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ほんのこと。

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このまえ読んだ本のこと。 読書の感想などを綴っています。
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『アースダイバー 増補改訂』と東京タワー

『アースダイバー 増補改訂』と東京タワー

つい最近、
中沢新一氏の『アースダイバー』を読んだ。

この本が最初に出版されたのは2005年ということで、もう15年以上前のことになる。現在は新たな章を加えた増補改訂版が出ている。

アースダイバーとは

さて、アースダイバーとは何かというと、地形や残された痕跡から土地の記憶や無意識に現代に生きる古代の思想を掘り起こすことである。

東京には縄文や弥生時代の遺跡が点在していて、現代社会においても

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『四畳半タイムマシンブルース』を読む

『四畳半タイムマシンブルース』を読む

森見登美彦先生の最新作が発売されました。

その名も『四畳半タイムマシンブルース』。
この作品は『四畳半神話大系』の続編となっています。

今回は劇作家・上田誠の「サマータイム・マシンブルース」に着想を得て執筆されたコラボ企画ですが、正式な続編。

続編とはいっても、後日談ではなく、もちろん同時並行世界(パラレルワールド)のお話。しっかりと原作のお約束も守られています。

主人公は大学3年生、入学

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『四畳半神話体系』を振り返る

『四畳半神話体系』を振り返る

森見登美彦先生の『四畳半神話体系』をご存じでしょうか。

主人公はとある大学3年生。

四畳半のおんぼろ下宿に住まい、京都の大学に通う主人公は入学当時に夢見た薔薇色のキャンパスライフとは程遠い冴えない毎日を送っていました。

京都を舞台にした森見登美彦先生の代表作のひとつです。夏のカドフェス100冊にも選ばれているので、読んだことのある方も多いのではないでしょうか。

もしもの世界を覗いてみるこの

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横溝正史『七つの仮面』を読む

横溝正史『七つの仮面』を読む

今回は紹介するのは『七つの仮面』という作品。
角川書店から出版されている金田一耕助ファイルでは14巻目にあたります。

収録されているのは代表作の「七つの仮面」のほか「猫館」、「雌蛭」、「日時計の中の女」、「猟奇の始末書」、「蝙蝠男」、「薔薇の別荘」の7作品。どれも名探偵金田一耕助シリーズの中期から後期にかけて短編作品です。

金田一耕助といえば、『八つ墓村』や『犬神家の一族』といった地方を舞台に

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私を構成する5つの漫画のこと。

私を構成する5つの漫画のこと。

noteを始めてから最初の目標は続けること。
最初はお題について書いてみることにします!

「私を構成する5つのマンガ」という企画が,twitterを始めSNSで流行っているようなので便乗してみようと思います。

私が選んだのは,
『ぼのぼの』,『いけちゃんとぼく』,『ソラニン』,『二匹目の金魚』,『グヤバノ・ホリデー』の5冊です。

これらのマンガに共通しているのは,
私たちの何気ない日常がテー

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