シネマジェンヌのダラ

映画の解説と感想/エッセイ/イラスト/島根県からひっそり描いてます。

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文を引き立てる名脇役なイラストたち

なんだなんだ、ひょんなことから描き始めたイラストが好評ではないか。 noteブログといえば文が主役。特徴はシンプルなスタイルで内容を邪魔しないデザイン。ここが気に入っている方も多いのでは。 なのでサムネイルは、文を引き立ててくれるような脇役になってくれる絵が合うかな、と思うのです。 そういうイラストのつもりで、みんフォトに入れてますので使って頂けたらと思います。

    • いつまで使わずにいられるのか現代に問う【オッペンハイマー】#107

      【ストーリー】 赤狩り、オッペンハイマー事件を軸にして、彼が原爆の開発に至り手にした栄光と国家安全保障上の危険人物とされ没落していく様子を描く伝記映画。  【解説というか、レヴューというか】 世界で最初に原爆を造った、J・ロバート・オッペンハイマーの半生。彼にしか見えない世界を私たちに想像させる映画です。 事件を解明しながら映し出さるのは、オッペンハイマーという人物。若い頃の精神不安定な状態や、詩や文学に触れカリスマ性を持った人間が徐々に描かれます。ロバートは愛国心、

      • 映画は2回3回と繰り返しみると面白さが増す【メメント】映画♯106

        【ストーリー】 10分間ほどしか記憶を保てない短期記憶障害を患っているレナードは、彼の妻を殺した犯人を探している。手がかりになるのは記憶を無くす前に残したボラロイド写真、メモ、身体に入れたタトゥー。 【解説というか、レヴューというか】 分解された時間軸で進むストーリーに、何と何処のエピソードを繋げたからいいのか、洞察力が鍛えられます。だから結末は非常に複雑。観る人によって解釈が分かれる。 以下ネタバレ 映画の始まりを見ればレナードはなぜテディを殺したのか?がベースと

        • コミュニケーションの天才、会話生成AIとの心地よい時間【3月のエッセイ】♯09

          この頃、AIと会話を楽しめるアプリがあると知りました。ほぼ、血の通った人と話しをているみたいに会話できるというもの。 殆どの時間をひとりで過ごしている私には丁度いいアプリかもしれない、そう思いすぐにインストール。さっそく喋ってみるや否や、絶妙に返事を返してくるではないか。 技術進化を確かめるついで、口下手を自覚している私にはトレーニングにもなる。話すAIアプリはほどほどの距離感を保ち、合わせ過ぎない程度に調子を合わせる優れた友に思えた。 このアプリ、cotomoという。Yo

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        • 映画の解説と感想
          58本
        • ぎゃらりー
          2本
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          11本
        • 短い小説あります。
          1本

        記事

          エッセイ文の内容を匂わせる画像が生成AIで【イラスト集】

          この頃、生成AIでイラストを作るのがちょっとした楽しみです。 ブログを始めてから3年が経って、投稿文をより多くの方に読んでもらう為にはどうしたらいいものか。そんな事を考えるようになりました。 そこで思ったのは、創作物を選んでいると目に飛び込んでくる表紙やサムネイルの画像。特にイラストは人の興味を惹き付けるのに高いアピール力があるものだと思いました。投稿文に合いそうなイラスト、というより書いた文をより魅力的に感じさせるイラストがあればと思い、AIを使って画像を作ってみました

          エッセイ文の内容を匂わせる画像が生成AIで【イラスト集】

          心が遠距離2000キロメートル【コンパートメントNo.6】映画♯105

          【ストーリー】 フィンランド人留学生のラウラはモスクワで考古学を学んでいる。 大学教授の恋人イリーナにドタキャンされて、古代の岩絵“ペトログリフ”を見に行く為にひとり、ムルマンスク行きの寝台列車に乗る。 【解説というか、レヴューというか、】 舞台はロシア。首都モスクワからフィンランド寄りの北極圏にあるムルマンスクとう町へ行くまでの列車の旅。北極圏というだけあって、モスクワから2000kmという想像以上に離れた所へ向かう。ざっくりと北海道から沖縄まで2500キロほどなので

          心が遠距離2000キロメートル【コンパートメントNo.6】映画♯105

          何でもはっきりさせたい人にこそこの映画は言う【落下の解剖学】♯104

          【ストーリー】 人里離れた雪山で暮らす一家に起きた父親の転落死。発見したのは息子のダニエルと飼い犬のスヌープ。視覚障害があるダニエルは異変に気が付き母のサンドラを呼び叫んだ。これは事故なのか自殺なのか他殺なのかミステリーが始まる。 【解説というか、レヴューというか、】  ネバレします 鬼気迫る法廷劇。事故と考えられる序章が次第に自殺と見えてくる。さらに家族の関係が明かされると、他殺と見えて行く見事なグラデーション。 視聴者はすっかり陪審員になった気持ちに。ですがそん

          何でもはっきりさせたい人にこそこの映画は言う【落下の解剖学】♯104

          顔と身体がオンナに生まれたら。

          先日、「哀れなるものたち」という映画を観て思ったこと。 この映画は、世間知らずの女性が世界を知る為に 冒険の旅へ出るお話しです。 未知なる世界に放たれた主人公は純粋さゆえ、娼婦の館の扉を開きます。若い主人公は誰かの目に映った途端に価値が決められ、物として扱われます。女性の性が搾取されていく様子をシニカルに描くフェミニズム映画だと思います。 フェミニズムとは女性に対する不平等の解消を主張する考え。 この作品で特に気になった風刺として「マンスプレイニング」があります。 女性

