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組織構造による競争優位の持続

経営戦略と競争優位

企業では、事業意欲を持ったメンバーによって、社内にある技術や素材などの経営資源と市場や顧客といったニーズをバランスよく結びつけた運営がなされています。企業にとって、市場や技術、競合他社といった自社と関わる外的要素は企業の経営環境です。企業の企業を取り巻く経営環境は常に変化していきます。

経営戦略の父ともいわれるアンゾフは、「企業は環境の創造物である」という言葉を残しています。これは、企業の現在の経営が過去の環境適用の結果であると同時に、現在の企業を取り巻く経営環境が過去の企業行動と過去の環境によって形成されるということを意味しています。

企業の戦略は、こうした環境の変化に適用していくために必須のものです。では、企業は変化する市場の動向をどのように把握すればいいのでしょうか。また、どのように他者との競争に価値利益を上げ続けてるために行動していけばいいのでしょうか。ここに、自社に取り巻くあらゆる経営環境を把握し自社が生き抜いていくための指針が必要となります。

戦略は企業活動の基本設計図と定義されます。以下では、企業の事業分野の決定と資源配分が問題となる企業戦略と、特定の競争市場で自社の競争優位を構築するために競争戦略に分けて、戦略とはどのようなものなのか検討していきましょう。

企業戦略

技術革新は急速に進展した1950年代以降、企業にとって多くの製品市場開拓のチャンスを広がりました。企業の勝負する事業活動領域を定め、多角化による新たな成長機会を模索するためには、企業ドメインを設定しなければなりません。このような企業成長に必要な戦略的意思決定のガイドラインを提供したのがアンゾフです。アンゾフによれば、「戦略的」とは「企業と環境との関係に関わる」ということを意味します。ここから、戦略的意思決定とは環境適用的な意思決定とも言い換えられます。

戦略的意思決定は、具体的に「製品」と「市場」の組み合わせを戦略することです。製品と市場の組み合わせで4つに分類されます。

既存市場・既存製品:市場浸透
新市場・既存製品:市場開発
既存市場・新技術製品:製品開発
新市場・新技術製品:多角化

競争戦略

企業が自社の事業ドメインを設定すれば、次はその特定事業でどのように競合他社と競争していくのかが問題になります。そのための企業の活動指針を競争戦略と呼びます。個別の競争戦略をどのように形成し、管理しなければならないのかが企業の経営戦略の中心的な課題となります。

競争戦略では、企業にとって競争優位の源泉を解明すること、そして競争優位を実現し持続させていくことが重要になります。

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