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貴方の帰りを待っています

ときどき貴方が嫌になります。
我儘で、秘密屋で、強情で。貴方のダメなところを挙げたらキリがありません。真理をぼやかす、曖昧な笑みが染み込んだ貴方の顔を見ると、迚も哀しいです。夢の語り方を知っていた貴方が好きなのに、いつの間にかそれさえも忘れて、遊び呆けている。貴方を嫌と思ってしまうのは、私のエゴだと分かっている。間違いの環状線から降りられずに、貴方は非常停止ボタンも押せないで、蹲りながらメシアでも待ってるのだろうけど。
貴方が思っているような未来なんて来ないと幾度となく証明してあげたのに、1molの感情原子を吐いて終わらせた。いつの間にか貴方の姿は見えなくって、苦しいけど過去を掘り返してみる。化石になった足跡を見つけて、糠喜びすることの寂しさと言ったら。副葬品で見つけたモノの中にある、貴方が言った「生まれ変わってみせる」は、只の瞞しだったの?嘘で塗り固めるなんて生優しいモノなんかじゃ無かったじゃない。どうか、今すぐその間違い電車から飛び降りて。私は貴方の帰りを待っています。

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