「ジャコメッティ」矢内原伊作

ジ「きみが持ってきてくれたあの掛け軸、あれはヨーロッパの家の壁にもよく合う。」コーヒーをのみながら 彫刻家が言う。「これに反してヨーロッパの今日の絵画の大部分は壁にかけられない。なぜなら、それは自然に反して人を驚かすために描かれているからだ。驚かす目的で描かれたものがわれわれの心を休ませるわけがない。」矢「そうですね、驚かすために作られたものは、またすぐに倦きられるでしょう」とぼくは答えたが、日本の掛け軸がョーロッパの住居に合うということは実はあまり信じられなかった。が、ジャコメッティがお世辞を言っているのでないことは確かだった。

わ〜い!😄