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池袋母子死亡事故 「約束」から3年 被害者の夫が事故再発防止活動や裁判の中での、妻子への誓いとは

あらすじ

2019年4月19日、東京都豊島区東池袋4丁目で発生した高齢ドライバーによる自動車暴走事故。加害者の飯塚幸三受刑者は「安全な車を開発して欲しい」と語り、禁錮5年の判決を受けて地方の高齢者向けの刑務所で服役している。
一方、事故で妻子を失った被害者遺族の松永拓也さんは、一人ぼっちの部屋で亡くなった妻の真菜さんと娘の莉子ちゃんの遺品整理を始めた。
「罪と向き合って欲しい」という思いは、衰えゆく90歳の高齢ドライバーに届くのか。
「上級国民」と呼ばれた飯塚受刑者への誹謗中傷、遺族の再発防止への願い、すれ違い続ける両者など、社会に大きな波紋を広げた事故の3年間を追った。
2019年4月に起こった東池袋自動車暴走死傷事故を3年にわたり追い続けたドキュメンタリー。
「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」(22年3月18~24日/ヒューマントラストシネマ渋谷)上映作品。

感想など

ある日、突然愛妻と愛娘を交通事故で亡くした松永拓哉さんの、高齢者ドライバーによる交通事故を撲滅するための活動、加害者である飯塚幸三に自らの責任を自覚してもらうための裁判に臨む苦しみと葛藤。
松永さんの願いと裏腹に、加害者である飯塚幸三へ激しくなる誹謗中傷。
松永さん家族の事故を、自分事に受け止められず運転免許証を、様々な理由で返納しない高齢者ドライバーがいるというやるせない現実。
さらに、裁判を通して自分の過失をブレーキとアクセルの踏み間違えしか認めず、膝の調子が悪く医師から運転を止められていたのに自分の体調を過信して車を暴走させ松永さんの妻娘の命を奪った責任から飯塚幸三が目を背けていることに対する、松永さんのやりきれない虚しさと怒り。
仕事と裁判の両立に苦労し、愛娘と愛妻がいない現実を受け入れきれない松永さんの割り切れない気持ちを抱えながら前向きに生きていこうとする松永拓哉さんの葛藤を通して、高年齢者ドライバーによる交通事故をどのようにすればなくせるか、考えさせられたドキュメンタリー。
プライムビデオで配信中。

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