シンクタンク→データサイエンティスト→データストラテジスト 武田元彦 経歴と仕事の変遷

経歴

要職
DataStrategy株式会社 代表取締役CEO
ナレッジ・マーチャントワークス株式会社 社外取締役(2018〜)
帝京大学非常勤講師(マーケティングサイエンス・情報処理論)(2018〜)
一般社団法人豊岡観光イノベーション マーケティングアドバイザー(2016〜)
兵庫県豊岡市 政策アドバイザー(2019〜)

概要
慶應義塾大学経済学部、東京大学大学院経済学研究科修士課程修了(経済学修士)。大学時代は英語ディベートサークルで活動(ESSのような「英語を喋る」ことが目的のサークルではなく、全国でも少ないディベートをすることが目的のサークル)。大学院修了後は株式会社三菱総合研究所、NPO団体、フリーランスを経てDataStrategy株式会社を創業。

なぜデータサイエンティストになったのか

大学院時代
大学院では計量経済学(統計学)の実証分析を学んでおり、修士論文は地方交付税制度におけるソフトバジェットの問題を明らかにすべく実証分析+自治体担当者へのヒアリングを行うというものでした。指導教官から投稿を進められましたが、結果が物議を呼びそうなので投稿していません(詳しく聞きたい方は個別に連絡ください笑)。

シンクタンク時代①〜地域経営コンサルティング
当時から関心は実証分析と地方財政にあったので、新卒で入社したシンクタンクでは主に地方自治体向けの戦略コンサルティングを実施する地域経営コンサルティングチームに配属され、総合計画の策定、統計・データ分析、人口・経済の将来予測などを主に担当していました。当時、計量分析が出来る人材は社内でも多くなく、大学院時代から使っていたStata, R, Matlabといったツールを使った解析が出来るだけでもそれなりに重宝されていたように思います。

外部に公開されている代表的なプロジェクトとしては、中小企業の取引データを活用した、地域の産業ネットワークの可視化プロジェクトがあります。これはネットワーク分析を活用し、東京商工リサーチの企業データにおける「販売先・仕入先」を利用して各地域ごとの企業間取引状況を可視化・比較することで、地域の産業構造を明らかにするものです。

(出典: 中小企業庁(2010) 中小企業白書 2010年版)
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h22/h22_1/Hakusyo_part2_chap1_web.pdf

上記が実際の図です。例えば浜松市には輸送用機械での大手企業(大きな丸)が、大田区には一般機械器具製造業での大手企業があり垂直的な取引構造であるのに対し、東大阪市では中小企業同士の連携が中心になっており水平的な取引が中心であることや、浜松市・大田区では取引の結節点になっているハブ企業の存在が認められサプライチェーン上重要な中小企業の存在をデータから客観的に示しました。この評判を聞きつけて、その後クライアントから私が指名されるプロジェクトも幾つかありました。

シンクタンク時代②〜エリアマーケからデータマーケ+社外活動
その後、地域分析が出来るからエリアマーケティングも出来るだろうというロジックで民間企業向けのエリアマーケティングのプロジェクトが始まり、当時流行していたビッグデータの潮流もあり、それがそのままデータマーケティング・CRMのプロジェクトになり、気がつけば機械学習を活用したマーケティングプロジェクトを担当していました。後から振り返れば、機械学習で利用されるロジスティック回帰モデルは計量経済学の分野でもよく利用される手法であり、その辺りから学んでいったため入りやすかったように思います(勿論、計量分析は因果関係の解明に、機械学習は推論に重きを置いているため学び直しは必要ですが)。

一方で、売上をあげるだけではないビジネスモデルの世界に関心があり、社外でのプロボノ活動として東日本大震災の復興支援に携わり、避難所への聞き取り調査データを分析し内閣府震災ボランティア連携室(後の復興庁)に報告するプロジェクトでの分析を担当していました。

(出典: つなプロ(2011) つなプロ避難所アセスメント 第3週分析速報)
http://blog.canpan.info/tsunapro/img/50/assessment_summary_110418.pdf

