志田彩佳

漁師の孫。本とコーヒーのお店勤務。看護師。 「糸電話」主宰。どこへ向かうのか考え中な2…

志田彩佳

漁師の孫。本とコーヒーのお店勤務。看護師。 「糸電話」主宰。どこへ向かうのか考え中な24歳の脳内日記。

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都会に住んでみて

私は今年の春から東京という都会に住んでいる。 大学を出るまでは東北で22年間を過ごしていたことになる。大学があったのは仙台市。高校まで暮らしていた東北の港町から比べたら、仙台市は十分都会なのだけれど、私の中で都会=東京というイメージが根強いように思う。 さて、都会暮らしが始まってから約9か月。都会について思うことがある。良い面も悪い面も。最初に言っておくと、私は都会が好きだ。 田舎にはない刺激や速度がある。そこで生きている人たちがいる。 田舎も好きだ。両方好きだからこそ得を

    • 11日のヴィレッジヴァンガード

      一日のなかでヴィレッジヴァンガードという店について、違う人から二度も聞く日は今までなかったし、これからも滅多に無いと思う。 それぞれ、名古屋と下北沢の店舗についての話だった。 どちらの人もヴィレッジバンガードの雑多な感じ、欲しくないはずのものに興味が生まれてしまう感じがすきだと言った。「無駄の巣窟の良さ」について、生き生きと話す大人たちの子供っぽさに安心する。 そんな今日のわたしはといえば、自分の服装が気に入っている。カジュアルだけれど、カーキのアウターを羽織るとなんだかし

      • あたまのなかの編集者

        今日初めて会った人に、 「あなたは、文章の世界で生きていく人なのではないですか」と、言われてびっくりした。わたしの会話の組み立て方からそう感じたらしい。 その彼にとっては、絵が世の中との共通言語になっているらしい。今月、自分の部屋を会場に個展を開くと教えてくれた。  文章といえば、わたしは本を読むことがすきだ。 その理由のひとつは、作者がわたしの脳内を言語化してくれるからなのだと思う。 自分の頭の中にあって、でもそれをうまく表現することができないとき。わたしは一生懸命頭

        • ふと、ババロア

          ふと、普通に電車が走っていることが不思議になるときがある。 予定通りの時間に電車がきて、当たり前のように電車に乗ることができることに対して立ち止まりたくなる。 その感覚は、宇宙や人間の存在とはなんだろうという、小さいときによく想像していた漠然とした疑問の感覚と似ていると思う。 電車のなか、見渡すことができる範囲の20人くらいのひとのうちスマートフォンを見ていない人が2人くらいいた。画面の中に、おのおののプライベートがある。いや、それは小さい社会かもしれない。そういう時代な

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          12本

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          ぱさぱさの人種

          みたくないものって、たくさんでてくるよなあ。と、ふと思った。 例えば、エアコンのフィルターのほこりとか、肉がつきやすくなった腰回りとか、どう世の中のために(自分のために)なっているのかわからないねんきん定期便とか、角質でくすみやすくなったお肌とか。あげたらきりがないような絶妙なものが、歳を重ねるほどに増えていくような気がしてならない。 どれもたいてい生活のどこかで解決しなければならないタイミングにぶち当たるはずなので、はやめに取りかかっておいた方がいいに決まっているけれど、

          ぱさぱさの人種

          指先からねぎのにおいがするとき

          指先からねぎのにおいがするとき、生活を濃く感じるのはなぜだろうか。 お正月のお吸い物用のねぎを切り終わり、こたつでお茶を飲んでいるわたしは、自分の指のにおいをかぎながら無性に満足していた。 「ああ、わたしは料理そのものがすきというよりも自分で生活しているという実感が心地よいのかもしれない」 自分が食べるものを自分で選び、用意し、体に取り入れてゆく過程を生活に組み込むこと。たまにそれをすると、いかに普段のわたしがわたしのことを雑に扱っていたのかわかる。不必要なタイミングで

          指先からねぎのにおいがするとき

          冬の湯気

          クリスマスのころにしては東京の気候は暖かいな、と思う。冬は得意ではないけれど、寒さが足りないクリスマスはなんだか寂しい気がする。 冬になると、起きるのがおっくうになる。朝が強いわたしでも、だ。けれども冬の朝にお茶を飲んでいるときの、あの湯気濃く見えるようすは好きだ。 年末が近くなってくるころの、街中は紙袋がかさばっている人たちをみているのが楽しい。クリスマスプレゼントを楽しみにしていた、小学生のころのわくわくした気持ちを思い出す。 そういった意味では冬は意外と悪くはない

          冬の湯気

          大根の辛味のようなもの

          大根を丸々1本買ってみた。 最近自炊する気が起きなくて大根なんて大きいものは買わなくなっていたので、久しぶりの登場になる。 スーパーにいくと、必ずチェックするコーナーがある。「農家さんからの直送!」 そこをのぞくと、立派な大根があって思わず食べたくなってしまった。たいてい、このコーナーでは半分売りがないので、1本の大根を家に持ち帰ることになった。 台所で大根と向き合って、シンプルにサラダにしようということになった。なので辛くないほうを切りたい。「あれ、大根の辛いのってどっ

