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散文詩 / Tramadol

・あなたは雲を知らない。言葉を散りばめる。嘘発見器よりも精確に真実を掴み取るあなたの描く青空だけを信奉している。大きさ30cmとだけ書かれた図録を発見する。あなたは心から天の光を愛し、全身に浴びた。ゆるやかに弧を描くリヴァーブの奥底で、揮発する叫びが雲の海を揺り動かす。
・ちいさな惑星は光の中へと歩み入ってゆく。ここに居ることを。
←正しく呼応する雷鳴のきらめく緑、ピンク、紫、そしてブルー。

・瞳を輝かせる果実。
・シロップで固められた球体。

果てしなく夏が充溢してゆく。
隙間を縫う技術をあなたは自由な線で指し示す。
脈が始まり、どこまでも鋭敏に拡大する。
その鋭角から滲み出る生命の痕跡がいつまでも優しいオーディオであり続ける。
十分に思考され検討を重ねられた光が私たちの行く末を照らす。
来し方はそれを微笑んで見送る。

   yamakawaumi
   bigmonster
   検便の思い出

・偽証は証明によって、むしろその偽らざるところを明らかにされる。
→とりもなおさず罪人こそ真実に最も近いところに存在する。
・生物はその罪を認めるがゆえに生存する。後ろめたい人間の心情を神は見放さない。
「あなたはひととき、あまりに私に近づいてしまった」
・炎で描かれる図像を、罪人だけは解読出来る。

彼の生み出す音がごく単純einfachであるのは、それが何より複雑kompliziertな秘密を解き明かそうとすることによる。彼は体を吹き抜ける風の重要性Bedeutungを誰よりも深く理解しており、それを私たちに示そうとする。開かれた箱はさらに開かれ、また開かれ、開かれてゆく。
光とは、連関を照らすものであるだけで無く、連関そのものでもある。太陽の光を受け、地球はようやく呼吸する。黄色い月の輝きはその日一日の労苦を慰める。たとえその姿を雲に隠されていようとも。雲は無邪気な子供。雨は悲しみであり喜びでもある。

・井戸を掘る名目で宇宙線の研究が始まっている。
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/gr/GWPOHP/researches.html

等しくわれわれを癒す蝶の羽ばたき、花々のダンス、たくましい木々の指揮者たち。線で繋がったまま分散し、産出され続ける生命の群れ。敵だと見定めた者をこそ愛せ。無限の恩寵が乱反射する。響きは新たな響きをたぐり寄せる。
あなたが夜に見る夢はまだ始まったばかりだ。散乱し複製される境界線。天国への階段は積み重なった死体で出来ている。

^私は自分が許されたより多くの赦しをあなたに与えよう。
^あなたは色彩の拡張を得意とし、歓喜に正しい表象の形式を与える。
→それが優れた表現者というものである。
^彼らによって形づくられた普遍的な形式の内容は、個別にあるありかた、自由な個別性そのものである。
^私たちは言語という普遍的媒介により、まさにひどく個別的であるものへと言及する。

鬱蒼たるジャングルを走ってゆく鉄道機関車。
私の筋組織で眠る愛猫。
夏の夜を気ままに泳ぎまわる愛猫。
←すべては水の心地よさで表現可能である。

(1)打楽器としての意識、水としての理性、理性そのものである水。
(2)ー1天を流れる川にしか持ちえないリリシズム。
(2)ー2それは与えた、それは初めに与えられた、それは私に形を与えた、それは私の形に自由に変更を付け加えた、それは私を逃さない。具体的な形象はその抽象性を逃さない。
(2)ー3私はあなたに取り込まれる。あなたは私を取り込む。貪るような仕草でありながら、意識は次の対象へと向かっている。文字が刻まれるたびに輝く線。
(3)意識には規定がある。レーテーは氾濫しない。ただし、それを狭さだと感じるか深さだと考えるかは自由である。その判断の自由が保障されている時点で、既にわれわれはあらゆる規定から解き放たれている。
(4)夏は意識に応えて冷気を流し込む。人間は自分が理性的であるとするがゆえにダンスする。
(5)ー1意識は神経では無い。神経とは意識がそれを言葉にしたものだ。すなわち神経に「集中する」とは意識の言葉に耳を傾けるにほかならない。精神医学とはそれゆえ、昼間は抑圧されている意識の言い分──それがどんなに稚拙なものであれ、些細なことであれ、ほんの一瞬の思いつきであれ──を、それが嘘偽り無い真実である限りに於いて聴取し、身体との間でおこなわれる闘争に合理的な調停を与えることである。そうであるならば、意識はきっと嘘をつくことが出来ないだろう。
(5)ー2何故なら一日のうちで夜明け前が最も暗いからである。

トマトとンーメンのチャンプル/トムヤムクン/ネギがすぐ腐るので台所だけ/poemreaaæaæædinggrw/ポン酢と大根おろした犬の首輪とイヤホンの右の線のコードが同じ色/ネギ/メダカの水槽にまた長い藻みたいなのが生えてきていた/save my soul/ふわふわ/へんなにおい

あなたは絶対的な薄衣にだけ接吻する。これらは関連性を欠いた表象では無い、むしろ不断に重ねられる爆発によるものである。「私の眼ざしは熟れている そして花嫁のように/どの一瞥にもその欲する事物(もの)がやって来る」。
私はあなたの一部を抹消する。あなたは私の一部を抹殺する。反復は同等性を志向する。ほとばしるピクセルがマイクロの仕草で私の心臓を刺し貫く。突き立てられた剣は永久に伸び続ける系となって、星だけがきらめきを許された暗闇の中に放り出す。


無職を救って下さい。