NPO〜フリーランス時代
その後、社会貢献分野への関心が高まり、不登校やひきこもりの中高生向けの個別指導塾を経営する「NPO法人キズキ」(当時)へ転職、経営スタッフとして従事していました。

一方で、転職経験を通じ、「得意なことを得意なひとがやるべき」(vs. 人がいないから何でもやるべき)とのスタンスに立ちもどり、自分が一番得意なデータ分析とその活用領域に注力することとし、NPO団体を退職後はフリーランスとして大手企業やベンチャー企業の機械学習コンサルティングを経験、プログラミングも以前より更に深めて学ぶ機会も得られ、1年程度フリーランスを続けました。

フリーランス時代は、オープンソースの画像解析AI(深層学習モデル)を使い、家庭内の活動量の定量化を実験したりもしました。

その後、フリーランスとして活動を続ける中で企業の経営者層と話す機会も増え、法人化の必要性を感じることが多くなり、 DataStrategy Inc. を創業に至りました。

紆余曲折しているように見えるかもしれませんが、以前より人の行動や趣味嗜好の可視化に関心があり(経済学を専攻として選んだのも同じ理由)、統計解析も「人の行動の結果をデータで表現するもの」と捉えており、その意味では大学生の頃からやっていることは変わっていないと思っています。

なぜデータストラテジストを名乗るのか

データサイエンティストとして活動をするうち、データ分析の結果がきちんとした成果(売上増、コスト減、UX向上、マーケティングROI向上等)につながるためには、

・データ分析の技術以外の事業自体への理解と、
・適切な「データ戦略」の設定
 = 目的に加えて、 Input, Output, Algorithm, Interfaceの4要素
 (どのようなデータを入力し、どう解析し、何を結果として出力したいのか、その時のインターフェースは、という4要素) 

が重要だと分かりました。同時に、データ分析の技術を持ち、データ戦略設定ができる人材が極めて少ないこともわかりました。

加えて、データ分析/AI系エンジニアにもそれぞれ得意不得意があるので、事業の課題から適切なデータ戦略を設定した上で、適切なエンジニアに依頼することで、成果を改善することが出来ると思いました。

よく言われる、既存の類似概念として「データサイエンティスト」がありますが、データサイエンティストの要件を満たしている人はほとんどいない(参考: 過去note記事「データサイエンティストに必要な3つのスキル?」 )、かつ上記の戦略策定領域を十分にカバーしていないため、データストラテジストという概念が必要だろうと考え、会社名も含めて自ら名乗ることにしました。

DataStrategy Inc. について〜専門家とデータ戦略の掛け算
自動車会社が開発するリハビリロボットのセンサーデータ活用、建設会社の特殊建機の運転自動化、連結会計に特化したITベンダーのユーザーサポート自動化、等のデータ解析系のプロジェクトを進めているうちに、大学時代のディベートサークル同期の竹中(元 P&G ブランドマネージャー、 @Nobu_TAKENAKA )がジョインし、マーケティング関連のプロジェクトの幅が一気に広くなり、データ分析+ブランディング・マーケティングの両輪を掛け合わせたプロジェクトも可能になりました。例えば製造業における特殊金属加工技術のマーケティングや、ブランドマネジャーの視点から見たブランド価値を高める為の顧客データ分析+戦略実行なども出来るようになりました。

また、マーケティングに限らず、様々な専門家×データ戦略を組み合わせることでより大きなインパクトが出せることに気付き、弊社の専門家ネットワークを活用したデータ戦略プロジェクトの幅も広がりました。最近の弊社でのプロジェクトも

・金融(Fintech)×データ戦略
・人事
×データ戦略
・観光
×データ戦略
・航空宇宙
×データ戦略

と様々になってきています。

*観光×データ戦略の弊社プロジェクト事例:
直近では公開できる事例があまり多くないのですが、公開事例としては兵庫県豊岡市の外国人観光客向けマーケティングのアドバイザリーを約2年半担当しており、現在も継続しています。こちらの記事では「外国人観光客を5年で40倍にした自治体もやっている、動画プロモーションの始め方」としてインタビューを受けました。

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