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丑三つの村 恐るべき実話犯罪映画 その3 津山事件

あらすじ

戦時下の昭和13年、山あいに数十戸が点在する小さな、閉鎖的な村。村一番の秀才とほめそやされて青年・犬丸継男(古尾谷雅人)は、純粋に国を信じ、兵士として立派に戦うことに、自分の男としての生き方を見ていた。
が、結核と診断された彼は、その望みを完全に断たれ、そればかりか村人たちからもツマはじきにされる。
自分が生まれ育った村の、近親遠縁同士で契り合う汚れきった血、汚れきった人間関係をつくづくと知らされ、ぎりぎりのところまで追いつめられた彼は、銃をとり、たった一人の戦場に出て行くことでしか、自分の生を確認する方法がなかった。
「みなさま方よ、今にみておれでございますよ・・・・・・・」
ブローニングの改造9連発ショット・ガンと日本刀で武装し、ハチ巻きに2本の懐中電灯をツノのように立てた彼は、ついに大量殺戮の火蓋を切る・・・。
「八つ墓村」の元ネタになった「津山三十人殺し」と呼ばれる「津山事件」を元にした実録犯罪映画。

感想など

村一番の秀才と誉れ高い犬丸継男は、師範学校の教師か兵隊を夢見ていたが、徴兵検査で肺結核と診断され村八分にされ、今までチヤホヤしていた村人や自分に体を開いた女たちにまで嫌われて軽蔑され虐げられ、恨みを募らせ村人に怒りの銃弾を炸裂させるまでを、閉鎖的な村に苛立ち承認欲求とリビドーに悶々として村の女たちと乱れた関係を結ぶ前半部分は青春映画調で、村八分に遭い次第に村人に恨みを募らせ村人に怒りの銃弾をぶちこむまでは田舎実録犯罪サスペンスホラータッチで描くことで、秀才青年が次第に狂気を募らせる怖さがあり、クライマックスの三十人殺しは犬丸が冷静にターゲットを冷酷に殺害する冷徹な計画性と血まみれのスプラッタ描写があり、古尾谷雅人の鬼気迫る熱演もあり、傑作実録犯罪映画に仕上がっている。
「皆さま方よ、今にみておれでございますよ」

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