「ジャコメッティ」矢内原伊作

ジャコメッティ「二十歳のとき、一生彫刻をやるとは思わなかった。四十年も続けると思ったら、彫刻をする勇気はなかったろう。私は彫刻を習得して、ほかのことをするつもりだった。ともかく職業芸術家には嫌悪をもっていた。アトリエをもつよりもホテルの部屋の方がよかった。しかし結局ほかの彫刻家と同じになった。いや、同じではない、なぜなら私はいまでも首を試みつつあるからだ、理解するために」

「作家も画家も職業とは思えなかった。哲学は職業だ、これは怠惰の口実の職業だ。二十三歳のころ、哲学の本を書 くことを考えた。形作ることが一切を説明する。観念を書いて終るのではなくて、彫刻をしなければならない。活動だ。考えることや絵を描くことの前に、それをするために彫刻をしなければならぬ。私は絵画の方がやりたかったのだが、そのためには彫刻をやることが必要だと思われた、エクリチュールは形跡シーニュなのだから。それに歴史の中で文化を最も無傷に保っているのは彫刻だ。結局いまの私は、二十三歳のときの私とまったく同じだ、シモーヌ・ド・ボーヴォアールと同じように論理的だ」

わ〜い!😄