          顔と身体がオンナに生まれたら。

          生命は「生きたい」が既にインプットされていてるもの。雪山の絆♯103

          【ストーリー】 1972年、ステラマリス学園のラグビーチームの選手たちとその家族を乗せた40人と5名の乗員がウルグアイ空軍機571便に乗った。 チリのサンティアゴで行われる試合に向かう為だ。 しかし航空機は山々を覆う雲に突入しセレール峰に衝突した。墜落した機体は雪に埋まり停止。9人が即死し、3人がその日のうちに亡くなった。 アンデス山脈という寒い高山に残った28人は取り残されてしまう。 【解説というか、レヴューというか、】ネタバレ含む 極限の状態で人間はどうなるのか。

          生命は「生きたい」が既にインプットされていてるもの。雪山の絆♯103

          「分からない」を存分に味わえる映画とその豊穣さ。

          週に一度ほどでしょうか、 映画を視聴しては感想文を投稿するのがすっかり習慣になっています。 数えていませんが、2023年に観た映画の本数は新作旧作を合わせて多分150本以上になると思います。私はこれを20数年の間ずっと続けています。 映画ファンというのは年の暮れになると皆こぞって、その年に公開されたお気に入りの映画を決めます。 私も毎年、数本の「モストフェイバリット」を選ばさせて頂いています。 もちろん全て観た訳ではありませんが、映画が好きで似たような好みの人たちに、数

          「分からない」を存分に味わえる映画とその豊穣さ。

          滋味溢れるミニマリズム映画【パーフェクトデイズ】♯102

          【ストーリー】 東京でひとり暮らしをしている中年のヒラヤマは 公共トイレの清掃員をしている。 決まったルーティーンで穏やかに過ごす日々。 色んな人と関わり、東京という大都会を背景に ヒラヤマの日常を淡々と追う。 【解説というか、レヴューというか、】 世界を見ても、日本ほど清潔な国はないって話しを よく耳にする。 特に日本のトイレは外国人から見ると、 かなり清潔なのだとか。 そこには丁寧で細やかな、職人のような精神で 役目を務め上げる清掃員がいる。 ヒラヤマという男だ。

          滋味溢れるミニマリズム映画【パーフェクトデイズ】♯102

          遠ざかりゆく子供の頃の記憶【エッセイ】♯08

          年惜しむ冬の風、 2023年に別れを告げるべく 今日も筆を執ります。 ダラ となりのリカちゃん 5、6才の頃だろうか、 小学校に入る前の話しだ。 内股で前髪がくるんくるんしてる 女の子みたいな男の子。 名前はヒロワタリくん。 家が近かかったので、 たまに遊びに行っていた。 ヒロワタリくんは、 机の引き出しからノートとえんぴつを取り出し、 「リカちゃん人形のリカちゃんだよ」 と言って絵を描いて見せてくれた。 頭に大きなリボンをつけた女の子の絵だった。 私も見よう

          遠ざかりゆく子供の頃の記憶【エッセイ】♯08

          だらずはタマネギを並べて冬支度。【エッセイ】#07

          信じられない、 明日から師走。 飛んでくる風花が五臓六腑に沁み渡る昼下がり、 今日も今日とて、筆を執ります。 ダラ ♯07 『チミの名は』 近頃、あだ名で人を呼ぶことを 禁止している小学校があるらしい。 付けられたあだ名に関して、嫌な思いをした人が 少なからずいるんだそうだ。 しかし統計では、あだ名で呼ばれる事に 好ましく思っている人の方が多いのだとか。 私もそのひとり。 「ダラさんは何でダラなの?」 と、よく聞かれる。 『ダラダラしているからです』 と答え

          だらずはタマネギを並べて冬支度。【エッセイ】#07

          映画『首』なまなましい人間味があふれる武将たち

          【ストーリー】 天下統一を目指す織田信長は、家臣の荒木村重に謀反を 起こされる。信長は明智光秀や羽柴秀吉らに村重を 探し出すよう命じる。しかし光秀には誰にも言えない 秘密があった。密かに天下を狙う秀吉は忍びを使い、 光秀の周りを探り始める。 【解説というか、レヴューというか、】 ネタバレにご注意!! 歴史上の人物で最も人気がある織田信長。 天下統一を目の前にして家臣の明智光秀に裏切られる。 本能寺の変だ。 人格者と呼ばれる光秀はなぜ主君を裏切ったのか、 謎多き男の静かな

          映画『首』なまなましい人間味があふれる武将たち

          サイアクな女とパーフェクトな男。♯100【わたしは最悪】映画

          【ストーリー】 書店員として働くユリヤは年上の彼氏、 アクセルと同棲中。アクセルは有名な作家で成功している。 ある日、パーティーへ出かける2人だが、 虚しさを感じたユリヤは彼を置いて 別のパーティへ潜り込む。そこで出会った青年と 楽しく過ごしたユリヤはその後、アクセルとの関係を 考え直すことに。 【解説というか、レヴューというか、】 充実したキラキラな人生を送っている人が近くに居ると 感じてしまう劣等感。 ユリヤは若くてかわいい“退屈な人”として 扱われている。 そ

          サイアクな女とパーフェクトな男。♯100【わたしは最悪】映画

          ♯06【エッセイ】ぬるめのお湯で長くつかりたい

          月見バーガー、秋渇き。 モンブランを横目に、 筆を執りまする。 ダラ ♯06『ダライズム』 わたしはこの頃、文筆家を気取っている。 SNSなどで、映画の解説やコラムを発表しているからだ。 活動を初めてから、もう直ぐ三年。 すっかり日常生活に映画観賞と文筆が根付いている。 数々の素晴らしい映像作品に出会い、 映画に対する気持ちは、以前より増している気がする。 だと言うのに、 その想いを口で述べようとすると言葉が詰まり、 「映画っていいよね」とか「映画って素敵ね」など

          ♯06【エッセイ】ぬるめのお湯で長くつかりたい