          大根の辛味のようなもの

          サラダ記念日

          乗り物に乗る前は、無性に本を買いたくなるのは昔からずっとそうだ(家に読んでいる途中、読んですらない本がまだあるときでさえ)。 今日は、俵万智さんのサラダ記念日を買う。すてきな言葉をつかう友達が読んでいて、気になっていた歌人だった。 久しぶりに地下鉄ではなくて、地上を走る電車に乗った。本の文字の上を走る光。そんなようすをみると、やっぱり紙がすきだなあと思う。引っ越すかもしれないので、ものを増やさないようにしていたけれど、無理かもしれない。 損得とか将来のための保障とかそうい

          サラダ記念日

          お弁当のにおい

          「お弁当にはお弁当特有のにおいがあるし、おかあさんが食べなくなる気持ちもわからんでもない」 きっと、お母さんではなくてお義母さんなんだろうな。 帰り道に聞いた中年夫婦の会話が頭から離れない。いつもはすぐ捨てる弁当配達のチラシが、なんだか今日リアルに感じて捨てられなかった。実家の母は今日、なにを食べているのだろうか。 今まで人事だったことが、なにかがきっかけで急にぐっと身近に感じることがある。 たとえば、お金持ちが前よりも身近に感じることとか。 snsを通してお金持ちの私

          お弁当のにおい

          長ネギとみかんとconfuse

          きのうはスーパーで長ネギと生姜を買って帰った。風邪をひきかけている気がする。 人に見せるようなものでないくたくたの料理(白菜、長ネギ1本、煮干し出汁、麺つゆ、生姜をとことん煮込んだものを豆腐にぶっかけた)を食べながら、きくちゆみこさんのzineを読む。 日本語とともに英文も載っている部分で、自分を試すように英文から目を通していく。簡単な単語も忘れていた。6年前くらいの大学受験で必死に勉強したのに!人の記憶はそんなものである。 confuse 1〈…を〉混乱させる; わかり

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          積んでいくこと

          最近すごく眠い。たぶん、花粉のせいだ。なにかにずっと付きまとわれているような気分になる。体調が悪いわけではないけれど、身体の周りに霧のようなものがかかっていて取り払おうとしても思うように消えてくれない。 最近起きると左の足首が痛い。重心に偏りがあるのか。それとも力が入ったまま寝てしまっているのか。 最近記憶がない。毎日自分が何をしていたのか思い出せない。自分がどの時間に生きているのか、ふわふわしたままあっという間に2019年が終わろうとしている。今年は何をできただろうか、

          積んでいくこと

          「先生」集合

          最近気づいたことなのだけれど、私は自己学習が苦手かもしれない。 勉強は嫌いじゃない。でも、ものごとを理解することに時間がかかる。しっくりこないことにつまずくと、それ以降進めなくなる。気にしなくてもいいことが気になってしまう(公式を永遠と解き明かそうとするタイプの)。 努力が足りないと言われればその通りなのかもしれないけれど。 思い返すと、「先生」は偉大なものだ。 分からないことを質問すると、するする解き明かしてくれる。先生がいることでやっと理解できる。 高校の時の化学の先生

          「先生」集合

          『石川直樹 この星の光の地図を写す』は喉の奥がきゅーっとなる

          東京オペラシティ アートギャラリーで開催されている、 『石川直樹 この星の光の地図を写す』へ行った。 もともと石川さんという方のファンではなかったが、なんかこの展示行かなきゃなあ〜と気になっていたので、休日を利用して足を運んでみた。 展示スペースに足を踏み入れて、2秒。 「ああ、どうしようもない」という感激で表情が緩くなってしまった。 一面の白い壁に張りついている、その写真の神々しさ。 表情が緩むのと同時に、昨日の自分に感謝した。 というのも、昨日の夕方もわたしはこの

          『石川直樹 この星の光の地図を写す』は喉の奥がきゅーっとなる

          フォルテシモ

          電通勤車の中では、音楽を聞くのが癖のようなものになっている。最近は、力強い音楽(こういう表現が合っているのかはわからない)ばかり聴く傾向がある。力強く生きたいという焦りの表れだと思う。 "力強い音楽"が好きということ。なんとなく、フォルテシモの部分に惹かれているのか?と思って、いつもよりも注意深く曲を聴いてみた。 すると、"力強い音楽"といっても曲の中でフォルテシモがはっきりしているもの、強弱は単調だけれど何かリズムに強さがあるもの、歌詞自体がたくましいもの、いろいろある

          フォルテシモ

          自分のA面とB面を持ち合わせていること

          新しい職場の環境になって、いろいろ気づいた最近の脳のつぶやきについて残しておきたい。 ●今までの人生を振り返ると、人間関係の間に挟まれ、緩衝材になることが多かった。正直、疲れるので、緩衝材になってしまう自分が嫌いだった。 けれど、緩衝材になれることは仕事をするにおいて一種の強みなのではないかと、最近は思う。 仕事の技術や経験は積み重ねで習得できる。緩衝材になれる人はその人の気質にもよるのではないかという気がしている。もちろん、経験により人間関係をうまくこなせて行く人もいる

          自分のA面とB面を持ち合わせていること