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『データの民主化』とは【機会×能力×環境】

最近、『データの民主化』という言葉をよく耳にするようになりました。
私のプロフィールにも、『データの民主化を推進する人』と紹介してありますので、今回は私が考える『データの民主化』について書いていきます。

この言葉は誰が使い始めたのかは不明ですが、Cognos社(2007年IBM買収)やBusinessObjects社(2007年SAP買収)の社員の中で使われていたようなので、20年ほど前から既に存在していた言葉だと考えられます。

では、どのような意味なのでしょうか。

データの民主化とは

Google検索すると、言葉のニュアンスがサイトによって異なります。。。

検索結果上位から見ていって、私がしっくりきた定義は以下の通りです。

データの民主化(Data Democratization)とは、企業や組織がデータを専門家やエキスパートだけでなく、社内の全てのメンバーや関係者に解放するというコンセプトのことを指します。

[trocco]-[データの民主化とは?進めるべき理由や注意点、進め方や3つの事例を紹介]より引用

「データの民主化」とは組織内の全ての人が必要な情報にアクセスする事ができ、正しくデータを理解し意思決定に繋げる事ができる状態です。

[Data Current]-[【DX推進】「データの民主化」が必要な理由とは?]より引用

よって、私が思う『データの民主化』とは、
企業や組織がデータを専門家やエキスパートだけでなく、社内の全てのメンバーや関係者が、必要な情報にアクセスする事ができ、正しくデータを理解し意思決定に繋げる事ができる状態です。

もう少し短い文章にしてみます。

組織内のデータの専門家ではない人でも、意思決定にデータを活用できる状態。
※データの専門家ではない人=ビジネスユーザー/業務ユーザー/原課/LOB …etc

こう見ると、最近使われなくなった「ビジネスインテリジェンス(BI)」の概念とほぼ同じ意味になりますね。

意思決定にデータを活用できる状態 とは?

では、『意思決定にデータを活用できる状態』とは具体的にどのような事なのでしょうか?
私は、以下の3つの『状態』に分けることができると考えています。

【意思決定にデータを活用できる 3つの状態】
①データを活用できる"機会がある"状態
②データを活用できる"能力がある"状態
③データを活用できる”環境がある”状態

①データを活用できる"機会がある"状態とは、データ(≒事実)を必要とする機会があるかどうかを指します。

②データを活用できる"能力がある"状態とは、自身でデータを取得し、意思決定に繋げられる能力があるかどうかを指します。

③データを活用できる”環境がある”状態とは、意思決定に必要なデータや、データを見るためのツール/システムなど、データを見るための環境があるかどうかを指します。

そして、一番のポイントは、
『データの民主化』は、"機会"・"能力"・"環境"の低いほうの状態に制約されるという点です。

『データの民主化』の状態の決まり方

いくつか例を挙げてみます。

例1:データを活用できる"環境がある"状態が高く、他の状態が低いケース。

データを活用できる"環境がある"状態が高く、他の状態が低いケース

このケースでは、導入した『分析ツール』や『情報活用基盤』などが利用されないということが問題として表面化しやすいです。

また、このケースでは"環境がある"状態に含まれる事項で、業務課題を解決するデータがないという事も起こります。そう考えると、"環境がある"状態だけが高いことはあまりないかもしれません。

これは、そもそも"環境"が使われていないため、誰もが意思決定にデータを活用できている状態とは言えません。

例2:データを活用できる"機会がある"・”能力がある”状態が高く、"環境のある"状態が低いケース。

データを活用できる"機会がある"・”能力がある”状態が高く、"環境のある"状態が低いケース

このケースでは、ビジネスユーザーの要望として
・システム部門に依頼しないと、必要なデータを取得出来ない。
・データ活用/データ分析の工数がかかる。(データの取得/加工/可視化/更新)
・必要なデータがどこにあるか分からない。(データのサイロ化)
など、データ活用/データ分析の業務効率化に関する問題が表面化しやすいです。

これにより、データを待つ時間が発生してしまい、データの活用どころか意思決定を妨げる状態になってしまいます。

例に挙げたように、データの民主化は低いほうの状態に制約されてしまい、データの民主化の弊害になってしまいます。

データの民主化を目指すためには、現状を正しく把握し、弱いところから改善/強化していく必要があると、私は考えます。

改善・強化する視点 と 参考となる情報

長くなりそうなので、今回は概要だけをご紹介します。
まず、私の頭の中は、以下のようになっています。

私の頭の中:データの民主化を実現するための『視点』と『参考となる情報』

そして、データの民主化に向けてもっとも重要なことは、以前の記事であげた、責任者/推進者の存在です。

データサイエンティスト集団=データの専門家やエキスパート集団を率いる方であれば、適任者のイメージが付きやすいかもしれませんが、データの民主化に関しては範囲が広いです。こちらについても、今後、このnoteで考察していきたいと思います。

まとめ

今回は、私が考える『データの民主化』について書いてみました。
データ活用を推進している皆様の参考になればと思います。

また、この内容は、私の実体験をベースに書いているだけなので、
『それは違うんじゃない?』とか、
『それはデータの民主化の範囲を超えているよ!』など、
様々なご意見があるかと思います。

どんな意見でも歓迎ですので、
皆様のご意見・ご感想をコメントに残していただけると幸いです。

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