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DARUさんの推しが喜ぶB.league撮影術(プリント・装額編)v20230911

0.はじめに

 設計編、撮影編、および、ポストプロセス編と「写真」の質をステップアップしてきました。 作成した電子情報は、「主題」を表した「作品」の水準を目指してきましたので、シャッターを切っただけの電子情報とは水準が異っています。 せっかくなので、プリントして壁に作品を壁に飾ってみましょう。
 日本では、写真作品を購入して壁に飾る習慣が定着していません。これは、住宅事情が大きく影響していると思われます。賃貸住宅では、引っ越し時に壁に釘穴があいているとか、壁の前にタンスを置かねばとかですね。一方、欧米では、数千円から数万円のシャレオツな写真を「自宅の壁」にデコレーションする習慣があり、プリント・装額技術などがごく一般知識となっております。
 実際、海外の写真コンペ、フェスなどのオーディタ(審査員)、キュレータなどはもはや電子データの写真を相手にしない風潮すらあります。「プリントしてやっと写真」という考え方があるのかと思います。
 プリント、装額にもある程度の知識が必要で知っていれば苦労することなくスキルアップできる項目になります。 あえて教室やレッスンという形態をとらず、弊方が持つスキル・知識の一部をnoteに公開します。 ご興味がございましたら、必要に応じ、是非、実践してみてください。

「注意書き」
・対象とする方: 撮影した電子情報の写真をプリントしたい方、装額や壁面に飾りたい方、そして、「写真がうまくなりたい」と思う方。
・免責事項: 本記事は各自の責任においてご実施ください。筆者は、note内の全てのコンテンツに対して責任を負いません。 

1.プリントについて

 プリントによって写真の風味が変化します。 よく写真屋さんにプリントをお願いするときに「光沢」・「絹目」などは一度はお聞きになられたことがあるかと思います。 つるつる・ざらざら。写真の風合いが異なります。このように現在では、さらに様々なサービスが市場に提供され、それらのサービスを利用することができます。 
(注)ご自宅で簡易暗室を作り、薬液を用た操作手順(写真の焼きこみ、停止剤、安定剤、水洗、乾燥等)、プロセス説明は需要が低いとおもいますので省略いたします。

1-①.ネットプリント

 最近は写真屋さん、ネットプリント専業業者さんなどで「標準」「オリジナル印画紙」「銀塩プリント」などのサービスを比較的安価に利用することもできます。一方、A4サイズ 1枚2,000円程度比較的高価なプリントも利用できます(もっと高価なものもあります)。
 どんな表現の時に どこの何でプリントすれば写真が生きるかをつかんでおくことも大切です。
 よさげなサービスを選択すると写真を知らない人でも「これが写真か!」と思うようなプリントサービスが多くあります。
 このようなプロセスで印画紙に表現された作品は、眼を見張るものがあり、サイン会などでこれらの写真プリントを出せば、推しは喜ぶこと間違えないでしょう。(これにサインを入れてもらえば、プレミアムプリント。)

(おすすめ順)以下は筆者の感覚によるとことがあります。 参考程度にご覧ください。

◎富士フィルム プレミアムプリント さん
 写真表現に合わせプリント表現を用意してくれています。 若干、価格が高めですが、「プリントしてよかった。」となるかと思います。 印刷サンプル(はがきサイズ)が1000円程度で入手できますので、どのようなプリント表現にしたいかサンプルを見ながら選択でいます。 高繊細なプリントは眼を見張る/ひきつけられるようなプリントです。

◎フォトプリ さん
 プリント、表現へのこだわりが強くいいプリント屋さん。

〇アオヤギ写真工芸社 さん
〇シャシンヤドットコム さん
 仕事が丁寧で速い。 表現力はいいです。 
(数年前まで3x3の宣材写真を焼いて台紙になりつけて選手にプレゼントしていたことがあり。このグレードでプリントしてました。) 

