ぜーんぜん情緒ないの。今度むっちゃんちに行って見ようかな?


「どうして月がお盆のように見えるかというと、レゴリスという、月の砂のおかげなんです」
(中略)
月はこの、レゴリスという細かい細かい砂に一面覆われているらしい。それが太陽の光を四方八方に跳ね返し、粒子同士も反射し合ったりして、、輝きを増す。その光の散乱によって、遠く離れている地球からも緑まで明るく見えるのだという。


知らなかった!というか、明日には覚えていなそうな話なんだけどさ、ちょっと「おー!」と思うでしょう?



どんな状況も、私たちには、良い悪いとすぐにジャッジすることなんかできないのかもしれない。物事はいつも、ただ起きる。そして私たちは、起きていることが自分にとって、みんなにとって「いいこと」になっていくようにと、願い、信じ、行動するだけだ。


うん、やっぱりきれいでいいお話だった!こういう素直なお話もすーっと沁みるようだから、たまには読んでみてほしいな。



抜き書きの量と面白さは必ずしも比例しなくてさ、台詞としてグッとくる表現が多い場合もあるし、その本が持ってる世界観がいいとか、ふつうの言葉なのにそれを言うシチュエーションがいいとか、そういう場合もある。



次に紹介するのはまさにそんな感じの本だよ。でも大好きな作家さんだから、まだ読んだことなかったらぜひ試してみてほしい!


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