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映画は2回3回と繰り返しみると面白さが増す【メメント】映画♯106




メメント    2001年/アメリカ




【ストーリー】

10分間ほどしか記憶を保てない短期記憶障害を患っているレナードは、彼の妻を殺した犯人を探している。手がかりになるのは記憶を無くす前に残したボラロイド写真、メモ、身体に入れたタトゥー。



【解説というか、レヴューというか】

分解された時間軸で進むストーリーに、何と何処のエピソードを繋げたからいいのか、洞察力が鍛えられます。だから結末は非常に複雑。観る人によって解釈が分かれる。



以下ネタバレ

映画の始まりを見ればレナードはなぜテディを殺したのか?がベースとなるはず。なのに途中で妻殺しの犯人は誰?に話しの筋を変えられてしまう、そんな罠が仕掛けられている。

視聴者はテディが何をしたか知りたいのにレナードの物語を追う事で、すっかり妻殺しの犯人を一緒に探してしまうのです。話しの結末では自分が犯人であり、妻を誤って殺めた事に気づく。短期記憶喪失により、自分の行動や記憶を制御できず、何度も同じ行動を繰り返してしまっていたからだ。

あやふやな記憶同士を繋げて作られる現実は虚構を産むという終わり方。サブテキストとなる人の脳の複雑さというテーマに迫り、観る者に記憶の曖昧さを体験させてるのです。




確か公開当時はパルプフィクションの二番煎じだとか言われてたけど(今も言う人がいる)そんなの絶対に違う。理屈抜きにしても観てるだけでめっちゃ感性が高まる一本です。


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