(価格重視)ひたすら安く仕上げる
・シマウマプリント
・どんどんプリント

1-②.自分でプリント

 近年は、プリンタ・印画紙の性能が向上しています。ユーザは自宅にいながら様々な写真表現が可能です。 ネットプリントでは「締め切り」が迫った案件の写真作品のプリントの際、時間的余裕がないと若干焦りが生じます。また、余裕を持たせたプリント期間が必要ですが、自宅でプリントができる場合、この心配や時間が無くなります。 ご自身の写真表現に最適なデバイス、印画紙を採用されるのもよろしいかと思います。

プリンタ: 印刷サイズ と 塗料の種類がプリンタにより決定します。 一般的なのは、印刷サイズ A3サイズ、A4サイズ までのどちらかが印刷できるタイプ。 塗料は 顔料タイプと染料タイプがあります。
 量販店では、よく、おすすめのデモをしているので必要に応じ参考にされるとよろしいかと思います。
印画紙: ふわりとしたコットンベースのものから、キャンバス地(油絵を描くもの)をまねたもの、壁面と同じように石膏を薄く塗り固めたものまで様々な印画紙をユーザはセレクトできます。 量販店では、写真作例と印画紙の紹介をしているコーナーがある場合があります。必要に応じ参考にされるとよろしいかと思います。

(おすすめ順)以下は筆者の感覚によるとことが多くあります。 参考程度にご覧ください。 カメラメーカ、プリンタメーカ社製の印画紙はあまり使いません。
◎ピクトラン さん 局紙
〇ピクトリコ さん 各種 
〇イルフォード さん 各種
・和紙 各種

2.推し壁をつくろう

 壁に推しを飾る「知っていると便利な知識」を下記に記載します。 写真は印画紙(ぺらぺら)の出力です。 そりが生じるので、なにがしかの方法でそらないようにするのがBetterですね。 いくつかをご紹介いたします 

2-①.スチレンボード~A4、マットフレーム(紙)~2L

 壁に穴を開けられない場合、重量物を壁に貼り付けのは難しいです。 軽量のスチレンボードや市販されているマットフレームを用いることで軽量化が図れます設置できますが、写真のサイズには限界があります。 練けしを用いると跡が残らずきれいに貼付けることができます。 コクヨ社製 ひっつき虫 なる商品が市販されています。 知っている人は知っているノウハウです。4角 & 5cmくらいの間隔に2切れ分のひつっき虫をこねて張り付けると壁面に張り付けることができます。 とはいえ落下の危険性はゼロではないのでご留意ください。
(スチレンボード~A4)
 必要なもの: 貼れるボード 通称「ハレパネ」
        ひつっき虫(ねりけし)
        カッターナイフ
        カッティングマット
        定規
        写真 (筆者の経験ではA4は落下の可能性大。 A4以下を推奨)
 片面に離型紙と糊が付いており、それ以外は発砲スチロールでできています。 Covid-19前はどこの100鈞にもありましたが、最近100鈞ではめっきり見かけなくなってしましました。 ネットショッピングでは、プラチナ万年筆社製 ハレパネ がよく見られ入手可能です。 


コロナ前はA2サイズのハレパネが100鈞にあり重宝してました。

ハレパネに写真を貼り付ける手順(下図参照) クリーム色:離型紙 白色:スチレンボード 青色:写真

①カッターナイフにて写真の大きさより少し大きめにハレパネをカットします。
②離型紙のセンタを1,2cmカッターナイフでカットしてはがします(糊面をだします)。
③中央部の糊面に(概ねその位置に来るだろう)写真を貼り付けます。 この際、離型しを少し折返し あとで剝がせるようにしておきます。
④写真の裏面にある離型紙を中央からサイドに剥がし、写真とスチレンボードを貼付けていきます。 (空気が入らないようにゆっくり中心から外側へ)
⑤残っている糊面のスチレンボードを 定規、カッターナイフ、カッティングマットを用いて切り落とします。(写真+ハレパネ 壁に貼るもの完成)

⑥ひつっき虫 2粒分ぐらいこねて置き スチレンボード面4角+5cmおきに貼付けます。

⑦壁面 所定の位置に写真パネルを貼付けます。

(マットフレーム~2L)
 マットと呼ばれる紙製のフレームがあります。写真は入れるだけですが、重さがあるので 筆者の経験からすると 2Lサイズの写真ぐらいまでがひつっき虫の限界になります。
 L版、キャビネ版、SQ(小)サイズなどを並べて楽しまれる方には、比較的安価できれいに仕上がります。

