ふじ書房

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旅をしたり、本を読んだりする。 日々の読書と散策を中心に、読んで、見て感じたことをすべて。

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  • たまのこと。

    私の暮らす、多摩のこと。

  • ほんのこと。

    このまえ読んだ本のこと。 読書の感想などを綴っています。

  • 旅に出たくなる本のこと。

    旅に出たくなる本の紹介です。

  • 柳田國男を読む。

    もう一度、柳田國男を読んでみる。

最近の記事

2023年、これからのこと。

気がつけば2023年も終わりに近づきました。 今年からはいよいよ30代。これからは何か積み重ねていく生き方もいいなと思う今日この頃。 自分が見てきたことや、感じたことを“そこはかとなく書きつくる”ことから、30代最初の年を始めていきたいなと思うのです。 そういえば、20歳になる頃によくイヤホンから流れていた楽曲たちのなかには30歳というキーワードが時々あったことを思い出します。 例えば、ゆずの「もうすぐ30歳」。 またはMr.Childrenの「1999年、夏、沖縄」

    • 『アースダイバー 増補改訂』と東京タワー

      つい最近、 中沢新一氏の『アースダイバー』を読んだ。 この本が最初に出版されたのは2005年ということで、もう15年以上前のことになる。現在は新たな章を加えた増補改訂版が出ている。 アースダイバーとは さて、アースダイバーとは何かというと、地形や残された痕跡から土地の記憶や無意識に現代に生きる古代の思想を掘り起こすことである。 東京には縄文や弥生時代の遺跡が点在していて、現代社会においても古代人の思想を無意識的になぞりながら街がかたち造られているという。 こうした思

      • SOMPO美術館『川瀬巴水 旅と郷愁の風景』展にいく。

        川瀬巴水が新宿にやってくる。 というので、 さっそくSOMPO美術館へ行ってきました。 今回は展覧会の感想や、さらに深く知ることのできた川瀬巴水のことを綴りたいと思います。 私が川瀬巴水を好きな理由私は旅行が好きなこともあって、 様々な場所を歩いてきました。 いざ旅行を終えて帰ってみると、目的地にしていた観光名所よりも、途中で歩いた町並みや景色のほうが記憶に残っていたりします。 何故、記憶に残ったのか。。 それは、その風景に旅情を感じたからなんです。 行く前には

        • 群馬県立館林美術館『たてびレポート』に行く。

          企画展などの展示に誘われて、まだ行ったことのない美術館に行くことって多いのです。 以前から気になってはいたものの、 遠いという理由から敬遠していた群馬県立館林美術館。 2021年に開館20周年を迎えたということで、『たてびレポート』というこれまでを振り返る企画展を実施しているとのこと。 コレクションの総集編のような感じですね。 お目当ては山口晃氏の作品私が見たかったのは山口晃氏の作品。 古今の文化様式を織り交ぜたような街を、鳥瞰図のように描く作風に昔から興味がありま

        2023年、これからのこと。

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        記事

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅⑤~館林美術館~

          こんばんは。 北関東の旅も今回で最終回。 栃木、宇都宮、佐野と栃木県の街を巡って来ましたが、最後は群馬県の館林に来ました。 東武佐野線は渡良瀬川を渡って館林駅に到着します。 館林駅は伊勢崎線と小泉線も乗り入れる東武線のターミナル駅。 佐野線はワンマン2両編成のローカル線ですが、伊勢崎線は赤城行きの特急りょうもうが頻繁に走る幹線です。 館林美術館まで 今回の旅の最後に訪れるのは群馬県立館林美術館です。 市立ではなく県立の美術館で、群馬県下でも最大規模の美術館です。

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅⑤~館林美術館~

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅⑤~厄除けの佐野~

          こんばんは!(^^)! 北関東途中下車の旅、今回5回目。 2日目の今日は宇都宮から栃木駅まで来ました。 本日目指すのは、佐野市にある佐野駅です。 JR両毛線 時間短縮のため、ワープを使いましょう。 東武線のフリーパスを持っているので、本来なら東武線を乗り継いで佐野駅に行くのがお得。しかし、とても遠回りになってしまうため、JR両毛線を使います。ちなみに、両毛線はSuicaで乗車できます。 両毛線は栃木と佐野を最短距離で結ぶので、乗車時間は15分程度。関東平野の端を進

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅⑤~厄除けの佐野~

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅④~餃子の街 宇都宮~

          こんばんは(^-^)/ 北関東途中下車の旅も今回で4回目。 前回は東武宇都宮線で、宇都宮まで来ました。 今日はこの宇都宮の街で宿泊します。 宿泊場所は、宇都宮東武ホテルグランデ。東武宇都宮駅から徒歩3分ほどの場所にあります。 宇都宮といえばなんと言っても餃子! 宇都宮の街に泊まって、餃子をたくさん食べるのが今回の旅のひとつの目的です。 宇都宮みんみんホテルメッツァ店 まず最初に向かったのは宇都宮みんみん。 宇都宮餃子の超有名店です。市街地にある本店はいつも混雑

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅④~餃子の街 宇都宮~

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅③~蔵の街栃木~

          こんにちは(^-^)/ 今回は東武線途中下車の旅、3回目の投稿です。 どうぞお付き合いくださいませ。 前回東京スカイツリーを観光したので、 次の目的地である栃木県を目指します。 乗り放題きっぷを使うのであれば、 できるだけ遠くの街へ訪れたいものです。 とうきょうスカイツリー駅から、 特急スペーシアきぬがわ号に乗車します。 デジタルフリーパスで特急に乗車する場合は別途特急券が必要。 事前にWEBの特急券予約サービスで、 座席の予約・購入しておけば、チケットレスで乗車

