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高島屋のクリスマスケーキのニュースも 意思決定のためのデータ/統計学の考え方を重ね合わせることができる話

そもそもケーキのニュースとは

高島屋オンラインストア限定で販売していた2023年のクリスマスケーキ。
フランス料理店「レ・サンス」が監修して、製造を受託した会社がウィンズ・アーク社。
「レ・サンス ストロベリーフリルショートケーキ」(税込¥5,400.-)。
約2,900個を予約販売していたようです。
このうち12月26日20時現在で、807件の破損を把握していたようです。

あなたの意思決定に効く統計学の考え方

そもそもデータ活用なので、

データがあること!!

これが必要なのです。

たとえば発送先へ届くまでに品質が変化する要因としていくつか挙げられるでしょう。
たとえばケーキを保存する温度、保存する時間、出荷時点で計測したときのケーキの温度、輸送中の庫内の温度、(もしあれば)中継地点の温度、到着時点での温度……をはじめとする、計測できることはすべて計測するというやり方です。
つまりこの工程でいえば、製造から出荷後の状態を

記録する!!

これに尽きます。

様々な記事によれば、イチゴの入荷が遅れたことでケーキの凍結時間は前年・2022年と比べ20~25時間に縮めたといいます。

続報が出るまでは「冷凍保管の温度が高すぎた」か「冷凍保管の時間が短すぎた」と想像していましたが、調査時のデータでは、実際に起きていたことと比べて、充分再現できなかったのかもしれません(想像)。

統計学の講師が教える「情報の読み取り方」

ある記事では

イチゴの入荷が遅れたことでケーキの凍結時間は昨年(2週間)に比べ20~25時間と大幅に短縮していたが、事前の凍結試験や保管期間中のサンプル検査などでは問題は確認されなかったという。

破損が起きた当日と同じ状況で再現実験を行うことは難しいと指摘

という文章がありました(一例)。

これは「お客様のところへ発送したケーキの保管状態や時間、輸送途中の時点で問題となることが一切なかった」という意味ではありません。
あくまでも、「決められた運用通りやっていれば、事前の試験や検査結果から、問題は発見できなかった」というだけです。
この言葉の表現については、データを分析した結果の報告・ニュース記事などを読んだときに、正しく理解することが求められるのです。

意思決定の連続である毎日にデータ活用の考え方を

こうした商品・製品の製造にあたっては、規格が決まっているものです。
そして規格は、誤差の範囲を設定している場合もあります。
これを日常生活で我々の意思決定・行動に活かすなら、次の4つを意識してみてはいかがでしょうか。

対象は、時間、距離、回数などのように、測れるものを対象としています。

  1. そもそも何を目指すのかを決める
    例:予定した行動をすべて、当日中に終えたい
    例:作業時間を短縮したい

  2. 目標となる時間・距離・回数などを決める
    例:作業を1時間で終える
    例:腹筋を30回やる

  3. 実際にできなかったとしても、どこまでの違いなら許容範囲とできるかを決める
    例:作業は1時間15分まではOKとする
    例:腹筋を20回でもOKとする

  4. スタートとゴールだけでなく、予定・計画どおりできているかどうかを途中で確認(計測)する

上手にあきらめることも許す

しかしすべてのことについてデータにする・計測するというのは、息苦しく感じたり、面倒に感じたりすることもあるものです。
毎日やっていることでも、「まず今日は一度測ってみて、次に測るのは2週間後でいいや」といった具合に、計測を適度にサボることも良いでしょう。

統計学って数字でガチガチに決まるんじゃないの?

受講生などではなく、「統計学を教えています」と自己紹介すると、こんな風に言われることがあります。
また「数字しか見ないんでしょう?」と言われることもあります。

しかし意思決定に使うのは感情もある生身の人間なのです。
データに振り回されてはならないのです。
目標を決めるところと重ね合わせて考えてみましょう。
目標は他人が定めたような唯一の正解を求めるばかりではありません。
そもそもあなたが後で「やってよかった」「これでよかった」と考えることができるような、自分で正解にしてゆく生き方のために、データを活用するのです(計算機の一環で統計学を使うのです)。

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