2-②.装額

 装額するとプレミアム感が出ます。 額縁は重量があるので壁に釘打ちが必要になります。 釘穴は後に「パテ」で埋めると一見わからなくはなりますが、賃貸物件をご利用の方は、現状復帰等ご留意ください。
 必要なもの: 額縁 (△カン等の吊下げ金具がついているものがよい)
        マット (窓あきの厚紙)
        パーマセルPH 額装用テープ
        (はがしたときに跡が残りにくい)
        写真
        紐
(私意)フレームを差別してはいけないのですが、せっかく装額をするのでチープな感じの額縁は控えたいところです。 写真の場合、細く、シャープな額縁が好まれます。

①マットに写真を貼り付けます。
 この際、マットの窓センタ位置と写真のセンタ位置を鉛筆で 写真の裏面 マットの裏面に軽く書いておき 合わせてから額装用テープで貼り付けるとうまくいきます。

②最近はアクリル板が圧倒的に多い(古い額縁にはガラス)、マット、厚さ調整板(ダンプラ、段ボール、厚紙)、裏板をまとめ、トンボをねじり、または、ねじ止め等をして作品を装額します。
(ノウハウ)
 この際、裏板、厚さ調整板、マット(写真付き)を(アクリル板が上にくるように)重ね、写真の表面にほこりが付かないかブロアでブローしながら総額面を見ながら作業するとやりやすいです。多くの方は、アクリル板が下向きにして装額していき、「ほこりが入っている。。」と後からやりなおす方が多いです。 アクリル板を上向きにして装額していくのがポイントです。
 初めて利用する額の場合、アクリル板には離型紙が貼られており、アクリル板に帯電している静電気でほこりが吸い寄せられます。 霧吹きで水を吹き、乾いたマイクロファイバータオルで丁寧にアクリル板を噴き上げ静電気を除去しましょう。ほこりが付きにくくなります。 
③紐を通します。 △カンや吊り下げ金具のところで1回かたずびをします。紐は上から下へ。 中心から2/3地点ぐらいでかたむすびをして蝶結びをし、1本の輪を崩し、輪を金具方向で下から上にかたむすびを1回します。
④額縁の中央地点 指で紐を持ち額縁の外枠上側から紐の下の長さを計測します。 (釘にかけたときの位置を理解しておきます。)

2-③.配置

 壁に配置していきます。 ひつっき虫の方はは釘打ちが不要です。 額縁の方は1額縁に付き1本釘が必要になります。 釘は上から下方向へ斜めに打ちます。 レイアウト図を先に作っておき所定の位置に配置していきます。
 床面から高さ 1450mm(145cm)が写真の中央(額縁の中央)に配置するのが基本です。 配置枚数、組み合わせなどを考えながらレイアウト通りに配置していきましょう。 シャレオツなレイアウトはネットにたくさん提案されていますので、必要に応じ、Webで調査してみてください。
 自由になる壁がある場合、釘穴はパテでふさげば、また釘が打てます。よほど神経質でなければ、パテ埋めした壁面がスペースで見えても気にはならないと思います。 いろんなレイアウトを配置するのも楽しいですし、「人目を惹く表現」の練習になるかと思われます。

(配置例)
 ベーシックレイアウト 壁横幅の50~70%を額縁面のエリアにするのがポイントです。
 ◎横1列型 等間隔で横に並べます
 ◎キャラメル型 2x2 3x3 3x4 等間隔で写真を並べます。 正方形、長方形にびっしり表示するタイプです。

アレンジレイアウト
 〇大1小4~6 メインショット(大)を生かすようにサブショット(小)4~6枚をメインショットの周辺に配置し、 全体として、 ひし形、平行四辺形、四角形、三角形、円形などお好みの形状にシンメトリに配置していきます。 大の小の枚数が増えても同じです。 この際、フレーム間の隙間(幅)を一定に保つことでシャレオツなレイアウトが楽しめます。

3.改定履歴

v20230911 初版 リリース