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅③~蔵の街栃木~

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅②~東京スカイツリー~

          こんばんは。 東武本線デジタルきっぷの旅行記、 今回は2回目の投稿です(^-^)/! 前回は浅草駅から出発して、 とうきょうスカイツリーで下車しました。 今回使ったデジタルきっぷには、 スカイツリーの入場券も含まれているんです。 スマホにダウンロードしたバウチャー券を用意して、直接カウンターに向かいます。 スカイツリーの入場口は4階にあります。 カウンターでバウチャー券のQRコードを読み取ってもらうと、すぐに入場チケットをもらうことができました。 平日ということ

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅②~東京スカイツリー~

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅①~はじまり~

          涼しくなってきた今日この頃。 少し近場で旅をしたいこともあって、期間限定で販売している『東武本線乗り放題デジタルきっぷ』を試しに使ってみることにしました。 このきっぷは、チケットレスです。 ネットで購入して、当日は自分のスマートフォンをフリーパスとして利用します。駅でのチケット発券も必要ないので便利ですね。 なぜこのきっぷを使おうと思ったかというと、かなりお得だから。東武鉄道の伊勢崎線・日光線系統の全路線が2日間乗り放題になります。それに加えて、東京スカイツリーの入場

          東武線で行く!北関東・途中下車の旅①~はじまり~

          ざっくり!日本美術史 江戸Ⅲ

          今回は江戸時代の3回目。 多様化する江戸後期の美術を紹介します。 ざっくり!日本美術史の連載も今回が最終回です。   異国への関心鎖国をしていた江戸時代でも、 中国とは定期的な交流がありました。 中国芸術の様式や画派に影響を浮けた人を文人と呼びました。これらの人々が描いた絵画を南画や文人画がと言います。 その一方で、オランダ経由で西洋画の技法も伝わります。 京都の円山応挙や司馬江漢は正遠近法を用いた表現を実践し、関東の文人画を大成した谷文晁は幕府の命で西洋画法を用い

          ざっくり!日本美術史 江戸Ⅲ

          ざっくり!日本美術史 江戸Ⅱ

          今回は江戸時代の2回目です。 上方や江戸など都市部での文化が成熟して、新たな流派や技法が確立してくるのが江戸時代中期ごろ。 今回は琳派と丸山四条派を中心にご紹介します。 江戸時代中期の美術江戸や京都では町人を中心とした多彩な文化が花開きます。 街道の整備により各藩(都市)との流通や旅行も盛んになり、庶民が文化の担い手として個性豊かな美術が生まれました。 江戸では風俗画の延長線上に、遊女や役者を描く浮世絵が誕生します。 浮世絵には版画と肉筆画の2種類ありますが、版画

          ざっくり!日本美術史 江戸Ⅱ

          ざっくり!日本美術史 江戸Ⅰ

          最後は江戸時代の美術についてお話します。 江戸時代は1603年~1868年までの約260年間に及びます。 江戸幕府を開いた徳川家康は、新興都市・江戸に拠点に長期的に実権を握ることになりました。 幕藩体制による政治の安定化は経済の成長を促し都市人口の増加させます。その影響で上方と江戸を中心に町民文化が発展した時代です。 江戸前期の流れ徳川家康は関東地方に江戸城を置き、幕府の拠点としました。 江戸時代の前期では、従来の上方(京都・大坂)と新興都市の江戸という2つの文化圏が成

          ざっくり!日本美術史 江戸Ⅰ

          ざっくり!日本美術史 桃山Ⅱ

          ざっくり!日本美術史、今回は桃山時代の2回目です。 今回は桃山時代に工芸や海外文化の影響についてお話します。 茶の湯茶の湯とは茶を立てて振る舞う芸道のこと。 桃山時代に堺の商人出身の千利休が侘数寄を大成し、以降の茶の湯の基礎を作りました。 室町時代にも大名の間で茶の湯は行われていました。 しかし、大陸から輸入した「唐物」に美的価値観を見いだしていたため、特権階級でしか嗜むことができませんでした。 利休は従来の茶の湯をベースとしながらも、独自の様式や道具に至るまでブラン

          ざっくり!日本美術史 桃山Ⅱ

          ざっくり!日本美術史 桃山Ⅰ

          お次は、桃山時代です。 桃山時代は1573~1615年の約50年間。 他の時代区分と比べると非常に短いところが特徴です。 織田信長が足利義明を京都から追放したのが1573年。 1615年といえば大坂夏の陣で豊臣家が滅ぼされた年です。 つまり室町時代の終焉から、徳川幕府確立までの移行期を文化史的には桃山時代と呼んで区別しています。 そんな桃山時代の美術を、2回に分けて見ていきます。 桃山時代の美術 桃山時代は短期間ではありますが、美術は多様性に富んでいます。 文化の

          ざっくり!日本美術史 桃山Ⅰ

          ざっくり!日本美術史 室町Ⅲ

          ざっくり!日本美術史、室町時代の最終回です。 今回は応仁の乱以降の室町美術についてご紹介します。 これまでの日本美術は、朝廷や幕府といった為政者周辺で作られることが一般的でした。 どんなに腕のいい絵師や仏師も、パトロン(発注者)がいないと食べていけません。古代から美術と権力は常に近い位置にあったのです。 しかし、室町時代後期になると貴族や武士でもない町衆が美術の担い手として登場。都市は貨幣経済の発展を伴って成熟し、富を蓄えた町衆は美術のパトロンとなりました。 制作者

          ざっくり!日本美術史 室町Ⅲ