【青春時代のあの日 #1】ちょっと試しに飛び降りてみた
「なぁ、こっから飛び降りてみようや。」
唐突に『YOH』が言った。
「ほんまや。おもろそうやん。やろやろ。」
『スター』も嬉しそうに同調した。
「いやいや、何を言うてんねん。浅かったらどうするんよ。死んでまうって。」
一番まとも(と思われる)である僕はそう言った。
これは確か、高校3年生くらいの夏休みの話しである。
ちなみに・・・
『YOH』と『スター』は、中学校から部活がずっと一緒で、おっさんになった今でも付き合いのある友人だ。ここだけのあだ名を使わせてもらおう。
この二人は僕の人生に大きく影響を与えてきた親友であり、悪いことも散々教えられた悪友でもある。
僕の青春時代の思い出には、ほとんどこの二人が関わっているように思う。この二人との出会いによって、非常に刺激的な日々を送るきっかけとなった。
中学校や高校は、部活や塾で忙しくしていたはずであるが、思い出してみるとあれこれ思い出があるもんだ。そんな刺激的な日々の一端を、少し紹介してみたいと思う。
第一弾が「ちょっと試しに飛び降りてみた」
である。何回続くか分からないが、時々こんな話も織り交ぜてみようと思う。
さてさて、前置きが長くなってしまったが、冒頭の話しに戻る。
これは、塾の帰りに少し寄り道をして海に行ったときの話し。
塾の帰りの道中には、海へと繋がる川に少し大きな橋がかかっている。その橋の真ん中で、冒頭のセリフをYOHとスターが言い始めたのだ。
僕は、この2人に比べると真面目な部類。なので、当然のことながらその提案は拒否した。
しかし、ヤツらは言い出したら止められない。それまでの付き合いでそれは分かっている。僕の小さな抵抗も虚しく、橋の上からの飛び込みは敢行されることとなった。
順番はジャンケンだ。大抵、こういうしょーもないノリで何かをやるときはジャンケンで決める。そして、なぜか高確率で僕が負けるのだ。
「最初はグー👊」
はいっ、大方の予想通り僕が負けて、一番に飛び込むこととなった。
あっ、だいたいこの橋は下まで6〜7メートルくらいか。で、海にほど近いので干潮満潮でずいぶんと深さは違うと思われる。
この当日は見た感じは満ちていたように感じた。一番に飛ぶわけではない2人は「行けるって。大丈夫大丈夫。ヤバかったら下から叫んでや。」と適当に囃し立てる。
「浮いて来れんかったら叫ぶこともできへんがな。」と思いつつ、この雰囲気になるともう勢いだけである。
とはいえ、やっぱり夜の川に飛び込むのは怖い。。。そもそも僕はビビりであるし、基本的にこの悪友たちとつるまなければ、真面目路線で生きていっていたことだろう。
何が楽しくて、塾の帰りに、夜の川に、学生服のまま、飛び込むことになるのか。甚だ疑問である。
橋の欄干を乗り越えて、一歩踏み出せば飛び降りることができる場所まで歩を進める。
下を見れば暗く、深さの分からない川・・・
後ろからは「はよ行けって」と煽ってくる二人。
「まぁ、何とかなるか」と勇気を振り絞り、飛び降りた!!!
「うおおぉぉぉおぉぉぉおおぉぉぉぉぉぉ・・・」
バシャーーーーン・・・・
・
・
・
・
・
ぷはあぁ・・・
生きとった(≧▽≦)足も付かずに浮上できた。
あぁ、良かった!!
上からは
「おぉぉ、やるやんけー。無事そうやな。足はつかへんかった??」
「おー、大丈夫やで。ちょっとついたかもしれへんけど、しれとるわ(大した事ない)。」
と言いつつも、足をぶつけてケガをしたり、浮かんでこなかったりしてたらどうしてたんやろうか・・・(苦笑)まぁ、結果オーライやけど。無事だったことが本当に良かった。
次にスターが飛ぶ準備をする。
バシャーーーーン・・・・
「まぁ、気持ちはええけど大したことないな。」
ほんなら一番最初に飛んでくれや。
そりゃあ、足が付かないことが分かっている中での飛び込みはそこまで怖いこともないし、スリルも欠けるわな。
で、次にYOHが飛び込む準備をしている。
「ほんなら行くで~~」
バシャーーーーン・・・・
・
・
・
「痛っっっ!!!」
「嘘つくなやー。思い切り足ぶつけたわ」
スターと僕は大笑いww
多分、キレイな姿勢で飛び込んだのか、深くまで足が届いてしまったのだろう。足を強打して悶絶するYOHではあるが、彼のタフさを僕らはよく知っている。痛いとは言っていても、浮き上がってきた時点で僕らからすれば、「もう大丈夫だろう」と思っている(笑)
ただのノリで飛び込んでみて、みんなが無事に浮上してくることができて本当に良かった。
当然のことながら、制服はべしゃべしゃになってしまった。そんな状態で自宅に帰ると、そりゃあ母親も驚いている。
「なんでそんなことになっとるん???」
ただ、まだまだ思春期(高3といえば、本来はもう終わっていてもおかしくない時期であったかもしれないが・・・)の僕は、
「ほっとけや。別にかまへんやろ。」と、こんな感じのセリフを吐き捨てたに違いない。
非常に可愛げのない、腹立つ子どもだったことでしょう。人の親となってようやく分かる。感謝はしていても、上手くそれを言葉でも態度でも示せず、今になって悪かったな、と思っている。これから親が元気なうちに孝行しないといけないなぁ。
まぁ、とにかく当時は友達との時間がとにかく大切だった。こんな悪友たちと時間を共有することが何よりも有意義な時間だった。思い出そうと思えば、鮮明に記憶が蘇ってくる。
笑いあり、無茶あり、ケガあり、楽しかった日々を思い出しながら時々綴っていきたい。
ダラダラと長い文章を読んでいただきありがとうございます。「楽しい青春してたんだなぁ」と思ってもらえると幸いなり。
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